採用代行 / 東京都
東京都の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方
求人の数が多い市場では、採用がうまくいかない理由を「母集団が足りない」で説明できません。東京労働局が公表している令和8年7月分では、都内の新規求人が126,886人、月間有効求人が357,329人ある一方で、就職件数は5,777件で前年同月より8.1%減っています。有効求人倍率は1.69倍で全国1位、新規求人倍率は3.42倍です。この記事では、人がいないのではなく決まっていないという前提に立ち、応募が来てから入社が決まるまでの工程を短くする順番で、採用代行への依頼の組み立て方を整理します。以下は2026年9月24日時点で東京労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。
倍率は全国1位、それでも就職件数は前年より減った
最初に、倍率と結果の数字を分けて確かめます。令和8年7月分の倍率を全国と並べると、東京都の位置がはっきりします。倍率は季節調整値で、有効求人倍率は全国1位です。
| 指標 | 東京都 | 全国 |
|---|---|---|
| 有効求人倍率 | 1.69倍 | 1.18倍 |
| 新規求人倍率 | 3.42倍 | 2.10倍 |
一方で、量と結果の数字を原数値で並べると、倍率だけでは見えない動きがあります。求人は前年より少し減り、求職者は新規で増えています。それ以上の幅で減っているのが、就職件数と充足数です。
| 項目 | 令和8年7月 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 新規求職者数 | 37,634人 | 3.8%増 |
| 新規求人数 | 126,886人 | 0.9%減 |
| 月間有効求職者数 | 213,022人 | 0.6%減 |
| 月間有効求人数 | 357,329人 | 1.2%減 |
| 就職件数 | 5,777件 | 8.1%減 |
| 充足数 | 8,428人 | 5.4%減 |
新規求職者が3.8%増えているのに、就職件数は8.1%減っています。求人と求職の量では説明できない部分があるということです。応募数を増やす施策を重ねても、この差は埋まりにくいと考えたほうが、打ち手を選びやすくなります。
水準そのものも、少し前から緩やかに下がっています。年度の推移は次のとおりです(年度分は原数値)。単月の動きではなく、数年続いている流れとして見ておきます。
| 年度 | 有効求人倍率(東京都) | 新規求人倍率(東京都) |
|---|---|---|
| 令和5年度 | 1.78倍 | 3.59倍 |
| 令和6年度 | 1.76倍 | 3.65倍 |
| 令和7年度 | 1.72倍 | 3.46倍 |
有効求人倍率は3年度続けて下がっていますが、全国1位という位置は変わっていません。資料の注記によれば、実数の欄は原数値、倍率の各月分は季節調整値、年度分は原数値で、季節調整値は毎年1月分の公表に併せて「季節調整値替え」が行われるとされています。報告に使うときは、どの種類の数字かを添えておきます。
応募が来てから、提示までの日数を削る
量があるのに決まらない理由として考えられるのは、求人と求職の内容のずれ、選択肢の多さ、決定までの時間の三つです。一つ目は職種や条件の話ですが、二つ目と三つ目は求人の多い市場に固有の事情です。新規求人倍率が3.42倍の市場では、求職者は複数の求人を並べて比べており、検討している間に他社で決まることが起こります。東京で採用の結果を変えやすいのは、応募が来てからの速さです。
工程ごとに、社内で決めておくことと、代行に任せられることを分けておきます。速さを上げようとして全部を代行に渡すと、社内の決裁で止まるところが残り、結局日数は縮みません。
| 工程 | 社内で先に決めておくこと | 代行に任せやすいこと |
|---|---|---|
| 応募への最初の連絡 | 連絡までの日数の上限 | 一次連絡と日程の候補出し |
| 面談の設定 | 面接官の空き枠を週単位で押さえる | 日程調整と前日の確認 |
| 選考 | 選考の回数と全体の期間の上限 | 選考間の連絡、辞退の兆しの記録 |
| 条件の提示 | 決裁にかかる日数と、提示できる幅 | 提示後のフォローの連絡 |
表の左の列は、どれも社内でしか決められないものです。とくに面接官の空き枠と決裁の日数は、代行会社がどれだけ速く動いても、ここが空いていなければ止まります。代行に出す前に、左の列を数字で埋めておくことが、この市場では最初の仕事になります。
求人票も、比べられることを前提に書き直します。都内で働く人にとって、同じ職種の求人は隣に何件も並んでいます。仕事の中身、選考の回数と期間、条件の幅を最初から書いておくと、応募する前の迷いが減り、選考中の辞退も減らしやすくなります。
エラベルの見解
東京の数字を見ると、採用の難しさが母集団の量ではないことがはっきりします。有効求職者は213,022人いて、20万人を超えています。それでも就職件数は前年より8.1%減っています。ここで代行会社に「応募を増やしてください」と頼むと、担当者は送信数や媒体の追加で応えようとし、面接官の枠と決裁の日数は手つかずのまま残ります。同じ料金・同じ業務範囲でも、結果が分かれるのはここです。応募から提示までの日数を最初に聞いてくる担当者と、応募数の目標だけを聞いてくる担当者では、半年後の結果が変わります。エラベルでは担当者の経歴を見てから選べるので、面談では「連絡から面談までを何日で回した経験がありますか」と聞いてみてください。採用の工程を数字で追う考え方は採用の可視化でも扱いました。
45歳以上の求職者を、母集団に入れるかを先に決める
母集団の量ではなく受け入れの設計が問われる例が、中高年齢者です。東京労働局は、中高年齢者の職業紹介取扱状況を別の資料で公表しています。常用についての集計で、令和8年7月分は次のとおりです。
| 項目 | 45歳〜 | 前年同月比 | うち55歳〜 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|---|
| 新規求職者数 | 21,664人 | 7.2%増 | 14,896人 | 9.1%増 |
| 有効求職者数 | 118,724人 | 1.3%増 | 78,316人 | 3.7%増 |
| 就職件数 | 3,492件 | 5.8%減 | 2,505件 | 3.8%減 |
45歳以上の新規求職者は7.2%増えているのに、就職件数は5.8%減っています。有効求職者118,724人のうち55歳以上が78,316人で、この層の66.0%にあたります。経験のある層が市場に出ているのに、受け入れる側の設計が追いついていないと読めます。
この層を母集団に入れるかどうかは、代行会社ではなく社内で決めることです。フルタイムの正社員という枠に収まらない場合に業務を切り出せるか、前職の水準との関係で処遇をどう設計するか、勤務の時間や日数をどこまで柔軟にできるか、年下の上司との関係を含めて受け入れの体制があるか。この四つに答えが出てから、代行会社に母集団の広げ方を相談します。答えが出ないまま募集を広げると、面接で条件が合わずに止まり、ここでも決まらない件数が増えます。
なお、高年齢者の雇用に関する制度上の要件や、募集における年齢の取扱いには法令上の考え方があります。個別の判断は専門家にご確認ください。
都外から通う応募者に向けて、勤務条件を書く
東京労働局は、新規一般常用求職者の実態という資料も月次で公表しています。新規求職者(常用)のうちパートタイムを除いた数値で、就業・不就業の状態と、都管内外の関係という二つの軸で分類されています。就業・不就業の状態は、在職者、離職者(定年・事業主都合・自己都合・不明)、無業者(家事、育児等従事者・その他)などに分かれます。都管内外の関係は、都内の求職者(管内/管外)と、都外からの求職者に分かれます。
都外からの求職者を別に数えているのは、周辺県から通う前提で仕事を探す人が一定数いるからです。この人たちにとっては、通勤時間や転居が判断に入ります。勤務地は最寄り駅と所要時間まで具体的に書き、始業・終業の時刻が通勤時間を踏まえて無理がないかを確認し、在宅勤務の有無を明記しておきます。在宅勤務があるかどうかで、通える範囲そのものが変わります。
在職者か離職者かという区分も、進め方に関わります。在職中の求職者が中心なら、面談の時間帯を平日の夜や短い時間枠に広げ、入社時期にも幅を持たせる必要があります。前の節で見た工程の日数の上限は、この時間帯の柔軟さとセットで決めると、実際に守れる数字になります。周辺の状況は神奈川県の採用代行にもまとめました。
代行に渡すのは「進める工程」、その見積もり方
ここまでを踏まえると、東京で代行に渡すなら、集める工程より進める工程が中心になります。一次連絡、日程調整、選考間の連絡、辞退の兆しの記録、提示後のフォローです。これらは件数に比例して作業が増えるので、見積もりは「月の応募数 × 一件あたりの対応回数 × 一回あたりの作業時間」で考えると比べやすくなります。月の応募数は自社の過去の実績から、対応回数は選考の回数から出せます。
代行会社には、担当者が週に何時間稼働するか、何社を掛け持ちしているかを聞きます。進める工程は速さが価値なので、掛け持ちが多く返信が翌日以降になる体制では、この市場での効果が薄れます。応募への一次連絡を何時間以内に返すか、土日や夜間の応募をどう扱うかも、契約の条件に入れておきます。候補者とのやり取りには個人情報が含まれるため、記録の保管と引き渡しの方法も決めておきます。個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
外に出してよいのは、日程調整や連絡のように、決めたルールどおりに速く回す工程までです。選考の回数を減らす判断や、提示できる条件の幅を代行会社に委ねると、速さと引き換えに社内の合意が崩れ、内定のあとで条件を覆すことになりかねません。東京は他の道府県と論点が違い、多くの県では母集団の量が課題になりますが、ここでは比べられることと速さが課題です。担当する側から見ても、日数の上限と提示の幅が最初に数字で示されている案件のほうが、候補者に迷わず連絡を返せます。逆に、ルールが決まっていない案件では、担当者は毎回社内の返事を待つことになり、代行に出した意味が薄れます。
まとめ
- 令和8年7月分の東京都は有効求人倍率1.69倍で全国1位、新規求人倍率は3.42倍だが、就職件数は5,777件で前年同月より8.1%減っている
- 母集団の量より、応募が来てから提示までの日数が結果を分ける市場と考えられる
- 連絡・面談・選考・提示の各工程で、日数の上限と面接官の枠、決裁の日数を社内で先に決めてから代行に渡す
- 45歳以上の求職者は新規で7.2%増えている一方で就職件数は5.8%減っており、母集団に入れるかは業務の切り出しと処遇を社内で決めてから判断する
- 都外からの求職者を前提に、勤務地・時間・在宅勤務の有無を具体的に書く
よくある質問
Q. 東京都は求人倍率が高いのに、なぜ採用が難しいのですか
求人の数が多く、求職者が複数の求人を比べているためと考えられます。令和8年7月分では新規求職者が増えているのに、就職件数は前年同月より8.1%減っています。応募を集めることより、応募のあとの速さが結果を分けやすい市場です。
Q. 東京で採用代行を使うなら、どの工程を任せるのがよいですか
一次連絡、日程調整、選考間の連絡のように、決めたルールどおりに速く回す工程が向いています。選考の回数や提示できる条件の幅は、社内で決めてから渡します。任せる前に、各工程の日数の上限を数字で決めておくと効果が出やすくなります。
Q. 中高年齢者の採用を検討するときは、何から始めればよいですか
まず、フルタイムの正社員という枠にこだわらずに業務を切り出せるかを社内で確認します。そのうえで処遇、勤務の形、受け入れの体制を決めます。年齢の取扱いには法令上の考え方があるため、個別の判断は専門家にご確認ください。