採用代行 / 従業員100名規模の会社
従業員100名規模の会社の採用体制の作り方|社内に残す役割
従業員がおよそ百名の規模の会社が採用代行を使うとき、決めるべきことは「代行に何を任せるか」ではなく、「初めて専任になった人事が、自分の仕事の形を作る半年を、どう守るか」です。この規模は、人事が初めて専任になり、経営者がまだ全員を見ていて、管理職が生まれたばかりで、初めて採用の仕組みが必要になる規模です。「初めて」が重なる中で、専任人事に全部を乗せると潰れます。結論を先に書くと、社内に残す役割は「専任人事」「経営者」「生まれたばかりの管理職」の三つで、専任人事は要件と経営者への判断の材料を持ち、経営者は最終の面接と採るかどうかと任せる範囲を持ち、管理職は一次で三点だけを見ます。代行は、運用と管理の細切れを引き取り、専任人事を守る側に回ります。この記事では、三つの役割の中身と、最小限の仕組みの作り方、経営者から管理職への任せ方を整理します。失敗の形は従業員百名規模の会社が採用代行で失敗するパターンに、人事が一人の会社の体制は人事が一人の会社の採用体制の作り方に、代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。
この規模で、採用に関わる人の状態
体制を作る前に、この規模で採用に関わる人が、それぞれどんな状態にあるかを見ます。
| 誰 | 状態 | 採用に割ける時間の現実 |
|---|---|---|
| 専任人事 | 専任になったばかり。労務や総務の残りも持っていることが多い。自分の仕事の形をまだ作れていない | 運用に埋まると、要件も経営者との調整もできない |
| 経営者 | まだ全員を見たい。管理職に任せる基準を持っていない | 面接の枠が埋まり、候補者を待たせる |
| 生まれたばかりの管理職 | プレイヤーから上がったばかり。面接をしたことがない | 面接に出る時間はあるが、何を見ればよいか分からない |
| 総務・管理部門 | 専任人事が置かれる前は採用を持っていた | 手続きは手伝えるが、判断はできない |
この表から、この規模で最も守るべきは専任人事の時間で、最も詰まりやすいのは経営者の面接の枠で、最も育てるべきは管理職の面接官としての役割です。体制は、この三つに合わせて、代行が運用と管理の細切れを引き取る形で作ります。
社内に残す役割一:専任人事
中身。部門と要件を決める(「半年後にやってほしいこと」を三つ)。経営者に判断の材料を出す(「この候補者を進めたい、理由はこの二点」)。管理職の面接に最初は同席し、見方を揃える。代行との定例を週に一度持つ。労務と総務の残りの仕事を、採用に押されずに回す。
なぜ残すか。要件と経営者との調整は、社内の人にしかできず、専任人事の本来の仕事です。専任になったばかりの人事が、この二つに時間を使えるようにすることが、この規模で代行を入れる目的です。
時間の目安。要件を決めるときにまとまった時間、経営者への判断の材料を出す週に一度の時間、代行との定例の週に一度の時間です。運用(連絡、日程、媒体、記録)と代行からの細かい確認は、代行の側で吸収し、専任人事には週に一度まとめて聞きます。「代行の管理」を専任人事の仕事にしないことが要点です。人事が一人の会社の順番は人事が一人の会社の採用代行に、社内の担当者を育てる考え方は社内の採用担当を育てるに書いています。
社内に残す役割二:経営者
中身。最終の面接で候補者に会い、採るかどうかを決める。条件を決める。管理職に任せる範囲(どの職種の一次を管理職が見るか)を決め、少しずつ広げる。専任人事に「最初の半年は要件と判断の材料に専念してほしい」と伝える。面接の枠を週に固定する。
なぜ残すか。この規模では、経営者が採るかどうかを決める形はまだ自然で、変える必要はありません。変えるのは、「全員を最初から最後まで見る」形で、一次を分けて絞られた候補者だけに会う形にします。任せる範囲は、経営者にしか決められません。
時間の目安。最終の面接の回数と、週に一度、専任人事が出す判断の材料を見る短い時間です。面接の枠を週に固定し、代行がその枠に候補者を入れます。枠を固定しないと、候補者が待つ間に他社に決まります。経営者に状況が伝わらないときは経営者に採用の状況が伝わらないに、経営者への説明は経営者に採用代行を説明するに整理しています。
エラベルの見解
これをやる前に、先に決めておかないと効果が出ないことがあります。それは、経営者が専任人事に「最初の半年は、運用ではなく要件と判断の材料に専念してほしい。運用は代行に出す」と、言葉で伝えることです。相談で見ていると、この規模で専任人事が潰れる会社は、経営者が「専任にしたのだから全部見てほしい」と思い、専任人事もそう思い、運用と管理と経営者との調整の全部を持って半年で疲弊しています。逆に、経営者が「要件と判断の材料だけでよい」と伝えた会社では、専任人事が半年で自分の仕事の形を作り、その後に運用の一部を社内に戻すか、代行を続けるかを自分で判断できるようになっています。
順番としては、まず経営者が専任人事に最初の半年の役割を伝え、次に経営者の面接の枠を固定して一次の分担を決め、最後に管理職に一次の役割を絞って渡してから、代行の契約に進みます。この順番を逆にして、代行と契約してから専任人事の役割を決めようとすると、代行の確認が専任人事に集中して潰れます。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、この規模の会社を支援してきた担当者が、契約の前に経営者と専任人事の役割を一緒に決めるところから入っています。
社内に残す役割三:生まれたばかりの管理職
中身。自分の部門の候補者に、一次で会う。見る点は三つに絞られており、それだけを見る。「進めるか止めるか」の二択で判断し、一行の記録を残す。採るかどうかは経営者が決める。最初の数回は専任人事か代行が同席する。
なぜ残すか。管理職が一次を持たないと、経営者の枠に全部が回って詰まります。管理職が面接に慣れることは、次の段階(部門長が自分の部門の採用を決める)への準備でもあります。役割を絞れば、面接の経験がなくても務まります。
時間の目安。一次面接の回数と、一行の記録を残す短い時間です。日程は代行が管理職と直接組み、管理職は当日会うだけにします。手引きと記録の型は代行が作り、同席は最初の数回だけにします。面接官の育て方は面接官トレーニングは代行に出せるかに、一次面接は一次面接は代行に出せるかに、現場への説明は現場に採用代行の導入を説明するに書いています。
代行に出す工程と、最小限の仕組みの作り方
三つの役割を社内に残したうえで、代行に出す工程と、この規模で最初に作る最小限の仕組みを決めます。
| 工程 | 代行に出すか | 社内との線 | 最小限の仕組み |
|---|---|---|---|
| 応募者と候補者への連絡 | 出す | 「進めるか」は専任人事か管理職が決め、代行が伝える | 連絡の文面の型 |
| 面接の日程調整 | 出す | 経営者の枠は週に固定、管理職の予定に代行が直接入れる | 経営者の枠の固定 |
| 面接の記録 | 出す(型の作成と記入) | 管理職は一行、経営者は口頭を代行が記録 | 一行の記録の型 |
| 媒体の運用、スカウト | 出す | 要件と「誰に送るか」は専任人事 | 媒体は一つか二つに絞る |
| 紹介会社との日々の連絡 | 出す | 条件の交渉は専任人事 | 紹介は急ぎの職種だけ |
| 代行からの確認のまとめ | 代行が持つ | 専任人事には週に一度まとめて聞く | 週に一度の定例 |
| 経営者への判断の材料 | 代行が下書き、専任人事が仕上げる | 専任人事が経営者に出す | 「進めたい候補者と理由二点」の型 |
| 内定の後の連絡と手続きの案内 | 出す | 手続きの中身は総務と専任人事 | 内定から入社までの一覧 |
最小限の仕組みの要点は、「今、最も止まっているところを一つだけ解く」ことです。この規模で最初に効くのは、多くの会社で「経営者の枠の固定と一次の分担」で、次に「要件を三つに絞る」、次に「一行の記録」です。全部を一度に作らず、一つが回ってから次を足します。代行が持ち込む仕組みの一つひとつに「何のためにあるか」を聞き、今の自社に要らないものは断ります。日程調整は面接の日程調整は代行に出せるかに、要件の決め方は採用要件の定義を代行に出すに、内定の後の工程は内定者フォローは代行に出せるかに整理しています。
エラベルの見解
外に出してよいのは、連絡・日程・記録の型と記入・媒体の運用・スカウト・紹介会社との日々の連絡・確認のまとめ・判断の材料の下書き・内定の後の連絡までで、「要件」「経営者への判断の材料の仕上げ」「最終の面接と採るかどうか」「任せる範囲」「一次で見ること」は社内に残します。この規模は、専任人事が一人なので、判断の材料も代行に任せたくなりますが、専任人事が経営者に材料を出す経験を積まないと、半年経っても自分の仕事の形ができません。代行は下書きまでにし、仕上げて出すのは専任人事が持ちます。
担当する側から見ると、この規模で結果が分かれるのは、担当者が「専任人事の成長の余地を残しながら、細切れだけを引き取れるか」です。全部を引き取る担当者は、専任人事を楽にしますが、半年後に専任人事は代行なしでは動けない人になります。細切れを引き取る一方で、要件と判断の材料は専任人事に残し、経営者への出し方を一緒に練習する担当者は、半年後に専任人事が「自分でできる」と言える状態を作り、経営者から「人事が育った」と言われます。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、契約の前の面談で「人事の方の半年後に、何ができるようになっていてほしいですか」と聞いてくる担当者を選べば、この形になります。
まとめ
- 従業員百名規模で社内に残す役割は、専任人事(要件と判断の材料)・経営者(最終の面接と採るかどうかと任せる範囲)・生まれたばかりの管理職(一次で三点だけ見る)の三つ
- 代行を入れる目的は、初めて専任になった人事が、自分の仕事の形を作る半年を守ること。運用と管理の細切れを代行が引き取る
- 経営者が専任人事に「最初の半年は要件と判断の材料に専念してほしい」と言葉で伝えることが最初の一歩
- 経営者は最終で会う形を残しつつ、面接の枠を週に固定し、一次を管理職に絞った役割で渡す
- 最小限の仕組みは、今最も止まっているところを一つだけ解くところから。多くの会社で「経営者の枠の固定と一次の分担」が最初
- 判断の材料は代行が下書き、専任人事が仕上げて経営者に出す。専任人事の成長の余地を残す
よくある質問
専任人事が労務と総務も持っていて、要件と判断の材料にも時間が取れません
採用の運用を代行に出しても足りないなら、労務の手続きを社労士に、総務の一部を外に出して、専任人事の時間を採用の「要件と判断の材料」に寄せます。それでも足りないなら、専任人事の最初の半年は「経営者への判断の材料」だけに絞り、要件は代行が部門から聞き取って専任人事が確認する形にします。専任人事の時間の使い方を、採用だけでなく全体で見直します。副業人材と代行会社の使い分けは副業人材と代行会社の使い分けに、中小企業に向く代行の条件は中小企業に向く採用代行の条件に整理しています。
管理職が一次で「止める」と言った候補者を、経営者が「会いたい」と言います
最初はそれで構いません。管理職の「止める」と経営者の「会いたい」のずれを記録で見せると、経営者は管理職の見方を知り、管理職は経営者の基準を知ります。数回続けると、ずれが減り、経営者が「この職種は管理職の判断で進めてよい」と任せる範囲を広げられます。ずれを「管理職が間違えた」ではなく「基準を揃える材料」として扱うことが、管理職を面接官に育てる近道です。専任人事か代行が、記録を並べて両者に見せる役割を持ちます。面接官の育て方は面接官トレーニングは代行に出せるかに、定例で見る数字は採用代行との定例会で見るべき数字に書いています。
半年経って専任人事が自分の仕事の形を作れたら、代行はどうすればよいですか
専任人事が「運用の一部を社内に戻したい」と言うなら戻し、「運用は代行に残して自分は設計に進みたい」と言うなら続けます。どちらでも、専任人事が判断できる状態になっていることが、この半年の成果です。戻す場合は、代行が持っていた文面の型、記録の型、進捗の表、経営者の枠の運用を引き継ぎます。続ける場合は、次の段階(管理職が自分の部門の採用を決める、人事を二人にする)に向けて、範囲を見直します。引き継ぎの項目は採用代行を切り替えるときの引き継ぎ項目に、中堅の規模の体制は従業員三百名規模の会社の採用体制の作り方に整理しています。