人事副業 / 案件獲得
人事の副業に向いている人|「経験が長い人」ではなく、「範囲を切れる」「一人で完結できる」「約束した時間を守れる」「判断を渡せる」「断れる」の五つがある人
人事の副業に興味はある。ただ、自分に向いているのかが分からない。経験は数年か十年か、肩書きは担当かマネージャーか、で判断しようとすると、決められない。「向いている人」の話を読んでも、抽象的で自分に当てはまるか分からない。結論を先に書くと、人事の副業に向いているのは、「経験が長い人」ではありません。「業務の範囲を切れる」「一人で完結できる」「約束した時間を守れる」「判断を依頼側に渡せる」「断れる」の五つがある人です。五つは、経験の年数や肩書きと関係が薄く、自分で確かめられます。五つのうち三つ以上あれば、始められます。始め方は何から手を付けるかに、向いていない人の特徴は向いていない人にまとめています。
向き不向きが分からない構造
向いているかが分からず、決められないのは、次の構造で起きます。
| 構造 | 起きていること |
|---|---|
| 経験の長さで判断している | 「十年あれば向いている」「三年では無理」と、年数で考える。年数は向き不向きと関係が薄い |
| 肩書きで判断している | 「マネージャーでないと」「担当では頼まれない」。副業で頼まれるのは肩書きではなく業務 |
| 「専門性」を求めている | 「何かの専門家でないと」と考える。副業の案件の多くは、専門性より「手が動く」ことを求める |
| 本業での評価で判断している | 本業で評価されていないから向いていない、と考える。本業の評価と副業の適性は別 |
| 抽象的な「向いている人」像 | 「コミュニケーション力」「主体性」のような言葉で、自分に当てはまるか判断できない |
| 確かめる方法が無い | 向いているかを、始める前に確かめる方法を知らない |
| 完璧を求めている | 五つ全部が無いと始められないと考える |
構造の大半は、「経験と肩書きで判断している」ことです。副業で頼まれるのは業務であり、業務を頼める人かどうかは、五つの特徴で決まります。
向いている人の五つの特徴
人事の副業に向いている人の、五つの特徴です。それぞれ、なぜ要るかと、無いと何が起きるかを示します。
| 特徴 | 内容 | なぜ要るか | 無いと起きること |
|---|---|---|---|
| 範囲を切れる | 「ここからここまでをやる」と、業務の範囲を自分で決めて、依頼側に示せる | 依頼側は範囲で見積もりを作り、範囲で頼む | 「採用全般」で受け、範囲が広がり、時間が足りなくなる |
| 一人で完結できる | 社内の同僚や上司の助けが無くても、一つの業務を最後までやり切れる | 副業では社内の助けが無い。依頼側の担当者は忙しい | 「確認してから」が続き、依頼側の手間が増え、頼まれなくなる |
| 約束した時間を守れる | 週に決めた時間を、本業が忙しい週でも守れる。守れないときは事前に言える | 依頼側は時間で予定を立てる | 稼働が不安定で、依頼側が頼めなくなる |
| 判断を渡せる | 合否、年収、退職などの会社の判断を、自分でせずに依頼側に渡せる。素案は出す | 外部の立場で背負える責任の範囲を超える判断がある | 依頼側の意思決定に踏み込み、責任の問題になる |
| 断れる | 受けられない依頼、範囲外の依頼、合わない案件を、代案を添えて断れる | 副業の時間は有限。断れないと、納期を落とす | 「なんとかします」で受け続け、どこかで落とし、関係が終わる |
五つの要点は、「経験の年数や肩書きと関係が薄い」ことです。三年の担当でも、範囲を切れて、一人で完結できて、時間を守れる人は向いています。十年のマネージャーでも、判断を渡せず、断れない人は、続きません。
特徴ごとに自分で確かめる方法
五つの特徴を、始める前に自分で確かめる方法です。
| 特徴 | 確かめ方 | あると言える状態 |
|---|---|---|
| 範囲を切れる | 自分の経験を「頼める業務」の単位で三つ書き、それぞれに「含むこと」と「含まないこと」を一行ずつ足す | 三つとも、含まないことが書けた |
| 一人で完結できる | 三つの業務のうち、本業で「誰の助けも無しに最後までやった」ものがあるか思い出す | 一つ以上ある |
| 約束した時間を守れる | 直近三か月で、本業の最も忙しかった週を思い出し、その週でも確保できた時間があったか | 週に三時間以上、確保できた |
| 判断を渡せる | 本業で、「自分が決めたい」と思ったが、上司や会社の判断に委ねた場面を思い出す | 委ねて、その判断に従った経験がある |
| 断れる | 本業で、依頼を断った経験と、そのときに代案を出したかを思い出す | 代案を添えて断った経験がある |
確かめ方の要点は、「本業での経験から探す」ことです。五つは、副業で初めて要る力ではなく、本業でも使ってきた力です。本業で「あった」と言える場面が思い出せれば、副業でも使えます。三つ以上あれば、始められます。
経験の長さや肩書きとの関係
経験の年数と肩書きが、向き不向きにどう関係するかです。関係が「薄い」のであって、「無い」わけではありません。
| 項目 | 関係 |
|---|---|
| 経験の年数 | 三年あれば、一つの業務で数と変化が語れる。十年あれば、複数の業務で語れる。年数は「売れる業務の数」を決めるが、向き不向きは決めない |
| 肩書き | マネージャーの経験は、「仕組みを作った」「人を動かした」業務として売れる。担当の経験は、「手が動く」業務として売れる。どちらも売れるが、売れる相手が違う |
| 会社の規模 | 大手の経験は「型のある運用」、小さい会社の経験は「一人で回した運用」として売れる。スタートアップ人事の経験は評価されるか |
| 隣の職種の経験 | 人材紹介、営業、広報などの経験は、人事の副業で売れることがある。人材紹介の経験は評価されるか |
| 本業での評価 | 本業の評価は、本業の組織の中での評価。副業の適性とは別。本業で評価されていなくても、五つがあれば向いている |
関係の要点は、「年数と肩書きは、売れる業務の種類と数を決める」ことです。向いているかは五つで決まり、何を売るかは経験で決まります。二つは別の問いです。
エラベルの見解
登録の相談で最も多いのは、「経験が浅いので、向いていないと思う」という声です。三年の採用担当で、スカウトの送信と返信の対応を一人でやってきた人が、「マネージャーでもないし、専門性も無い」と言います。ただ、話を聞くと、範囲を切れて、一人で完結していて、時間も固定できて、合否は上司に渡してきて、範囲外の依頼を断った経験もある。五つとも揃っています。「スカウト運用の一次対応まで」の一つの業務で登録したら、その月に案件が決まりました。向いているかは、年数ではなく五つで決まります。
見ていて差がつくのは、「判断を渡せるか」です。経験が長い人ほど、「自分が決めたほうが早い」と思い、合否や条件に踏み込みたくなります。副業の立場では、それは依頼側の意思決定への介入で、責任の範囲を超えます。「素案は出しますが、決定は御社で」と言える人は、長く続きます。言えない人は、経験が長くても、一件目で関係が終わることがあります。
エラベルでは、担当者に「判断は依頼側に」を前提にしていただいています。それは担当者を守るためでもあり、依頼側が安心して任せるためでもあります。
向いている人が最初に受けやすい業務
五つの特徴がある人が、最初の一件として受けやすい業務です。
| 業務 | 向く理由 | 範囲の切り方の例 |
|---|---|---|
| スカウトの運用 | 一人で完結し、範囲が切りやすく、時間が固定しやすい | 「検索・文面・送信・一次返信まで。日程調整と面談は依頼側」 |
| 求人票の作成と改善 | 成果物が明確で、期間が短い | 「役割の要件の聞き取りから、求人票の初稿と一回の修正まで」 |
| 応募者の一次対応 | 時間を固定して回せる。判断は依頼側 | 「応募の受付、書類の一次確認、日程調整の連絡まで。合否は依頼側」 |
| 面接の設計 | 成果物が明確。実施は依頼側 | 「質問の設計と評価の表の作成まで。面接の実施と評価は依頼側」 |
| 採用の記録と集計の整備 | 一人で完結し、依頼側の手間を減らす | 「送信ログとCRMの表の設計と、月次の集計まで」 |
業務の要点は、「判断が依頼側に残る形で範囲を切る」ことです。合否、条件、内定は依頼側。作業と素案は自分。この線で切れる業務が、最初の一件に向きます。範囲の固め方は業務範囲を書面で固めるに書いています。
向いていると思ったら次にやること
五つのうち三つ以上あると思えたら、次にやることです。
| 順 | やること | 詳しくは |
|---|---|---|
| 一 | 経験の棚卸しをして、三〜五個の業務に分ける | 何から手を付けるか |
| 二 | 本業の副業の規定を確認する。規定の解釈は専門家に | 副業許可の申請の出し方 |
| 三 | 固定できる時間を、曜日と時間帯で決める | 週何時間から受けられるか |
| 四 | 一つの業務に絞り、範囲・経験・進め方の三文を書く | 業務範囲を書面で固める |
| 五 | 登録し、条件が合う最初の一件を待つ。最初の一件は範囲が明確で期間が短いもの | 人事の副業の始め方 |
| 六 | 五つのうち足りない特徴を、一件目の中で意識して使う | — |
次にやることの要点は、「六」です。五つのうち足りないものがあっても、一件目の中で意識すれば身につきます。「断れる」が無い人は、一件目で範囲外の依頼が来たときに、代案を添えて断る練習をします。範囲外の依頼が増えたときに書いています。
エラベルの見解
担当する側として長く続いている人に共通するのは、五つの中でも「範囲を切れる」と「断れる」の二つです。この二つは、始める前は「あるかどうか分からない」と言う人が多い。ただ、一件目で範囲を書き、範囲外の依頼が来たときに一度断ってみると、「できた」と分かります。始める前に完璧に揃っている必要はなく、一件目で使えば身につきます。
逆に、「経験が長い」「肩書きが上」の人ほど、最初の一件で範囲を広く取り、断らずに受け、時間が足りなくなって止まることがあります。経験があるからこそ、「これもできる」と思い、範囲が広がります。
エラベルでは、稼働時間と業務の範囲をご自身で決めていただく形にしています。それは、五つのうち「範囲を切れる」と「約束した時間を守れる」を、登録の時点で使っていただくためです。
まとめ
- 分からないのは年数で判断・肩書きで判断・専門性を求める・本業の評価で判断・抽象的な像・確かめる方法が無い・完璧を求める構造
- 向いているのは範囲を切れる・一人で完結できる・約束した時間を守れる・判断を渡せる・断れるの五つがある人。年数と肩書きは関係が薄い
- 確かめ方は含まないことが書けるか・一人でやり切った経験・忙しい週の確保できた時間・委ねた経験・代案を添えて断った経験。本業の経験から探す。三つ以上で始められる
- 年数と肩書きは売れる業務の種類と数を決める。向いているかとは別の問い
- 最初に受けやすいのはスカウトの運用・求人票・応募者の一次対応・面接の設計・記録の整備。判断を依頼側に残す形で範囲を切る
- 次にやるのは棚卸し→規定の確認→時間の固定→一つに絞る→登録→足りない特徴を一件目で使う
よくある質問
五つのうち、二つしかありません。始めないほうがよいですか
二つでも、「範囲を切れる」と「約束した時間を守れる」の二つなら、始められます。この二つがあれば、依頼側は頼めます。残りの三つは、一件目の中で身につきます。逆に、「判断を渡せる」と「断れる」の二つだけで、範囲を切れず時間も固定できないなら、先に範囲と時間を整えます。二つの中身によります。
人事の経験が無くても、五つがあれば向いていますか
五つは「副業として続けられるか」の適性で、「何を売るか」は経験で決まります。人事の経験が無い場合、売れる業務が限られますが、隣の経験(人材紹介、営業、広報、事務)から売れる業務があることもあります。人事未経験でも受けられる仕事はあるかに書いています。
本業で「向いていない」と言われたことがあります
本業の評価は、本業の組織の中での、その役割に対する評価です。副業の適性とは別です。本業で「向いていない」と言われた人が、副業では範囲を切って一人で完結し、長く続いていることは珍しくありません。組織の中で求められることと、外部の立場で求められることは違います。五つを本業の経験から確かめて、三つ以上あれば、始めてみてください。