採用代行 / 埼玉県

埼玉県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方

公開 2026-09-24

埼玉県で正社員を採りたい企業に向けて、この記事では、県の代表値から正社員、業種、雇用形態へと数字を絞り込み、自社が実際に置かれている環境を特定する順番を整理します。埼玉労働局が公表している令和8年7月分の有効求人倍率は1.11倍で、求人が求職者を上回っています。ところが同じ資料で正社員に絞ると、就業地別0.88倍、受理地別0.81倍で、どちらも1倍を割ります。正社員を採る企業にとって、県の1.11倍は自社の環境を表していないということです。以下は2026年9月24日時点で埼玉労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。

1.11倍の県で、正社員だけが1倍を割る

まず県全体の主要な指標を、前月との比較で確認します。資料の注記には、求人数と求人倍率は記載がない限り受理地別であること、求人数と求職者数はハローワークに登録しているもので、民間の職業紹介事業者や求人広告等によるものは含まれないことが明記されています。

項目令和8年7月前月との比較
有効求人倍率1.11倍0.02ポイント低下
有効求人数98,712人0.7%減少
有効求職者数89,225人1.4%増加
新規求人倍率2.02倍0.11ポイント低下
新規求人数35,106人0.5%増加
新規求職者数17,403人6.2%増加

正社員の有効求人倍率は、就業地別が0.88倍(前年同月から0.04ポイント低下)、受理地別が0.81倍(前年同月と同水準)です。全体の1.11倍と受理地別の正社員0.81倍の間には0.30ポイントの開きがあります。パートを含めた求人全体では求人が上回っていても、正社員の求人に対しては求職者のほうが多い、という状態です。

同じ資料には、正社員に関する三つの割合も並んでいます。新規求人(受理地別)のうち正社員求人の割合は前年同月より0.2ポイント上昇し、新規求職者のうち正社員希望者の割合は1.1ポイント低下、就職件数のうち正社員就職の割合は2.2ポイント低下しました。正社員で募集する会社は増えているのに、正社員を希望する人の割合と、正社員で決まった割合は下がっているという組み合わせです。正社員の倍率が1倍を割っていても、応募がそのまま集まるとは限らない理由がここにあります。

主要11産業の6増5減を、業種の名前まで下ろして読む

令和8年7月分の新規求人を産業別に見ると、主要11産業のうち6産業が増加、5産業が減少しています。埼玉県の資料の使いどころは、産業ごとに「主な増加求人」「主な減少求人」の業種が添えられていることです。

産業前年同月比増減資料に挙がっている主な業種
教育、学習支援業23.0%増100人増高等学校、中学校など
運輸業、郵便業14.0%増310人増一般貨物自動車運送業、一般乗用旅客自動車運送業
サービス業(他に分類されないもの)5.8%増284人増警備業、労働者派遣業
情報通信業33.5%減212人減インターネット附随サービス業、情報処理・提供サービス業
卸売業、小売業16.6%減807人減各種食料品小売業、自動車小売業
生活関連サービス業、娯楽業15.3%減165人減スポーツ施設提供業、理容業

減少幅で最も大きいのは情報通信業の33.5%減、人数では卸売業・小売業の807人減です。増えた産業にいる企業は、競合の出稿が増えて条件の比較が起きやすく、減った産業にいる企業は相対的に目立ちやすい位置にいます。ただし、求人が減った産業でも、求職者の側が同じ産業を希望しているとは限りません。

業種の名前が分かると、自社が本当にその動きの中にいるかを判断できます。同じ情報通信業でも、インターネット附随サービス業ではない企業にとって、33.5%減は自社の競合の話ではないかもしれません。大分類の数字で判断せず、業種まで下ろしてから自社に当てはめる、というのが埼玉県の資料の読み方です。

エラベルの見解

相談で多い思い込みは、「IT系は採用が厳しい」「物流は人が来ない」といった大きな括りの前提です。埼玉県の令和8年7月分では、情報通信業の新規求人が33.5%減り、その中身はインターネット附随サービス業や情報処理・提供サービス業だと書かれています。大きな括りの一般論と、県の数字が逆を向くことがあるわけです。業種の名前まで確かめる習慣があれば、思い込みで打ち手を選ばずに済みます。代行会社の提案で「御社の業界は厳しいので」と言われたら、どの業種の、どの月の数字かを聞いてみてください。資料の業種名まで引用できる相手は、一次資料に当たっています。地方企業の採用の考え方は地方企業の採用にもまとめています。

「フルタイム希望」と「正社員希望」を分けて母集団を数える

新規求人と新規求職者を、雇用形態で分けた数字も公表されています。求人は減り、求職者は増えていますが、その増え方は形態によって違います。

区分新規求人前年同月比新規求職者前年同月比
フルタイム21,292人4.0%減少10,775人(フルタイム希望)4.0%増加
パート14,151人1.4%減少6,619人(パート希望)8.8%増加
合計35,443人3.0%減少—5.8%増加

パートは求人がわずかに減り、求職者が大きく増えているので、パート採用の環境は緩む方向です。フルタイムは求人4.0%減、求職4.0%増と対称ですが、それでも受理地別の正社員の倍率は前年同月と同水準の0.81倍です。フルタイムを希望する人のすべてが正社員を希望しているわけではない、ということが、前の節で見た正社員希望者の割合の低下とつながります。

母集団を見積もるときは、フルタイムの求職者数をそのまま正社員の候補と数えないことが大切です。フルタイムで働きたいが正社員にはこだわらない人が一定数いるなら、契約社員から正社員への登用の道を示す、勤務時間は正社員と同じで責任の範囲を段階的に広げる、といった求人の出し方も選択肢になります。どちらの層を狙うかを決めてから依頼しないと、母集団の見積もりがずれます。

雇用保険の数字で、離職して動く人の増え方を確かめる

埼玉労働局の資料には、雇用保険の数字も並んでいます。受給資格決定件数は速報値である旨が注記されています。

項目令和8年7月前年同月比読み方
雇用保険被保険者数1,647,893人1.0%増加県内で雇用保険に入って働いている人の規模
雇用保険受給者人員27,834人1.3%増加給付を受けている人の規模
受給資格決定件数8,315件7.4%増加その月に新たに失業給付の資格が決まった件数

被保険者は1.0%増えている一方で、受給資格決定件数は7.4%増えています。働いている人は増えているが、新たに離職した人も増えている、という組み合わせです。新規求職者が増えていることと方向が一致しており、離職して求職に出る層が前年より増えていると読めます。求職者が増え、求人は減り、それでも正社員では求職者が多い。この状態で応募が集まらないなら、原因は量ではなく、求人の内容か、条件か、接触の仕方にあると考えられます。

応募が集まらない理由を、量以外に探す依頼の形

ここまでの数字から、埼玉県で正社員を採るときに代行へ頼む工程は、送信数や出稿量を増やすことより、求人の中身と接触の仕方を見直すことに寄せるのが合っています。埼玉労働局は求人・求職バランスシートと求人・求職・賃金バランスシート、採用時の賃金情報を別に公開しているので、職業別の需給と賃金もあわせて確かめられます。

自社の数字で見積もりを立てるなら、まず募集する職業の求職者数をバランスシートで確かめ、そのうち正社員を希望する層がどの程度かを、県の正社員希望者の割合の動きを参考に考えます。次に、月に採りたい人数に、過去の応募から入社までの割合の逆数を掛けて必要な応募数を出し、正社員希望の層だけで足りるかを見ます。足りなければ、登用前提の求人など別の層に向けた出し方を加えた場合で試算し直し、代行会社には両方の案で作業量を見積もらせます。

商談では、正社員の倍率を別に示すか、受理地別と就業地別の正社員倍率を分けるか、産業別の増減を業種まで説明できるか、フルタイムとパートを分けるかを確かめてください。雇用形態の変更や登用制度の設計が労働条件に関わる場合、個別の判断は専門家にご確認ください。

エラベルの見解

外に出してよいのは、業種と形態で絞った数字の整理と、それに合わせた求人票の書き分けまでだと考えています。どの層を狙うか、正社員にこだわるか登用前提にするかという判断は、人件費と組織の設計に関わるので、社内に残すべきです。ここを代行に渡すと、応募数を増やしやすい層に寄っていき、半年後に「採れたが想定と違う」という結果になりがちです。判断は社内で一度決め、決めた層に届ける作業を外に出す。そのうえで担当者を選ぶなら、正社員と登用前提の両方の求人を書いた経験があるかを聞いてください。近隣の状況は東京都の採用代行、千葉県の採用代行にもまとめました。なお雇用情勢の数値は毎月更新されるため、最新の数値は埼玉労働局の統計情報をご確認ください。

まとめ

よくある質問

Q. 埼玉県の有効求人倍率が1倍を超えているのに、正社員の応募が集まりません。なぜですか

正社員に絞ると倍率は1倍を割りますが、正社員を希望する求職者の割合は下がっています。応募が集まらない原因は量ではなく、求人の内容や条件、接触の仕方にある可能性があります。

Q. 産業別の数字は、どこまで細かく見ればよいですか

埼玉労働局の資料には、産業ごとに主な増加・減少の業種が添えられています。大分類の数字で判断せず、自社と同じ業種が動いているかまで確かめてから当てはめてください。

Q. フルタイムの求職者は、正社員の候補と考えてよいですか

そのまま数えないほうが安全です。フルタイム希望のすべてが正社員希望とは限らないためです。狙う層を決め、必要なら登用前提の求人など別の出し方も検討してください。

出典