採用代行 / 栃木県

栃木県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方

公開 2026-09-24

県の有効求人倍率がひとつ示されても、それが自社の拠点に当てはまるかどうかは分かりません。栃木労働局が毎月公表している地域別求人倍率(原数値)を開くと、令和8年7月分の有効求人倍率(パートを含む)は矢板の0.78倍から日光の1.24倍まで開いていて、県全体は1.06倍です。しかもパートを除いて計算し直すと、1倍を割る所が6か所から2か所に減ります。この記事では、拠点の安定所、雇用形態、新規か有効か、という三つを順に決めて「自社の数字」を一つに絞る手順を軸に、採用代行への依頼の組み立て方を整理します。以下は2026年9月24日時点で栃木労働局が公表している令和8年7月分の原数値に基づきます。

一つ目に決める:拠点がどの安定所の管轄か

最初に、自社の拠点がどの公共職業安定所の管轄に入るかを確認します。栃木県の地域別求人倍率は、11の安定所ごとに有効求人数・有効求職者数・倍率を出しており、同じ表にパートを除いた倍率も並んでいます。資料には括弧付きで那須烏山も併記されているので、管轄は資料の表記で確かめておきます。令和8年7月分を並べると次のとおりです。

安定所有効求人数有効求職者数有効求人倍率(パートを含む)有効求人倍率(パートを除く)
日光1,636人1,324人1.24倍1.29倍
宇都宮14,643人12,019人1.22倍1.25倍
鹿沼1,536人1,401人1.10倍1.45倍
栃木2,858人2,789人1.02倍1.18倍
足利2,291人2,273人1.01倍1.17倍
黒磯1,633人1,645人0.99倍1.11倍
大田原2,141人2,192人0.98倍1.04倍
小山3,842人4,005人0.96倍1.02倍
真岡1,841人2,109人0.87倍0.91倍
佐野1,702人1,961人0.87倍1.00倍
矢板1,231人1,580人0.78倍0.91倍
栃木県35,354人33,298人1.06倍1.15倍

パートを含む倍率で見ると、最も高い日光と最も低い矢板の差は0.46ポイントあります。規模の差も大きく、宇都宮の有効求人14,643人は矢板の1,231人の11倍を超えます。県全体の1.06倍は、求人数の多い宇都宮に強く引かれた数字です。矢板や真岡に拠点がある企業にとって、県の倍率は自社の環境をほとんど表していません。

求職者は安定所の境界を意識して動くわけではないので、通勤圏に入る隣の所の数字もあわせて見ておきます。自社の所と隣の所の二つを持っておくと、母集団の見積もりが現実に近づきます。

二つ目に決める:パートを含めた数字か、除いた数字か

同じ所でも、パートを含めるかどうかで倍率が変わります。上の表の右の二列を見比べると、パートを含むと6か所が1倍を割り、パートを除くと1倍を割るのは真岡と矢板の2か所になります。県全体でも1.06倍と1.15倍で、0.09ポイントの違いがあります。

動き方は所によって大きく違います。パートを除いたときの上昇幅は、鹿沼が0.35ポイントと最も大きく、栃木と足利が0.16ポイント、佐野と矢板が0.13ポイント、黒磯が0.12ポイントです。一方で、日光は0.05ポイント、宇都宮は0.03ポイントしか動きません。パートを除くと倍率が大きく上がる所は、パートの求職者が多く、正社員の求人は取り合いになっていると読めます。ほとんど動かない所は、形態による違いが小さい所です。

正社員を採るならパートを除いた列を、パートを採るならパートを含む列を自社の数字として使います。鹿沼に拠点があって正社員を採る企業なら、県の1.06倍ではなく1.45倍が出発点です。形態を決めずに代行会社と話し始めると、同じ所の数字でも前提がずれたまま進みます。

三つ目に決める:新規で見るか、有効で見るか

同じ表には新規の数字も載っています。新規はその月に新しく受け付けた求人と求職、有効は前月からの繰越を含む数字です。令和8年7月分の新規求人倍率(パートを含む)を並べると、有効とはまったく違う景色になります。

安定所新規求人数新規求職者数新規求人倍率
日光675人253人2.67倍
宇都宮5,351人2,049人2.61倍
栃木1,035人482人2.15倍
鹿沼557人271人2.06倍
小山1,638人794人2.06倍
黒磯622人303人2.05倍
佐野705人367人1.92倍
足利779人410人1.90倍
大田原809人433人1.87倍
矢板461人298人1.55倍
真岡626人413人1.52倍
栃木県13,258人6,073人2.18倍

11の安定所すべてで1.5倍を超えています。有効では6か所が1倍を割っていたのに、新規では最も低い真岡でも1.52倍です。新規が高く有効が低いということは、決まらずに残っている求職者が積み上がっているということです。新規と有効の差は、小山が1.10ポイント、黒磯が1.06ポイント、佐野が1.05ポイント、鹿沼が0.96ポイントで、日光は1.43ポイント、宇都宮は1.39ポイントあります。小山は新規で2.06倍と上位にありながら、有効では0.96倍で1倍を割ります。

滞留している求職者は、新しく出た求人に反応していない層です。条件が合わずに決められなかったのか、求人の情報がそもそも届いていないのかで、打ち手が変わります。新しい求人と速さで競うのか、滞留している層に届く経路をつくるのか。どちらを見るかで、代行に頼む工程が変わります。

エラベルの見解

安定所別の表を開くと、県の数字が何を平均したものかが見えます。同じ料金・同じ業務範囲でも結果が分かれるのは、担当者がこの三つを決めてから提案しているかどうかです。「栃木県は1.06倍なので」から話し始める担当者は、矢板の0.78倍も、鹿沼のパートを除いた1.45倍も、小山の新規と有効の差も見ていません。エラベルでは担当者の経歴を見てから選べるので、面談では拠点の所と募集する形態を伝えたうえで、「新規と有効のどちらを見ますか」と聞いてみてください。滞留の話が出てくる担当者なら、応募を増やす施策の前に確かめることがあると分かっています。集計の単位を分ける考え方は長野県の採用代行でも扱いました。

絞った数字から、依頼の中心を選ぶ

三つを決めると、自社の数字が一つに定まります。そこから、代行に頼む工程の中心を選びます。以下は、絞った数字の状態と依頼の中心の対応を整理したものです。所の例は令和8年7月分の表から当てはめたもので、月によって入れ替わります。

絞った数字の状態所の例(令和8年7月分)依頼の中心社内に残す判断
有効も新規も高い日光、宇都宮新しい求人と競う速さ、母集団の経路条件をどこまで動かせるか
新規は高いが有効が1倍を割る小山、黒磯、佐野滞留している求職者に届く経路と訴求条件が合わない理由の見立て
パートを除くと大きく上がる鹿沼正社員の求人の取り合いへの対応雇用形態を切り替えるかどうか
パートを除いても1倍を割る真岡、矢板選別と見極めの基準づくり最終的な見極めの基準

見積もりは、この依頼の中心に合わせて分けて取ります。経路を増やす依頼なら媒体の運用や送信の工数、選別の依頼なら書類選考や一次対応の工数が中心です。自社の側では、月の必要採用数と、応募から採用までの歩留まり(過去の実績、なければ代行会社に同じ地域での実績の幅を聞く)から、月に必要な応募数を出しておきます。そのうえで代行会社に、担当者の週あたりの稼働時間と掛け持ちの社数を聞けば、見積もりの中身を比べられます。

条件の水準は、地区の賃金情報で確かめる

依頼の中心が決まったら、提示する条件の水準を確かめます。栃木労働局の地域別求人倍率には、安定所の上の単位として県北地域・県央地域・県南地域の地区別求人倍率も載っており、県全体・三地域・11安定所という三層で確認できる構成です。条件の相場を見るときは、この地区の単位が使いやすくなります。

栃木労働局は、労働市場のようす、求職求人バランスシート、求人・求職者賃金情報を別に公開しています。求人・求職者賃金情報は、職業別に加えて地区別でも整理されており、求職者希望賃金は男女別に示されています。資料には、求人賃金については男女不問であることと、ハローワークシステムの新規求人・新規求職から抽出していることが明記されています。県全体の平均は宇都宮の水準に引かれるので、自社の地区の数字で、求人賃金の上限・下限と求職者の希望賃金の差を見ます。

契約の前には、拠点の所、募集する形態、見る指標、通勤圏として含める隣の所、条件を確かめる地区の五つを代行会社と共有しておきます。報告にも同じ単位の数字を使ってもらうと、毎月の読み合わせがぶれません。なお、労働関係の法令や助成金の適用、募集条件の設定については個別の判断が伴います。個別の判断は専門家にご確認ください。

エラベルの見解

相談で多い思い込みは、「倍率が1倍を割っている地域なら、応募はすぐ集まる」というものです。栃木の表で見ると、小山は有効で0.96倍ですが、新規では2.06倍あります。求職者は多くても、新しく出た求人には反応していない層が積み上がっている可能性があり、求人を出すだけでは応募が来ないこともあります。そこで必要なのは、滞留している層がなぜ動かないのかを見立てることです。条件なのか、経路なのか、仕事の中身の伝わり方なのか。担当する側から見ると、この見立てに使える地区の賃金情報や、過去の応募者の辞退理由が最初に共有されている案件ほど、打ち手を早く絞れます。近隣県の状況は群馬県の採用代行、茨城県の採用代行にもまとめました。

まとめ

よくある質問

Q. 栃木県の安定所別の求人倍率は、どこで確認できますか

栃木労働局の「地域別求人倍率」のページで、毎月の原数値が公表されています。同じ表にパートを含む数字と除く数字、新規と有効の数字が並んでいます。数値は毎月更新されるため、最新の資料でご確認ください。

Q. 正社員を採用する場合、どの数字を見ればよいですか

パートを除いた有効求人倍率を、自社の拠点の安定所で見るのが出発点です。令和8年7月分では、県全体でもパートを含む1.06倍に対して、パートを除くと1.15倍になっています。あわせて新規の倍率も見ると、求職者が滞留しているかどうかが分かります。

Q. 倍率が1倍を割っている地域なら、代行は要りませんか

一概には言えません。有効が1倍を割っていても新規では高い所があり、求職者がいても新しい求人に反応していない場合があります。応募が集まらない理由が条件なのか経路なのかを見立てたうえで、代行に頼む工程を選ぶのがよいでしょう。

出典