従業員100名規模の会社が払える採用代行費用の目安|人事チームの役割分担と、100人を超えて生じる義務を並べて予算を組む
従業員100名規模の会社では、人事の仕事が、採用、労務、制度づくりと分かれ始めます。採用は年間を通じて動き、退職の補充、事業の拡大、新卒と中途が重なります。一方で、人事チームの人数はまだ少なく、一人が複数の役割を担っていることがよくあります。そのうえ、100人を超えると、新たに生じる義務もあります。採用代行(RPO)にいくらまで払えるかは、ほかの会社の相場ではなく、自社の人事チームのどこが足りないかで決まります。結論から書くと、従業員100名規模の会社の採用代行の費用は、人事チームの役割のうち採用で手が回らない部分に予算を置き、職種ごとの採用単価で代行を使う範囲を絞ると判断しやすくなります。
採用代行の料金は会社や業務の範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では相場の金額は扱いません。自社の数字から予算を出す手順を書きます。この規模で代行をどう使うかは従業員100名規模の会社の採用代行の使い方で書いています。
この段階で採用に割ける体制
従業員100名規模では、人事チームに数人がいて、そのうち一人か二人が採用を中心に担っていることが多くなります。採用の計画を立て、経路を選び、面接の段取りを組み、現場の責任者と調整します。採用の型もできつつありますが、件数が増える時期には手が回らず、次のようなことが起きがちです。
- スカウトの送信や応募への返事が遅れ、候補者を逃す
- 新卒と中途の採用の時期が重なり、どちらかが後回しになる
- 労務や制度の仕事に採用担当が駆り出され、採用が止まる
採用代行の予算は、こうした「手が回らない部分」に置きます。採用担当がすでにうまく回している部分まで外に出すと、費用が重なり、社内の型も育ちません。
職種ごとの採用単価から代行の範囲を絞る
従業員100名規模の会社は、職種ごとの採用単価を出すための記録が、ある程度そろってきます。この数字から、代行を使う範囲を絞れます。
- 職種ごとの採用単価を出す:外部の費用に、採用担当の人件費のうちその職種にかけた分を足し、採用人数で割る
- 単価が高い理由を分ける:人材紹介に頼っている、スカウトの量が足りない、選考が遅れて辞退が多い、など
- 代行で下がる部分を探す:スカウトや一次連絡、日程調整を代行に任せることで下がる部分と、その見込みの額を出す
- 予算を置く:代行に払う額が、下がる見込みの額を上回らない範囲で予算を置く
人材紹介を使う場合、職業安定法第32条の3により、有料職業紹介事業者の手数料は、厚生労働省令で定める種類・額か、届け出た手数料表に基づくものに限られています。紹介に頼っている職種の一部をスカウトに置き換えられれば、採用単価が下がる余地があります。
エラベルの見解
従業員100名規模の会社からの相談で多い失敗は、新卒と中途の採用を同じ担当者が抱え、重なる時期にどちらも中途半端になることです。新卒の説明会や選考が集中する時期に、中途の応募への返事が遅れ、即戦力の候補者を逃します。後から紹介に頼って取り戻そうとすると、採用単価が上がります。
担当者を選ぶときは、重なる時期だけ、片方の採用の作業を受け持てる人かどうかを見てください。たとえば中途の一次連絡と日程調整を代行に任せ、社内の採用担当は新卒に集中する、という分け方です。時期によって任せる範囲を変えられる契約にしておくと、費用を抑えながら、どちらの採用も止めずに済みます。
100人を超えて生じる義務
従業員が100人を超えると、採用と並行して整える義務が生じます。女性の職業生活における活躍の推進に関する法律第8条は、常時雇用する労働者の数が百人を超える一般事業主に、一般事業主行動計画を定めて届け出ることなどを求めています。次世代育成支援対策推進法第12条も、常時雇用する労働者の数が百人を超える一般事業主に、一般事業主行動計画の策定と届出などを求めています。
行動計画では、採用や育成、働き方に関する目標を立てることになります。採用の計画とつなげて考えると、求人で伝える働き方や、採用の対象の広げ方を見直すきっかけにもなります。
障害者雇用も、人数が増えるほど雇うべき人数が増えます。障害者の雇用の促進等に関する法律第43条は、事業主に、雇用する労働者の数に障害者雇用率を掛けた数(一人未満の端数は切り捨て)以上の障害者を雇うことを求めています。厚生労働省の「事業主の方へ」のページでは、民間企業の法定雇用率は2.7%と案内されています。採用の計画に障害者雇用も入れ、仕事の切り出しと受け入れの準備を進めてください。最新の率や数え方は厚生労働省の案内で確かめ、個別の判断は社会保険労務士・弁護士にご確認ください。
料金の形の選び方
従業員100名規模では、採用が年間を通じて動くため、固定の月額の形も選択肢に入ります。ただし、月額で複数の職種を任せる場合は、職種ごとの優先順位と、月にどの職種にどれだけ時間を使うかを契約の前に決めてください。採りにくい職種だけを、採用が決まったときに払う形で別に頼む組み合わせも考えられます。
エラベルの費用は、採用が決まったときに1名につき10万円(税別)です。採用が決まらなければ費用はかかりません。採りにくい職種を別に頼む場合などに、比べる選択肢の一つにしてください。
エラベルの見解
もう一つ見てほしいのは、従業員100名規模の採用費は、面接官が増えることで基準がばらつき、膨らみやすいということです。この規模になると、部門ごとの責任者が面接に出るようになり、面接官ごとに見る点が違ってきます。合う人を落とし、合わない人を採ることが起き、採用の回数と費用が増えます。
採用代行に任せるときは、職種ごとに面接で見る点を一枚にまとめ、面接官の間でそろえてください。担当者はその一枚に沿って候補者に事前の案内をし、面接の記録をまとめます。基準をそろえることは、採用の速さと質を上げ、職種ごとの採用単価を下げる手立てになります。
まとめ
- 従業員100名規模の採用代行の費用は、人事チームの手が回らない部分に予算を置く
- 職種ごとの採用単価を出し、代行で下がる見込みの範囲で予算を置く
- 新卒と中途が重なる時期だけ、片方の作業を代行に任せる分け方もある
- 常時雇用100人超で、女性活躍推進法と次世代法の一般事業主行動計画の策定・届出が必要になる
- 障害者雇用の人数も増えるため、採用の計画に入れる
よくある質問
従業員100名規模の会社の採用代行の費用の相場はいくらですか
採用代行の料金は、任せる業務の範囲や料金の形によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。職種ごとの採用単価から代行で下がる見込みを出し、その範囲で予算を置いてください。エラベルの場合は、採用が決まったときに1名10万円(税別)です。
行動計画の策定も採用代行に頼めますか
行動計画は会社として目標を立てて届け出るものなので、社内の人事が中心になって進める必要があります。採用代行には、行動計画の目標に沿った求人の見直しや、採用の記録の整理などを頼む形が考えられます。策定の進め方は社会保険労務士などにご確認ください。
新卒採用にも採用代行を使うべきですか
新卒と中途の採用の時期が重なり、社内の採用担当の手が回らないなら、使う意味があります。説明会の運営や日程調整など、作業の多い部分を任せ、学生と話す場面や選考の判断は社内に残してください。
- e-Gov法令検索「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(第8条)
- e-Gov法令検索「次世代育成支援対策推進法」(第12条)
- e-Gov法令検索「障害者の雇用の促進等に関する法律」(第43条)
- 厚生労働省「事業主の方へ」(障害者雇用・法定雇用率)
- エラベル 料金(公式)
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
関連記事
- 従業員100名規模の会社の採用代行|最初に外注すべき業務はどれか 従業員100名規模の会社が採用代行を使うなら、最初に出すべきは「初めて専任になった人事から細切れを外す運用(連絡・日程調整・確認のまとめ)」、次に「経営者と管理職が判断するための型(記録・判断の材料の下書き・一次の手引き)」、最後に「集める工程(媒体・スカウト・紹介会社との連絡)」です。初めてが重なる会社で順番を決める考え方、社内に残す判断、費用の見方を整理しました。 採用代行従業員100名規模の会社
- 従業員100名規模の会社が採用代行で失敗するパターン 従業員100名規模の会社が採用代行を使うと、初めての専任人事に代行の管理まで乗って潰れる・経営者が全員を見続けて面接が詰まる・管理職が生まれたばかりで面接官がいない・仕組みがないところに代行が重い仕組みを持ち込む・年に十数名の採用に月額が割高に見えて中途半端に止まる、という五つの形で失敗しやすくなります。症状・原因・先に打つ手を整理しました。 採用代行従業員100名規模の会社
- 従業員100名規模の会社の採用体制の作り方|社内に残す役割 従業員100名規模の会社が採用代行を使うとき、社内に残す役割は「専任人事(要件と経営者への判断の材料)」「経営者(最終の面接と採るかどうか、任せる範囲の決定)」「生まれたばかりの管理職(一次で三点だけ見る)」の三つで、代行には運用と管理の細切れを出します。初めての専任人事を守る体制、最小限の仕組みの作り方、経営者から管理職への任せ方を整理しました。 採用代行従業員100名規模の会社
- 地方企業が払える採用代行費用の目安|地元で採る費用とUIJターンで採る費用を分け、移住の支えまで含めて比べる 地方企業が採用代行(RPO)にいくらまで払えるかを、相場ではなく自社の欠員の影響と採用の経路から決める方法を整理しました。地元の候補者で採る場合と都市部から呼ぶ場合で費用の見方が違う理由、移住を伴う採用で費用に含めるもの、無料の経路との組み合わせ方、勤務地と転勤の範囲の明示をまとめています。 採用代行地方企業