採用代行 / 山梨県

山梨県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方

公開 2026-09-24

採用の競合は誰かと聞かれて、同業の大手を思い浮かべる会社は多いと思います。山梨労働局が公表している令和8年7月分の資料では、県内の新規求人数6,080人のうち3,721人、61.2%が29人以下の事業所から出ており、300人以上の事業所からの求人は合わせて201人で全体の3.3%です。応募者が同時に見ている求人の6割は、小規模な事業所のものということになります。この記事では、自社を「事業所規模の階層」と「産業の中分類」の二つの座標に置き、そこから競合を特定して依頼を組む方法を整理します。以下は2026年9月24日時点で山梨労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。

応募者が見ている求人の6割は、29人以下の事業所から

最初に決めるのは、自社がどの規模の階層にいるかです。下の表は、令和8年7月分の新規求人数を事業所規模別に並べ、前年同月との差も入れたものです。自社の階層の行を見て、その階層の求人がどれだけあり、前年からどう動いたかを確認してください。

事業所規模令和8年7月構成比前年同月前年同月比
29人以下3,721人61.2%3,433人8.4%増(288人増)
30〜99人1,599人26.3%1,365人17.1%増(234人増)
100〜299人559人9.2%531人5.3%増(28人増)
300〜499人117人1.9%113人3.5%増(4人増)
500〜999人44人0.7%49人10.2%減(5人減)
1,000人以上40人0.7%30人33.3%増(10人増)
合計6,080人100.0%5,521人—

29人以下と30〜99人を合わせると87.5%で、100人未満の事業所が求人のほとんどを出しています。自社が29人以下なら競合は同じ規模で、知名度の差は小さくなります。100〜299人なら求人全体では少数派で、県内で100人以上の事業所からの求人は全体の12.5%なので、規模そのものを訴求材料にできます。300人以上なら県内で3.3%の側にいて希少ですが、その分だけ大きな組織での働き方を前提にした募集要件は、小規模事業所で働いてきた人の多い母集団を狭めることになります。

増減率は、実数と並べてから判断する

同じ表で伸び方を見ると、最も伸びたのは30〜99人の階層で、率は17.1%増、人数でも234人増と29人以下の288人増に次ぐ規模です。自社がこの階層にあるなら、同じ規模の求人が前年より17.1%多い状態で募集することになり、条件を比べられやすい局面です。

読み間違えやすいのは、件数の少ない階層です。1,000人以上の33.3%増は10人の増加、500〜999人の10.2%減は5人の減少で、数人の増減で率が大きく動きます。率の大きさだけで「大企業の採用が活発になっている」と読むと、市場の実像を取り違えます。市場を動かしているのは、構成比が大きい29人以下と30〜99人の階層です。

エラベルの見解

事業所規模の区分は、提案書に出てくることがまれな情報です。産業別や職種別は語られても、規模別はほとんど触れられません。ところが求職者から見ると、規模は最初に目に入る情報のひとつで、山梨県の応募者は小規模事業所の求人を大量に見たうえで自社の求人にたどり着いています。同じ料金の代行でも、この表を見て自社の階層を先に確かめる担当者と、県全体の求人増の話から入る担当者では、求人票の最初の一行が変わります。率と実数の両方を出してくるかどうかは、担当者を見分ける分かりやすい基準です。県内の産業構成は地方企業の採用の考え方と合わせて見ると整理しやすくなります。

二つ目の座標は産業。観光関連が減り、建設と医療・福祉が増えた

令和8年7月分の新規求人数は6,080人で、前年同月比10.1%(559人)の増加です。ただし産業別に見ると、増えた側と減った側がはっきり分かれています。表は主な産業を、前年同月比の大きい順に並べたものです。

産業令和8年7月前年同月比
建設業605人31.8%増(146人増)
卸売業,小売業745人20.4%増(126人増)
サービス業(他に分類されないもの)1,119人19.6%増(183人増)
教育,学習支援業112人16.7%増(16人増)
製造業1,003人13.5%増(119人増)
医療,福祉1,263人13.0%増(145人増)
運輸業,郵便業243人3.4%増(8人増)
学術研究,専門・技術サービス業102人5.6%減(6人減)
情報通信業54人16.9%減(11人減)
宿泊業,飲食サービス業328人17.2%減(68人減)
生活関連サービス業,娯楽業256人25.8%減(89人減)

山梨県は観光の比重が大きい県ですが、令和8年7月分では宿泊・飲食と生活関連サービス・娯楽の二つがそろって減りました。山梨労働局は県内の雇用情勢を「一部に弱さがみられるものの着実に改善が進んでいる」と判断しています。この「一部に弱さ」が観光関連を指すかどうかは資料に明示されていませんが、判断の文言と産業別の動きを並べて読むと、県内で何が起きているかの見当がつきます。

製造業は、中分類まで下ろして自社の行を探す

「製造業は13.5%増」という説明は、製造業の企業すべてに当てはまるわけではありません。同じ製造業の中で、増えた業種と減った業種が並んでいます。

業種令和8年7月前年同月比
輸送用機械器具製造業56人107.4%増(29人増)
食料品製造業176人64.5%増(69人増)
電子部品・デバイス・電子回路製造業52人33.3%増(13人増)
生産用機械器具製造業98人30.7%増(23人増)
電気機械器具製造業176人21.4%増(31人増)
はん用機械器具製造業65人16.7%減(13人減)
金属製品製造業51人30.1%減(22人減)

金属製品製造業の企業にとって、「製造業は増えている」は自社の話ではありません。一方で輸送用機械器具製造業の107.4%増も実数では29人増なので、ここでも率と実数を並べて読みます。規模の階層と産業の中分類を両方決めると、県の平均とはまったく違う競合の姿が見えてきます。

解雇・雇止めの届出がない月の母集団

山梨労働局の資料には、他の県ではあまり見かけない「企業整備状況」という項目があります。5人以上の解雇・雇止めについて、県内の公共職業安定所を通じた事業所からの任意の届出で把握したもので、複数月にわたる場合は開始月に一括して計上されます。令和8年7月分では、5人以上の解雇・雇止めについて届け出がなかったと記載されています。

採用側から見ると、この項目は母集団の性格に関わります。大きな解雇・雇止めがあれば、まとまった人数が同じ時期に求職に出てきます。届出がない月が続いているなら、即戦力がまとまって市場に出る見込みは低く、在職中の求職者に向けた設計が中心になります。ただし任意の届出による把握で、届出の状況により数値が変更となる場合があるとされているので、網羅的な統計ではなく傾向を見る材料として扱います。

自社の座標を決めてから、見積もりを頼む

代行会社に相談する前に、次の材料を手元でそろえます。相手に委ねると、県全体の求人増の話から始まってしまうからです。

見積もりの材料自社で出すもの代行会社に聞くこと
規模の階層29人以下/30〜99人/100〜299人/300人以上のどれか同じ階層の求人と比べて何を訴求するか
産業の中分類大分類と中分類(例:製造業のうち金属製品製造業)中分類の増減をどう報告に入れるか
母集団の性格在職中の求職者が中心という前提でよいか在職者向けに面談の時間帯や連絡をどう組むか
条件の見直し同じ階層・中分類の求人の増え方条件の比較が起きたときの提示の仕方

費用は「月の応募数 × 一件あたりの対応時間」に、階層と中分類に合わせて書き分ける求人票の本数を足して作業量を出すと、見積もりの書き方が違っても比べられます。「山梨県は求人が10.1%増えています」だけで終わる提案は、どの階層のどの産業かを見ていません。なお、労働関係の法令や助成金の適用については個別の判断が伴いますので、専門家にご確認ください。

エラベルの見解

山梨県の資料は、構成比・増減率・実数の三つが同じ表に並んでいるのが使いやすい点です。29人以下は61.2%で288人増、1,000人以上は0.7%で10人増と並べれば、どちらが市場を動かしているかは明らかです。外に出す範囲を考えるときも、この座標が役に立ちます。自社の階層と中分類が決まっていれば、求人票の書き分けや規模別・産業別の報告は代行に任せられます。逆に、どの階層の企業と張り合うか、条件をどこまで上げるかは社内で決める判断です。そこまで代行に預けると、県平均に合わせた無難な条件に落ち着きやすくなります。近隣県の状況は長野県の採用代行、静岡県の採用代行にもまとめました。

まとめ

よくある質問

Q. 山梨県の求人は増えているのですか

令和8年7月分の新規求人数は6,080人で、前年同月比10.1%の増加です。ただし宿泊業・飲食サービス業や生活関連サービス業・娯楽業では減っています。自社の産業と規模の階層で見ると、県全体とは違う姿になることがあります。

Q. 事業所規模別の数字はなぜ採用に関係するのですか

求職者は規模を見て求人を比べるため、同じ階層の求人がどれだけあるかで競合の濃さが変わります。山梨県では求人の6割が29人以下の事業所から出ているので、自社の規模の位置によって訴求の仕方が変わります。

Q. 企業整備状況はどう使えばよいですか

5人以上の解雇・雇止めの届出を集めたもので、まとまった人数が求職に出る時期の目安になります。任意の届出による把握で網羅的な統計ではないため、母集団の性格を考える補助の材料として使ってください。

出典