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支払いサイトの確認|「締め日・支払日・支払方法・遅れたとき」を契約の前に書面で
最初の月の稼働が終わり、請求書を出した。入金は、いつか。確認していなかったので分からない。依頼側に聞くと、「月末締めの翌々月末払いです」。稼働から入金まで、二か月以上空く。生活の計画が狂います。結論を先に書くと、支払いサイト(締め日と支払日の間隔)は、契約の前に「締め日・支払日・支払方法・遅れたときの扱い」の四つを書面で確認してください。金額の交渉より見落とされやすく、見落とすと入金の時期が読めなくなります。報酬が払われないときの対処は報酬が支払われないときの対処に、契約の期間は契約期間の目安にまとめています。この記事は一般的な整理にとどめ、法令や税務の判断は、専門家にご確認ください。
支払いサイトの仕組み
支払いサイトは、「いつまでの稼働を、いつ払うか」の取り決めです。二つの要素でできています。
締め日。 稼働や成果を、どの日で区切るか。「月末締め」なら、その月の一日から末日までが、一つの期間。
支払日。 締めた期間の報酬を、いつ払うか。「翌月末払い」なら、締め日の翌月の末日。「翌々月末払い」なら、二か月後の末日。
締め日から支払日までの間隔が、支払いサイトです。「月末締め・翌月末払い」なら、稼働の初日から数えると、最長で二か月ほど入金までかかります。「翌々月末」なら、三か月ほどです。
依頼側の会社には、それぞれの締め日と支払日の慣行があり、副業の受ける側にも同じ条件が適用されることが多い。慣行は変えにくいので、確認して、自分の資金繰りに組み込みます。
契約前に確認する四つ
契約の前に、次の四つを確認し、書面に残します。
一.締め日。 月末か、十五日か、その他か。成果報酬なら、成果の確定日をどう扱うか(面談設定の日か、実施の日か)。
二.支払日。 締め日から何日後か、翌月の何日か。土日祝日に当たった場合の扱い(前倒しか、後ろ倒しか)。
三.支払方法。 銀行振込か、その他か。振込手数料はどちらが負担するか。請求書の形式(依頼側の指定の様式があるか、電子か紙か)。
四.遅れたときの扱い。 支払日を過ぎたらどうするか。連絡先、確認の手順。契約に遅延の扱いがあるか。
四つは、契約書か、依頼側の発注の書面に書かれていることが多い。書かれていなければ、聞いて、メールで確認の記録を残します。
「金額は決まったが、支払いサイトを確認していない」は、最も多い見落としです。
依頼側の都合と、受ける側の都合
支払いサイトには、依頼側と受ける側で、それぞれの都合があります。
依頼側の都合。 経理の処理の周期、社内の承認の流れ、資金繰り。大きな会社ほど、支払いの周期が固定されていて、個別に変えにくい。
受ける側の都合。 生活の資金繰り、本業の給与との兼ね合い、複数の案件の入金の時期。副業の収入は、本業の給与ほど安定していないので、入金の時期が読めることが重要。
両方の都合を合わせるには、次の形があります。
依頼側の慣行に合わせて、自分の資金繰りを組む。 最初の入金までの期間を見込んで、その間の生活は本業の給与で。副業の収入は、二か月後から入る前提で。
初回だけ、支払いを早めてもらう。 「最初の月だけ、翌月の早い時期に」。依頼側によっては応じます。
締め日を早めてもらう。 「十五日締めの翌月末」なら、月末締めより半月早く入金される。
分割で払ってもらう。 月額を、月の半ばと月末の二回に。依頼側の経理の負担は増えるので、応じにくい。
着手金を設定する。 契約時に一部を先に払ってもらう。立ち上げの期間の稼働に対して。
依頼側の慣行を変えるのは難しいことが多いので、まず自分の資金繰りを合わせ、余裕が無ければ初回や着手金を相談します。
請求の手順
支払いを受けるには、請求の手順を守ります。
請求書の形式を確認する。 依頼側の指定の様式があるか。記載する項目(宛名、業務の内容、期間、金額、振込先、発行日、支払期限)。税務上の記載事項(適格請求書に関する事項など)は、自分の税務上の立場によって変わるので、専門家にご確認ください。
締め日の直後に出す。 締め日を過ぎたら、すぐに請求書を出す。遅れると、支払日も遅れることがあります。
稼働や成果の記録を添える。 時給型なら稼働の記録、成果報酬型なら成果の一覧。稼働時間の管理と申告で書いた記録が、そのまま請求の根拠です。
送付先と送付方法を確認する。 依頼側の担当者宛か、経理宛か。メールか、システムか、郵送か。
受領の確認を取る。 送った後、「受領しました」の返事をもらう。返事が無ければ、届いているかを確認。
控えを残す。 出した請求書、送付の記録、受領の確認。支払いが遅れたときの根拠になります。
請求の手順を守っていれば、支払いの遅れが起きたときに、「請求は出しています」と示せます。
エラベルの見解
相談で最も多い失敗は、「金額と業務範囲は決めたが、支払いサイトを聞いていなかった」というものです。最初の月の稼働を終え、請求書を出し、入金を待つ。翌月末に入らず、依頼側に聞くと「翌々月末です」。副業の収入を当てにしていた支出が、二か月ずれる。契約の前に一言聞いていれば、資金繰りを組めました。
見ていて差がつくのは、受ける側が「契約の前に、支払いの四つを確認する」を習慣にしているかどうかです。金額だけを聞いて受ける人と、締め日・支払日・支払方法・遅れたときの扱いまで確認する人がいます。後者は、依頼側から「契約の実務が分かっている人」と見られます。
受ける側にできるのは、見積もりの一枚に「支払い条件」の欄を最初から入れておくことです。「月末締め・翌月末払い・銀行振込・手数料は御社負担」と、自分の希望を書いて出せば、依頼側は「うちの慣行はこうです」と返し、その場で合意できます。
支払いが遅れたときの最初の対応
支払日を過ぎても入金が無いときの、最初の対応です。
まず、自分の側を確認する。 請求書は出したか、締め日は合っていたか、振込先は正しかったか、受領の確認は取れていたか。自分の側の抜けが原因のことも多い。
支払日の翌営業日に、確認の連絡をする。 「〇月分の報酬について、支払期限の〇日を過ぎておりますが、ご入金の状況をご確認いただけますか」。責めず、確認として。
依頼側の担当者と、経理の両方に。 担当者が経理に回し忘れていることがあります。担当者に連絡し、必要なら経理にも。
理由と、支払いの予定日を聞く。 「処理が遅れた」なら予定日を。「請求書が届いていない」なら再送を。「内容に疑問がある」なら、その内容を。
記録を残す。 連絡した日時、相手、内容、返答。後で必要になります。
二週間ほど経っても入金が無ければ、次の段階へ。 報酬が支払われないときの対処で書いた手順に進みます。
最初の対応は、確認です。遅れの多くは、依頼側の処理の抜けで、確認すれば数日で入金されます。最初から強い調子で連絡すると、関係が悪くなります。
法令で確認すべき点
副業として業務委託で受ける場合、支払いの時期や方法に関して、法令上の扱いがあるとされています。この記事は一般的な整理にとどめ、具体的な判断は専門家にご確認ください。
一般に、個人が業務委託で仕事を受ける場合、発注側に対して、支払期日の設定や、報酬の支払いに関する一定の義務が定められている場合があると整理されています。適用の要件(発注側の規模、契約の形、業務の内容など)は個別に確認が要ります。
運用の側で気をつけるのは、次の点です。
- 契約の前に、支払期日を書面で確認する
- 請求書と送付の記録、受領の確認を残す
- 支払いが遅れたときの連絡の記録を残す
- 遅れが続く場合、法令上の扱いを専門家に確認する
- 税務上の請求書の記載事項を、自分の立場に合わせて確認する
これらは一般的な注意点で、法令の適用と、税務上の扱いについては、弁護士や税理士などの専門家にご確認ください。
エラベルの見解
担当する側から見ると、支払いサイトで最も困るのは「支払いの条件が、契約書に無く、依頼側の担当者も知らない」ことです。担当者に聞くと「経理に確認します」、経理に聞くと「担当者から聞いていない」。請求書を出しても、誰が処理するかが決まっておらず、入金が遅れる。契約の時点で、担当者と経理の両方に支払いの条件を確認していれば、防げました。
支払いの条件は、依頼側の担当者ではなく、依頼側の経理の慣行で決まることが多い。担当者が「翌月末で大丈夫です」と言っても、経理が「翌々月末」なら、後者です。
受ける側にできるのは、契約の前に「経理のご担当者にも確認をお願いします」と一言添えることです。担当者の口約束ではなく、経理の慣行を確認した書面を、契約の一部にします。
まとめ
- 支払いサイトは締め日と支払日の取り決め。「月末締め・翌月末払い」でも稼働から入金まで最長二か月ほど
- 契約の前に締め日・支払日・支払方法・遅れたときの扱いの四つを書面で確認する
- 依頼側の慣行は変えにくい。自分の資金繰りを合わせ、余裕が無ければ初回の早期支払い・締め日の前倒し・着手金を相談する
- 請求は形式の確認・締め日の直後・記録を添え・送付先を確認・受領の確認・控えを残す
- 遅れたら自分の側を確認→翌営業日に確認の連絡→担当者と経理の両方に→理由と予定日を聞き→記録を残す→二週間で次の段階
- 法令上、支払期日に関する扱いがある場合がある。専門家に確認。税務上の記載事項も
- 支払いの条件は経理の慣行で決まる。担当者だけでなく経理にも確認する
よくある質問
支払いサイトが長い(翌々月末など)依頼側は、避けるべきですか
避ける必要はありませんが、資金繰りに組み込んでください。最初の入金まで三か月ほど空く前提で、その間は本業の給与で。余裕が無ければ、初回だけ早めてもらう、着手金を設定する、を相談します。支払いサイトが長いこと自体は、大きな会社では慣行として普通です。
請求書に何を書けばよいか分かりません
依頼側の指定の様式があれば、それに従います。無ければ、宛名・業務の内容・期間・金額・振込先・発行日・支払期限を書きます。税務上の記載事項(適格請求書に関する事項など)は、自分の税務上の立場によって変わるので、税理士などの専門家にご確認ください。
支払日を過ぎましたが、催促するのが気まずいです
催促ではなく、確認として連絡してください。「支払期限を過ぎておりますが、ご入金の状況をご確認いただけますか」。責める調子ではなく、事実の確認です。遅れの多くは、依頼側の処理の抜けで、確認すれば数日で入金されます。連絡しないまま待つと、依頼側は遅れに気づかず、遅れが長引きます。