人事副業 / 採用イベントの企画・運営
採用イベントの企画・運営の副業案件|求められる経験と進め方
採用イベント(ミートアップ、説明会、座談会)の企画・運営は、平日の夜や土日に稼働できる人に向く副業案件です。人が集まらない、来た人に次が無い、運営で社員が疲れる、会社の説明ばかりで終わる。その状態で外に出されます。ただ、「人を集めて会社を説明する仕事」と思って受けると、大きく告知して数人しか来ず、来た人は会社の説明を聞いて帰り、翌日に何も届かず、応募に一人もつながりません。結論を先に書くと、採用イベントの企画・運営の副業案件は、「当日の運営だけ」「企画から集客と当日まで」「翌日の連絡と記録を含む一式」「型作りと引き継ぎ」の四つの型に分かれ、求められるのは、目的から企画できること、登壇する社員の話す中身を聞き出せること、当日を一人で回せること、翌日に一言添えた連絡を出して記録することの四つです。進め方は、誰に・何のために・何を持ち帰ってもらうかを会社が決める→五人から始める形とテーマ→対象がいる場所への告知と申込→社員が語る中身の聞き出しと事前の共有→手配と当日の運営→翌日の連絡→記録と振り返り→次の会、の順で、開くかどうか・対象とテーマ・登壇する社員・費用・参加者情報の方針は会社、会社の説明をする役にならず、選考にせず、参加者情報を手元に残さず、費用を立て替えない線を先に引いておきます。会社側の考え方は採用イベントに人が来ないと採用イベントの代行に、カジュアル面談との違いはカジュアル面談の代行の副業案件に、副業全体の始め方は人事の副業の始め方に書いています。ここでは、イベントの案件に絞ります。
採用イベントの案件の四つの型
募集文は「採用イベントの運営スタッフ」「ミートアップの企画」「説明会の運営」と書かれていることが多いですが、任される範囲は四つに分かれます。受ける前に、どの型かを確かめます。
| 型 | 任される範囲 | 依頼側が持つこと | 受ける側の稼働の性質 |
|---|---|---|---|
| 当日の運営だけ | 受付、進行の補助、時間の管理、片付け | 企画、集客、登壇、翌日の連絡 | 当日の数時間で区切れる。平日の夜や土日 |
| 企画から集客と当日まで | 誰に・何のために・何を持ち帰るかの整理の補助、形とテーマ、告知と申込、社員の話す中身の聞き出し、手配、当日の進行 | 対象とテーマの決定、登壇、費用の承認、翌日の連絡 | 開催の一か月前から準備。告知の期間が要る |
| 翌日の連絡と記録を含む一式 | 企画から当日に加え、翌日の一言添えた連絡、参加者ごとの記録、振り返り、次の会の設計 | 対象とテーマ、登壇、費用、参加者との関係作り | 開催後の翌日の稼働が要る。継続の会なら月次 |
| 型作りと引き継ぎ | 企画の型、告知の型、進行表、翌日の連絡の型、記録の表を作り、社内で回せるようにする | 以後の運営 | 期間が決まっている。終わったら手を離す |
止まりやすいのは、「当日の運営だけ」で受けたのに、当日に人が集まらず、「集客もお願いすればよかった」と言われるときです。集客は企画で決まるので、当日だけを受けるなら、集客の結果に責任を持たないことを先に書面に残します。
求められる経験を棚卸しする
依頼側が見ているのは、「イベントの経験が多いか」ではなく、「社員と話して、翌日に次の案内が届いた参加者を増やせるか」です。社内でイベントに関わった経験を、四つに分けて棚卸しします。
| 経験 | 依頼側にとっての意味 | 棚卸しの書き方 |
|---|---|---|
| 目的から企画できる | 「集める」から考えず、誰に・何のために・何を持ち帰るかから形とテーマを決められる | どういう目的で、どういう形(人数、テーマ、時間)にしたか |
| 登壇する社員の話す中身を聞き出せる | 会社の説明ではなく、社員の場面を話してもらえる | 事前に何を聞いて、当日に何を話してもらったか |
| 当日を一人で回せる | 受付、進行、時間、トラブル、片付けを、社員を煩わせずに回せる | 一人で回した会の規模と、進行表の形 |
| 一言添えた連絡と記録 | 翌日に、参加者ごとに当日の話に触れた案内を出し、記録した | 翌日の連絡の型と、記録の項目 |
いちばん差がつくのは四つ目です。イベントの成果は当日ではなく翌日に決まります。「本日はありがとうございました」の定型を全員に送る人と、「〇〇さんが〇〇さんに聞いていた〇〇の件、補足があります」と一言添える人では、その後の面談の設定が変わります。
エラベルの見解
担当する側から見ると、採用イベントの案件は、「社員が語る時間を会社が確保しているか」で難易度が変わります。参加者が持ち帰るのは「社員と話した」体験で、それ以外に来る理由はありません。社員の時間が確保されている会社では、担当者は回す側に集中でき、翌日の連絡に書く材料もあります。確保されていない会社では、担当者が会社の説明をする役になり、参加者は「説明会だった」と帰り、翌日の連絡に書くことがありません。エラベルで担当者を選ぶ企業に、私たちがまず聞くのは「当日、社員の方は何人、何分、参加者と話せますか」です。「担当者が説明して」という会社には、イベントを開く前に社員の時間を決めてもらいます。受ける側がその場で使える判断としては、受ける前に「当日、参加者と話す社員は誰ですか」と聞くこと。答えが「あなた」なら、範囲を「回す側」に直して提案します。
進め方の順番
| 順 | やること | ここで決めておくこと |
|---|---|---|
| 一 | 誰に・何のために・何を持ち帰ってもらうかを会社が決める(像で。「若手エンジニア」ではなく「〇〇で〇〇に困っている人」) | 決める人。開くかどうかの判断 |
| 二 | 形とテーマ(五人から。月に一度か二か月に一度。テーマで集める。ハードルを下げる) | 費用の上限と承認。会場かオンラインか |
| 三 | 告知と申込(対象がいる場所へ。社員の紹介、過去の応募者、紹介会社と媒体の担当者、共催、既存のイベント。自社の告知だけにしない) | 告知の文面の承認。申込の受け皿と参加者情報の扱い |
| 四 | 社員が語る中身の聞き出しと事前の共有(場面を聞く。会社の説明はしない。参加者の申込内容を社員に事前に共有) | 登壇する社員と時間 |
| 五 | 手配と当日の運営(進行表、受付、最初の五分で目的と流れと選考でないこと、社員との対話を最も長く、質問、持ち帰るものの確認と次の案内、終了後の立ち話) | 当日の担当の分担。トラブルの連絡先 |
| 六 | 翌日の連絡(参加者ごとに当日の話に一言触れ、質問への答え、面談や次の会の案内。選考の合否に触れない) | 文面の承認。次の一歩の選択肢 |
| 七 | 記録と振り返り(申込、参加、社員と話した人、翌日の連絡、面談に進んだ人。効いた形) | 記録を出す人 |
| 八 | 次の会(テーマを変えて、社員は交代で、効いた形を続ける。やめる判断は会社) | 次の日程 |
止まりやすいのは、一を飛ばして「まず一回やってみよう」と告知を始めるときです。対象が曖昧な告知は、誰にも届きません。人が来ない構造は採用イベントに人が来ないに書いています。
外部の立場で踏み込まない線
イベントは、候補者になる前の人が会社と接する場で、参加者の情報と費用と社員の登壇が絡みます。線を先に引いておきます。
- 会社の説明をする役にならない。 会社の話は社員が語る。担当者は「採用の進行を担当している」と外部の担当として名乗り、進行と受付と記録に留める。社員を装わない
- 選考にしない。 「選考ではない」と伝えた場で、参加者を評価しない。記録に評価を書かない。選考に進めるかは参加者の意思を確かめてから会社が判断する
- 参加者情報を手元に残さない。 申込の情報(名前、連絡先、所属)は会社の管理する場所でだけ扱い、自分の端末に残さない。翌日の連絡は会社の名義か、承認された形で。参加者情報の方針(保存、利用の範囲)は会社が決め、個別の判断は専門家にご確認ください
- 費用を立て替えない。 会場、飲食、ツールの費用は会社が直接払うか、会社の決めた流れで。自分の名義で契約しない
- 共催の相手や登壇者を、自分の関係で決めない。 共催の相手と外部の登壇者は会社が決める。自分の知人を入れるなら開示して承認を得る
- 写真と発言の同意。 当日の写真、参加者の発言を外に出すなら、本人の同意を会社が取る
- やめる判断は会社。 人が集まらない会を続けるか、やめるかは会社が決める。記録で材料を出す
線の詳細は候補者の個人情報の扱いと経費にできるものと副業で法令違反をしないためにに書いています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、依頼側の「大きく告知して人を集めれば応募が増える」と、受ける側の「集客の数で評価される」の両方です。実際には、採用イベントの成果は「社員と話して、翌日に次の案内が届いた参加者の数」で決まり、参加者の総数ではありません。同じ料金で同じ回数を任されても、結果が分かれるのは、担当者が「集める」か「五人でよいから、来た人に次を届ける」かです。大きく告知して二十人集めた担当者の会は、社員一人と話せる時間が数分で、翌日の連絡に書く材料が無く、面談に一人も進みません。五人に絞り、社員二人と一時間話す形にした担当者の会は、翌日の連絡に「〇〇の件」と書けて、面談に三人進みます。受ける側がその場で使える判断としては、企画で「参加者一人が社員と話せる時間」を計算すること。十分を切る設計は、人数を減らすか社員を増やします。
向く人と向かない人
| 向く | 向かない |
|---|---|
| 平日の夜や土日に、当日の稼働を固定して取れる | 当日の予定が動きやすい |
| 五人の会を「小さくてよい」と会社に言える | 大きな会を作りたい |
| 自分が語るより、社員が語りやすい場を作るのが好き | 自分が会社の話をしたい |
| 当日のトラブル(来ない、遅れる、機材)を淡々と処理できる | 当日に慌てる |
| 翌日に、参加者ごとに一言添えた連絡を書ける | 定型を全員に送りたい |
「大きな会を作りたい」人は、告知に時間を使い、来た人に次を届けることを忘れます。採用イベントは、五人の会を続ける仕事です。
まとめ
- 採用イベントの案件は当日の運営だけ・企画から集客と当日まで・翌日の連絡と記録を含む一式・型作りと引き継ぎの四つの型。受ける前に型と、当日に参加者と話す社員が誰かを確かめる
- 求められるのは目的から企画できる・登壇する社員の中身を聞き出せる・当日を一人で回せる・一言添えた連絡と記録の四つ。成果は翌日に決まる
- 進め方は誰に・何のために・何を持ち帰るか→五人から始める形とテーマ→対象がいる場所への告知→社員の中身の聞き出しと事前の共有→当日→翌日の連絡→記録と振り返り→次の会
- 線は会社の説明をする役にならない・選考にしない・参加者情報を手元に残さない・費用を立て替えない・共催と登壇者を自分の関係で決めない・写真と発言の同意・やめる判断は会社
- 増やすのは参加者の数ではなく、社員と話して翌日に次の案内が届いた参加者の数。一人が社員と話せる時間を計算する
- 「担当者が会社の説明をして」という案件は、範囲を「回す側」に直して提案する
よくある質問
人が集まりません
「集める」から考えるのをやめて、「誰に、何を持ち帰ってもらうか」に戻ります。対象を像で決め(「〇〇で〇〇に困っている人」)、その人がいる場所(社員の紹介、過去の応募者、紹介会社と媒体の担当者、テーマの近い既存のイベント、他社との共催)に告知します。自社の告知だけで集まらないのは構造で、担当者の努力では変わりません。五人来れば十分な形にし、来た五人に翌日の連絡を届けるほうが、二十人を集めて何も届けないより、面談に進みます。
当日、参加者が一人しか来ませんでした
一人でも開きます。社員と一人が一時間話せる会は、参加者にとって最も濃い体験になり、翌日の連絡も書きやすい。中止にすると、その一人との関係が切れます。記録には「一人の会」として残し、振り返りで告知の場所と対象の像を見直します。一人しか来なかったことを担当者の失敗として扱わず、企画と告知の構造の問題として会社に返します。
費用(会場や飲食)を先に払ってほしいと言われました
立て替えません。会場や飲食やツールは、会社が直接契約して払うか、会社の決めた経費の流れで処理します。自分の名義で契約すると、キャンセルや事故のときの責任が自分に来ます。「費用は御社の名義で直接お支払いください。手配の連絡は私がします」と、手配と支払いを分けます。経費の扱いは経費にできるものに書いています。