人事副業 / 両立・スキル
介護と両立する|人事の副業を介護と両立するなら「介護の状況は変わる」前提で、稼働の枠を小さく固定し、突発で止まる日があることを依頼側に先に伝え、止まったときの動き方を決めておく。両立できるかは介護の重さではなく、止まり方の設計で決まる
親の介護が始まり、本業と介護で手一杯になりつつある。それでも、人事の経験を副業で活かしたい、あるいは、介護で本業の働き方を変えた分を副業で補いたい。介護と副業は両立できるのか。結論を先に書くと、介護と副業の両立は、「介護の状況は変わる」ことを前提に、稼働の枠を小さく固定し、突発で止まる日があることを依頼側に先に伝え、止まったときの動き方を決めておけば、できます。両立できるかどうかは、介護の重さではなく、止まり方の設計で決まります。介護は、育児と違って、先が読めず、重くなる方向に変わることが多く、突発の対応が繰り返し起きます。それを隠して受けると、止まったときに信用が消えます。先に伝えて受ければ、止まっても信用は残ります。育児・介護と両立できる業務と契約の形は育児・介護と両立できるかに、時間帯が読めないときの枠の作り方は本業と両立する時間の作り方に、止まるときの伝え方は無理なときの伝え方にまとめています。
介護の両立が育児と違う点
育児との両立と、介護との両立は、似ているようで違います。違いを押さえておくと、設計が変わります。
| 点 | 育児 | 介護 |
|---|---|---|
| 先の見通し | 成長とともに手が離れる方向。時期がある程度読める | 重くなる方向に変わることが多い。いつまで続くか読めない |
| 突発の頻度 | 体調不良など、時期によって波がある | 通院、体調の急変、施設や制度の手続きが、不定期に起きる |
| 周囲の理解 | 「子どもの事情」は説明しやすい | 「親の介護」は説明しにくく、本業にも依頼側にも伝えていない人が多い |
| 心理的な負担 | 疲れはあるが、先が見える | 先が見えず、気持ちが沈む時期がある。判断が鈍る |
| 制度 | 本業の育児の制度は整っていることが多い | 介護の制度は会社によって差がある。制度の内容は会社と専門家にご確認ください |
| 副業の位置づけ | 収入と経験の継続 | 収入の補い、本業を離れた場合の入口、気持ちの切り替えの場、のどれか |
違いの要点は、「介護は先が読めず、重くなる方向に変わる」ことです。育児の両立は、「今は大変だが、数年後は楽になる」を前提に設計できますが、介護は、「今より重くなったときに、どう縮めるか」を前提に設計します。副業の枠は、今の介護の状況ではなく、少し重くなった状況を想定して決めます。育児との両立の考え方は育児・介護と両立できるかに書いています。
介護の段階ごとの副業の形
介護には段階があり、段階によって副業の形が変わります。今の段階と、次の段階を見ておきます。
| 段階 | 状況 | 副業の形 | 稼働の枠 |
|---|---|---|---|
| 見守り | 親は自立しているが、通院の付き添いや、たまの手助けが要る | 通常に近い形で受けられる。突発は月に数回 | 通常の枠。突発の日を依頼側に伝えておく |
| 部分的な介護 | 週に何日か、決まった手助けが要る。通院、食事、手続き | 決まった手助けの日を外した枠で受ける。時間帯が固定できる工程を選ぶ | 通常の半分程度。手助けの日は稼働しない |
| 日常的な介護 | 毎日手助けが要る。本業の働き方も変えている | 締め切りが柔らかい工程だけを、小さい枠で受ける。突発で止まる前提 | 週に数時間。止まる日があることを前提に |
| 施設や制度を使う移行期 | 施設の入所、制度の手続き、家族との調整で、突発が集中する | 一時停止か、今の案件を区切りまで。新規は受けない | 一時的にゼロに近い |
| 安定期 | 施設や支援が整い、手助けの時間が読めるようになる | 枠を少しずつ戻す。段階が上がる可能性を残して | 小さい枠から広げる |
段階の要点は、「今の段階ではなく、次の段階を想定して枠を決める」ことです。見守りの段階で通常の枠で受けていると、部分的な介護に移ったときに、案件の途中で枠が足りなくなります。今の段階より一つ重い段階でも回る枠で受けておけば、段階が変わっても案件を止めずに済みます。工程の選び方は育児・介護と両立できるかの「時間帯が読めない前提」の業務の考え方が使えます。
エラベルの見解
担当する側から見ると、介護をしながら副業を続けている人と、続かなくなる人の差は、介護の重さではなく、「突発で止まる日があることを、先に依頼側に伝えているか」です。伝えている人は、止まった日に「本日は家庭の事情で稼働できません。明日〇時に再開します」と一言送るだけで済み、依頼側は「聞いていた通り」として受け止めます。伝えていない人は、止まった日に理由を説明するところから始まり、依頼側は「聞いていない」となり、続かなくなります。
見ていて差がつくのは、介護の状況が重くなったときに、案件を止めるのではなく、枠を縮めているかです。重くなった時点で「もう無理です」と案件を止める人は、戻れる道が消えます。「来月から稼働を半分にさせてください。範囲はこの工程だけに」と枠を縮める人は、案件は小さくなっても続き、状況が落ち着いたら戻せます。エラベルでは、依頼側が担当者を選ぶ仕組みなので、稼働の条件を小さく明確にしている担当者には、その条件に合う依頼側がついています。介護との両立は、介護を隠して頑張ることではなく、介護があることを前提に設計することです。
稼働の枠の決め方
介護と両立する稼働の枠は、通常の副業の枠とは決め方が違います。
| 決めること | 決め方 | 理由 |
|---|---|---|
| 週の稼働の上限 | 今の段階で取れる時間の、さらに半分程度 | 次の段階に移っても回る枠に。余った時間は休みに |
| 稼働する時間帯 | 介護の手助けが入らない時間帯。早朝か、手助けが終わった後 | 手助けの時間帯に稼働を置くと、毎回止まる。早朝の稼働という選択 |
| 稼働しない日 | 通院や手助けの日を、先に依頼側に伝える | 「その日は返せない」が前提になる |
| 止まる日の想定 | 月に何日かは突発で止まる、と自分でも想定する | 止まった日に自分を責めず、動き方に移れる |
| 受ける工程 | 締め切りが柔らかく、途中で止めても影響が小さい工程 | 締め切りが固い工程は、突発で止まると依頼側の採用が止まる |
| 受ける案件の数 | 一件だけ | 複数の依頼側に突発の連絡を送る負担を避ける |
| 締め切りの置き方 | 自分の見積もりより、余裕を持たせて依頼側に伝える | 突発で止まっても、締め切りは守れる |
決め方の要点は、「上限を、今取れる時間の半分程度に置く」ことです。介護をしながらの副業で、取れる時間を全部稼働に入れると、休みがなくなり、突発が起きたときに締め切りが崩れます。半分に置けば、突発が起きても残りの半分で吸収でき、休みも残ります。稼働の上限の考え方は週何時間から受けられるかに、締め切りの余裕は遅れそうなときの連絡に、案件の数は複数案件のスケジュール管理に書いています。
依頼側への伝え方
介護があることを、依頼側にどこまで、どう伝えるかです。
| 伝えること | 伝え方 | 伝えなくてよいこと |
|---|---|---|
| 突発で止まる日があること | 「家庭の事情で、月に何日か、当日に稼働できない日があります。その日は朝に連絡し、翌稼働日に再開します」 | 介護であること自体は、伝えても伝えなくてもよい |
| 稼働する時間帯と、しない日 | 「稼働は早朝と、〇曜と△曜の夜です。□曜は稼働しません」 | 介護の手助けの内容 |
| 締め切りの余裕 | 「締め切りは、余裕を持って置かせてください。早く終えたときは前倒しで出します」 | 余裕の理由の詳細 |
| 状況が変わる可能性 | 「事情が変わったときは、一か月前に稼働の見直しを相談させてください」 | 介護が重くなる見通し |
| 止まったときの連絡の型 | 「止まる日は朝に一言、再開の日時を添えて連絡します」 | 止まった理由の詳細 |
伝え方の要点は、「介護であることは伝えなくてよいが、突発で止まる日があることは伝える」です。介護を伝えることに抵抗がある人は多く、伝えなくて構いません。依頼側にとって必要なのは、理由ではなく、「止まる日があること」「止まったらどう連絡が来るか」「いつ再開するか」です。この三つが先に伝わっていれば、依頼側は困りません。伝え方の型は無理なときの伝え方に、稼働の報告は稼働報告の書き方に整理しています。
突発で止まったときの動き方
介護の突発で止まった日の動き方を、先に決めておきます。決めてあれば、その場で考えずに済みます。
| 順番 | 内容 |
|---|---|
| 一、朝の時点で、今日は稼働できないと分かったら、一言送る | 「本日は家庭の事情で稼働できません。〇日〇時に再開します」。理由は書かない |
| 二、今日の締め切りがあれば、代わりの案を添える | 「本日予定の〇〇は、△日に出します。急ぎでしたら、途中までのものをお送りします」 |
| 三、依頼側からの連絡は、読めるなら読む。返信は再開時に | 「拝見しました。再開時に返します」まで |
| 四、再開したら、止まった間の連絡に最初に返す | 止まった間に来た連絡を、優先して処理する |
| 五、止まった日を記録する | 月に何日止まったか。枠の見直しの材料に |
| 六、止まる日が月に何日も続いたら、枠の見直しを相談する | 「来月から稼働を半分に」「範囲をこの工程だけに」 |
| 七、自分を責めない | 止まる日があることは、先に伝えてある前提の一部。動き方通りに動けば、信用は残る |
動き方の要点は、「一」の、朝の時点で一言送ることです。止まると分かった時点で送れば、依頼側はその日の予定を組み直せます。夕方になって「今日はできませんでした」と送ると、依頼側の一日が無駄になります。朝に一言、再開の日時つきで。この型を決めておけば、止まった日に考えることがなくなります。連絡の型は遅れそうなときの連絡に、記録の残し方は稼働時間の管理と申告に書いています。
介護が重くなったときの縮小と一時停止
介護は重くなる方向に変わることが多く、そのときの動き方も先に決めておきます。
| 状況 | 動き方 | 伝え方 |
|---|---|---|
| 止まる日が月に何日も続く | 縮小。稼働を半分に、範囲を一つの工程に | 「来月から稼働を〇時間、範囲を□□だけにさせてください」。一か月前に |
| 段階が一つ上がった(部分的→日常的) | 縮小か一時停止。今の案件は区切りまで、新規は止める | 「家庭の事情が変わり、〇月の区切りで一度止めさせてください。落ち着いたら再開したいです」 |
| 施設や制度の移行期で、突発が集中する | 一時停止。期間を決める | 「〇月まで受けられません。その後に再開の相談をさせてください」 |
| 気持ちが沈み、判断が鈍っている | 一時停止。疲れているときに終了を決めない | 上と同じ。期間を決めて休む |
| 本業の働き方を変えた(短時間、休職) | 副業の位置づけを見直す。収入の補いなら枠を保ち、負担なら縮小 | 状況に応じて |
| 安定期に入った | 小さい枠から戻す。段階が上がる可能性を残す | 「落ち着いたので、〇時間から再開したいです」 |
縮小と一時停止の要点は、「終了ではなく、縮小か一時停止で止める」ことです。介護が重くなったときに副業を終了すると、介護が落ち着いた後に、戻る道がありません。介護の段階は、重くなった後に、施設や支援で安定することがあり、そのときに副業が入口として残っていると、生活と気持ちの支えになります。登録先の登録は消さず、休止にしておきます。一時停止と縮小の形は副業をやめるときに、続ける設計は長く続けるための設計に整理しています。
両立を続けるための順番
介護と副業の両立を続けるための順番です。
| 順番 | 内容 |
|---|---|
| 一、今の介護の段階と、次の段階を見る | 見守り、部分的、日常的、移行期、安定期のどれか。次はどれか |
| 二、次の段階でも回る枠を決める | 今取れる時間の半分程度。時間帯は手助けが入らない時間帯 |
| 三、受ける工程と案件の数を絞る | 締め切りが柔らかい工程を、一件だけ |
| 四、突発で止まる日があることを依頼側に伝える | 理由は伝えなくてよい。止まる連絡の型と再開の形を伝える |
| 五、止まった日の動き方を決めておく | 朝に一言、代わりの案、再開時に最初に返す、記録する |
| 六、止まった日を記録し、月に一度見る | 止まる日が増えたら、枠の見直しを一か月前に相談する |
| 七、重くなったら縮小か一時停止。終了しない | 登録先は休止に。戻る道を残す |
| 八、本業の制度と、介護の支援を使う | 本業の介護の制度、地域の支援は、会社と専門家にご確認ください。副業で補うより先に |
順番の要点は、「八」の、本業の制度と介護の支援を、副業より先に使うことです。介護の負担を副業で補おうとする前に、本業の介護の制度、地域の支援、家族との分担で、介護の負担そのものを減らせないかを見ます。制度と支援の内容は、会社と地域によって違うため、会社と専門家にご確認ください。副業は、その上で残った時間と気持ちの中で、小さい枠で続けるものです。副業を負担の補いに使うと、介護と本業と副業の全部が崩れます。本業との時間の分け方は本業と両立する時間の作り方に書いています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「介護があると、副業は無理だ」というものです。実際には、介護をしながら続けている担当者は少なくなく、共通しているのは、枠を小さく固定し、止まる日があることを先に伝え、止まったときの動き方を決めていることです。介護の重さは人によって違いますが、止まり方の設計があれば、重くても小さい枠で続けられ、無ければ軽くても止まります。
順番として、今の段階と次の段階を見て、次の段階でも回る枠を決め、締め切りが柔らかい工程を一件だけ受け、止まる日があることを依頼側に伝え、止まった日の動き方を決めておき、止まった日を記録して月に一度見て、重くなったら縮小か一時停止にして終了せず、本業の制度と介護の支援を副業より先に使う。この順番で、介護と副業の両立は、「頑張って両立する」ものから、「止まる前提で設計された」ものになります。エラベルでは、依頼側が担当者を選ぶ仕組みなので、稼働の条件を小さく明確にした担当者には、その条件で十分な依頼側がついています。両立できるかは、介護の重さではなく、止まり方の設計で決まります。
まとめ
- 介護と副業の両立は「介護の状況は変わる」前提で、枠を小さく固定し、止まる日があることを先に伝え、止まったときの動き方を決めておけばできる
- 介護は育児と違い先が読めず、重くなる方向に変わる。今の段階ではなく次の段階でも回る枠で受ける
- 枠は今取れる時間の半分程度、手助けが入らない時間帯、締め切りが柔らかい工程を一件だけ
- 依頼側には介護であることは伝えなくてよいが、止まる日があることと連絡の型と再開の形は伝える
- 止まった日は朝に一言、再開の日時つき、代わりの案を添える。自分を責めない
- 重くなったら縮小か一時停止。終了しない。登録先は休止にして戻る道を残す。本業の制度と支援は副業より先に使う
よくある質問
介護があることを、依頼側に伝えたくありません。隠して受けてもよいですか
介護であることは、伝えなくて構いません。ただし、「突発で止まる日があること」「止まったときの連絡の型」「再開の形」は伝えます。依頼側に必要なのは理由ではなく、止まる日があるという前提と、そのときの動き方です。「家庭の事情で、月に何日か当日に稼働できない日があります。その日は朝に連絡し、翌稼働日に再開します」で足ります。この三つを伝えずに受けると、止まった日に「聞いていない」となり、隠していたことが問題になります。伝え方は無理なときの伝え方に整理しています。
介護で本業を短時間勤務にしました。減った収入を副業で補えますか
補える部分はありますが、「補う」を目的にすると、枠が大きくなり、介護と本業と副業の全部が崩れます。まず、本業の介護の制度と、地域の支援で、介護の負担そのものを減らせないかを確認し、内容は会社と専門家にご確認ください。そのうえで、残った時間の半分程度を副業の枠にし、小さく始めます。減った収入を全部補うのではなく、一部を補う形で、続くことを優先します。収入の見立ては年間の副業収入の見立てに書いています。
介護が終わった後、副業を本格的に再開したいのですが、ブランクが心配です
介護中に小さい枠でも続けていれば、ブランクにはなりません。一時停止していた場合も、登録先の登録を休止にし、以前の依頼側との連絡の経路を残していれば、再開の相談から始められます。再開時は、枠を小さめに置き、続けられることを確かめてから広げます。介護中に得た、時間の使い方や優先順位の付け方は、副業の稼働管理にそのまま使えます。再開の進め方は副業をやめるときの再開の項に、声がかかる状態の作り方は声をかけてもらえる状態を作るに整理しています。