採用代行 / 広島県

広島県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方

公開 2026-09-24

「この職種は採りにくい」と言うとき、原因が人がいないことなのか、条件が合っていないことなのかは区別されないまま話が進みがちです。広島県では、この二つを分けて確認できます。広島労働局が公表している「職業別有効求人・求職及び賃金の状況」には、職種ごとに有効求人数・有効求職者数・有効求人倍率と、求人側の上限賃金・下限賃金、求職者の希望賃金が同じ行に並んでいるからです。この記事では、自社の職種の行を読んで「人数の問題か、条件の問題か」を診断し、その結果で代行に頼む中身を変える手順を整理します。以下は2026年9月24日時点で広島労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。

どの数字を見るかで、広島の印象は逆になる

最初に、県全体の数字を確かめます。令和8年7月分の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は1.33倍で、全国の1.18倍を上回っています。令和8年に入ってからは1月1.40倍、2月1.38倍、3月1.38倍、4月1.39倍、5月1.38倍、6月1.37倍、7月1.38倍と並んだ後、直近では1.36倍、1.33倍、1.33倍と推移しています。同じ月の有効求人は56,100人、有効求職は42,123人です。資料には受理地別と就業地別の両方のグラフがあり、求人を受理した所在地で集計するか、実際に働く場所で集計するかの違いがあります。

ところが職業別の表では、職業計が有効求人16,173人、有効求職18,098人で0.89倍です。集計が別なので、県全体の1.33倍とは一致しません。下の表は、同じ職業別の表から大分類を並べたものです。

職業有効求人有効求職倍率
保安職業従事者696人130人5.35倍
サービス職業従事者5,031人2,035人2.47倍
販売従事者1,519人887人1.71倍
専門的・技術的職業従事者3,514人2,080人1.69倍
生産工程従事者735人617人1.19倍
農林漁業従事者98人119人0.82倍
事務従事者1,341人3,881人0.35倍

保安職業従事者の5.35倍から事務従事者の0.35倍まで、同じ県でも大きく開いています。「広島は1.33倍です」という説明は、どの職種にも当てはまらない代表値だと考えて、自社の職種の行を探すところから始めます。

自社の職種の行で、倍率と賃金を並べる

職業別の表の価値は、倍率と賃金を同じ行で読めることです。職業計の賃金は、上限賃金1,324円、下限賃金1,208円、希望賃金1,153円でした。下の表は、令和8年7月分から性格の違う職種を抜き出し、倍率と下限賃金・希望賃金を並べたものです。

職種有効求人有効求職倍率下限賃金希望賃金
情報処理・通信技術者12人99人0.12倍1,193円1,975円
一般事務従事者1,020人3,400人0.30倍1,169円1,137円
医師,歯科医師,獣医師,薬剤師110人97人1.13倍2,213円2,026円
医療技術者468人144人3.25倍1,505円1,322円
介護サービス職業従事者2,038人503人4.05倍1,185円1,135円

情報処理・通信技術者は、求人12人に対して求職99人で0.12倍と、求職者のほうが多い職種です。しかし求職者の希望賃金1,975円に対して求人の下限賃金は1,193円、上限賃金も1,825円で、希望に届いていません。医師等は逆で、下限賃金2,213円が希望賃金2,026円を上回っていながら、倍率は1.13倍で拮抗しています。介護サービス職業従事者は4.05倍と求人のほうが多く、下限賃金1,185円が希望賃金1,135円を上回っています。

診断の分岐:人数の問題か、条件の問題か

倍率と賃金の組み合わせで、採りにくさの原因は大きく三つに分かれます。どれに当たるかで、代行に頼むべき工程が逆になります。下の表は、その分岐と、代行に出す範囲をまとめたものです。

行の状態読み方打ち手代行に頼む範囲
倍率が低く、希望賃金が求人の賃金を上回る(例:情報処理・通信技術者)条件が合っていない条件の見直しが先県内の賃金の位置の整理と、求人票の書き直し
倍率が高く、下限賃金が希望を上回る(例:介護サービス職業従事者)人数が足りない母集団の経路を増やす経路の開拓と、応募者への速い対応
倍率が拮抗し、条件も希望を上回る(例:医師等)個別の要因がある選考や訴求の設計辞退理由の記録と、訴求の見直し

同じ「採れない」でも、条件の問題なら母集団を増やしても結果は変わらず、人数の問題なら条件を上げても応募は増えにくいということです。自社の職種がどの分岐に当たるかを決めてから、代行会社と話を始めます。

エラベルの見解

この表で考えさせられるのは、情報処理・通信技術者の数字です。倍率0.12倍で求職者のほうが多いのに、エンジニアが採れないという話はよく聞きます。理由は賃金の欄にあって、求職者の希望が1,975円、求人の上限が1,825円で、希望に届く求人がそもそも出ていません。この状態で「母集団を増やしてください」と依頼しても、結果は変わらないでしょう。外に出せるのは賃金の位置の整理と求人票の書き直しまでで、提示額を動かすかどうかは社内の判断です。倍率だけで打ち手を決めると原因を外すので、依頼の前に分岐を一度自分で確かめてください。地方企業の採用代行の考え方は地方企業の採用代行にもまとめています。

求人票の条件と、実際に決まった条件を比べる

条件の問題だと分かったら、どこまで条件を動かすかを決めます。広島労働局は賃金の資料を二つ公表していて、性格が違います。月次の「職業別有効求人・求職及び賃金の状況」は、求人票に書かれた上限と下限、求職者が希望する額です。四半期ごとの「中途採用時賃金」は、実際に採用が成立したときの賃金です。

両方を見ると、求人票の条件と、実際に決まった条件の差が把握できます。手順としては、自社の職種の倍率を確認し、同じ行で下限賃金と希望賃金を比べ、自社の提示額がその間のどこにあるかを見ます。そのうえで中途採用時賃金で、実際に決まっている水準を確かめます。自社の提示が求職者の希望を下回っているなら、母集団の問題ではありません。提示額の見直しを先に決めてから、代行に求人票の書き直しを頼む順番になります。

診断の結果で、見積もりの中身を変える

分岐が決まれば、見積もりで比べるべきものも変わります。見積もりを頼む前に、次の材料をそろえておきます。

見積もりの材料自社で出すもの代行会社に聞くこと
職種の特定資料の職業分類で特定した職種名その職種の行の倍率と賃金を報告に入れるか
条件の位置自社の提示額と、下限賃金・希望賃金・中途採用時賃金との差条件の見直しを提案に含めるか
分岐の判定条件の問題か、人数の問題か、個別の要因か判定に合わせて工程をどう組み替えるか
報告の中身職種別の応募数と、条件の位置の変化月次と四半期の資料をどう使い分けるか

費用は、条件の問題なら求人票の書き直しと条件の整理にかかる時間、人数の問題なら「月の応募数 × 一件あたりの対応時間」に経路の開拓の時間を足して見積もってもらうと、同じ月額でも中身の違う提案を比べられます。条件が希望に届いていない職種で母集団形成に費用をかけても、同じところで止まります。なお、労働関係の法令や助成金の適用については個別の判断が伴いますので、専門家にご確認ください。

エラベルの見解

地域別に資料を見てきて、広島県の職業別の表は、採れない原因を数と条件に分けられる点で実用的だと感じています。月次で倍率と賃金が同じ行に並ぶので、代行会社に何を頼むべきかを自分で判断できます。代行の担当者を選ぶときは、倍率だけで難易度を語るか、賃金の欄まで読んでくるかを見てください。自社の職種の希望賃金は公表資料に書かれている数字なので、面談で聞いて出てこなければ、資料を開いていないと判断できます。商談の冒頭で自社の職種の行を一緒に見るだけで、議論は具体的になります。近隣県の状況は山口県の採用代行にもまとめました。

まとめ

よくある質問

Q. エンジニアの倍率が低いのに採れないのはなぜですか

令和8年7月分の情報処理・通信技術者は0.12倍で求職者のほうが多いものの、希望賃金1,975円に対して求人の上限賃金は1,825円です。条件が希望に届いていない状態と読めるため、母集団を増やすより先に条件の見直しを検討してください。

Q. 県全体の倍率1.33倍と職業計の0.89倍が違うのはなぜですか

集計が別の資料だからです。県全体は受理地別・季節調整値の有効求人倍率で、職業計は職業別の表の合計です。自社の採用を考えるときは、職業別の表で自社の職種の行を見るほうが実態に近くなります。

Q. 中途採用時賃金はどう使えばよいですか

中途採用時賃金は、実際に採用が成立したときの賃金で、四半期ごとに公表されます。求人票に書かれた賃金と比べると、実際に決まっている水準が分かるので、提示額をどこまで動かすかの判断材料になります。

出典