人事副業 / 両立・スキル
学び直しの進め方|人事の副業で学び直すなら、「自分の範囲で止まっている工程」から逆算して学ぶ対象を一つに絞り、学んだことを次の案件の型に変える。講座から入ると、範囲と関係の無い知識が溜まる
副業を続けるうちに、自分の知識が古い気がしてきた。採用の手法も、媒体も、変わっている。学び直したいが、何から学べばよいのか、講座に通う時間も費用も無く、学んでも副業に活きるのかが分からない。結論を先に書くと、副業の学び直しは、「自分の範囲で止まっている工程」から逆算して、学ぶ対象を一つに絞ります。講座や体系から入ると、範囲と関係の無い知識が溜まり、副業には活きません。学んだことは、次の案件で使う型に変えて初めて意味を持ち、型に変えられない学びは、副業では成果になりません。学ぶ手段は、講座より先に、自分の案件の記録と、同じ立場の人の判断の仕方と、実務の書籍で、多くはそれで足ります。型の育て方は事例を流用しないに、改善の回し方は改善を回すに、情報収集の習慣は情報収集の習慣にまとめています。
学び直しが空回りする理由
学び直しを始めても、副業に活きないことがあります。理由を見ます。
| 空回りの形 | 何が起きているか |
|---|---|
| 講座や体系から入る | 人事の全体を学び直そうとして、自分の範囲と関係の無い領域(労務、制度、育成)に時間を使う |
| 流行の手法を追う | 新しい採用の手法を学ぶが、依頼側の型と合わず、案件で使う場面が無い |
| 資格の勉強に置き換わる | 学び直しが資格の取得になり、範囲の裏付けにも型にもならない。取っておくと役に立つ資格 |
| 学んだことを型に変えない | 読んで、分かった気になり、次の案件で同じ動き方をする |
| 学ぶ時間が案件の稼働を削る | 副業の枠の中で学びに時間を使い、候補者への返信や型の作業が遅れる |
| 自分の弱い場所を見ていない | 何が足りないかを、記録で見ずに、感覚で「全部足りない」と感じて、広く学ぼうとする |
空回りの要点は、「自分の範囲で何が止まっているかを見ずに、学ぶ対象を決めている」ことです。何が止まっているかが分かれば、学ぶ対象は一つに絞れ、学んだことはその工程の型に変わります。分からないまま学ぶと、対象が広がり、型に変わらず、時間だけが消えます。止まっている場所の見つけ方は課題を構造化するに書いています。
範囲から逆算して対象を絞る
学ぶ対象は、自分の範囲の工程のうち、止まっている一つから逆算します。手順です。
| 手順 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 一、自分の範囲の工程を並べる | 契約の範囲の工程を一覧に | スカウトの検索、送信、一次返信、日程調整、面接の準備 |
| 二、記録で、結果が弱い工程を見つける | 稼働報告の「状態の変化」と、改善の記録から、数字が動かない工程 | 「返信は来るが、面接の設定に至る割合が低い」 |
| 三、その工程で、自分に足りないものを言葉にする | 知識か、型か、判断の仕方か | 「返信から面接の設定に進める会話の型が無い」 |
| 四、足りないものに対応する学びの対象を一つ選ぶ | 対象が広がったら、一つに戻す | 「候補者の返信への一次対応で、面接の設定に進める文面の型」 |
| 五、学ぶ手段を、対象に合わせて選ぶ | 案件の記録、同じ立場の人の判断、実務の書籍、講座の順で | まず自分の過去の返信の記録を見て、次に同じ立場の人の型を見る |
| 六、学んだことを、その工程の型に変える | 型の構造を更新し、次の案件で使う | 「返信の型に、面接の候補日を最初から提示する一文を足す」 |
逆算の要点は、「二」で記録から弱い工程を見つけることです。感覚で「全部足りない」と思っても、記録を見れば、弱い工程は一つか二つに絞れます。その工程に対応する学びだけを選べば、学ぶ対象は小さく、副業の枠に入り、型に変わります。記録の見方は数字で語るに、改善の記録は改善を回すに整理しています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「学び直すなら、体系的な講座を受けるべきだ」というものです。実際には、副業で成果が伸びている担当者の学びは、講座ではなく、自分の案件の記録と、同じ立場の人の判断の仕方から来ています。自分の記録で弱い工程を見つけ、その工程で上手い人がどう判断しているかを見て、自分の型に一つ取り入れる。それを月に一つ繰り返しています。講座を受けた人が、それより速く伸びているわけではありません。
見ていて差がつくのは、学んだことを「型に変えたか」です。型に変えた人は、次の案件で動き方が変わり、記録の数字が動き、依頼側に成果として届きます。型に変えなかった人は、知識は増えても動き方が同じで、記録の数字も同じです。エラベルでは、担当者の型の改良を、案件の記録を起点に月に一つ回す形をお願いしています。学び直しは、知識を増やすことではなく、型を一つ変えることです。
学ぶ手段の選び方
学ぶ手段は、対象に合わせて選びます。順番があり、講座は最後です。
| 手段 | 向く対象 | 要点 | 時間と費用 |
|---|---|---|---|
| 一、自分の案件の記録 | 自分の型の弱い場所。過去にうまくいった判断 | 稼働ログの判断のメモ、改善の記録、返信の履歴(依頼側の仕組みの中で)を見返す。自分の中にある材料 | 無料。短時間 |
| 二、同じ立場の人の判断の仕方 | 型の構造、判断の仕方 | 判断の仕方を発信している人の型を見て、構造だけを取り入れる。その人の依頼側の情報は含まれていないか見る | 無料。短時間。同じ立場の仲間を作る |
| 三、実務の書籍 | 体系的な型、一般的な進め方 | 自分の範囲の工程に関わる章だけを読む。全部を読まない | 少額。数時間 |
| 四、公的な機関の案内 | 法令に関わる場面の一覧、採用の一般的な案内 | 解釈ではなく、場面の一覧として。法改正の追い方 | 無料。短時間 |
| 五、依頼側の型 | 依頼側が持っている型、依頼側の社内の上手い人の進め方 | 案件の中で、依頼側の型を学ぶ。依頼側の情報なので、構造だけを自分の側に | 案件の中で。事例を流用しない |
| 六、講座 | 体系を一から学びたい領域。自分の範囲に無い領域に広げたいとき | 範囲を広げる段階で。範囲の中の学びには、一から五で足りることが多い | 費用と時間がかかる。副業の枠に入るか |
手段の要点は、「一」の自分の案件の記録が、最初で最も効く手段だということです。自分の記録には、うまくいった判断とうまくいかなかった判断が残っていて、それを見返すだけで、型の弱い場所と直し方が見えます。記録が無いと、この手段が使えず、講座から入ることになります。記録の付け方は稼働ログの付け方に書いています。講座の費用が経費になるかは経費にできるものを見たうえで、専門家にご確認ください。
学んだことを型に変える手順
学んだことは、型に変えて初めて副業に活きます。変える手順です。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 一、学んだことを、自分の言葉で一文にする | 「返信が来たら、最初の返答で面接の候補日を提示する」のように、動き方として |
| 二、自分の型のどこに入るかを決める | 文面の型の結び、返信の型の冒頭、手順の何番目、のように |
| 三、型の構造を一つ更新する | 型の文書(依頼側の情報を抜いた構造)に、一文か一項目を足す |
| 四、次の案件か、今の案件の次の月で使う | 更新した型で動く。依頼側の型に合わせる部分は合わせる |
| 五、記録で結果を見る | 変えた工程の数字が動いたかを、翌月の記録で見る。改善を回す |
| 六、効いたら残し、効かなければ戻す | 効いた学びは型に残り、効かなかった学びは「自分の案件では効かない」という判断として残す |
変える要点は、「一」で学んだことを動き方の一文にすることです。「候補者対応の重要性を学んだ」は動き方ではなく、型に変えられません。「最初の返答で候補日を提示する」は動き方で、型に足せます。学んだことを動き方の一文にできないなら、それは副業の型には変わらない学びで、優先を下げます。型の構造の持ち方は事例を流用しないに整理しています。
副業の枠に収める時間の置き方
学び直しの時間は、副業の枠の中で、案件の稼働を削らない形で置きます。
| 置き方 | 内容 |
|---|---|
| 月に一度、改善の日と同じ日に | 稼働報告、改善、情報収集と同じ日に、学びの対象を一つ決め、記録を見返す |
| 時間は枠の一割まで | 案件の稼働が優先。学びの時間が枠の一割を超えたら減らす |
| 対象は一度に一つ | 二つ以上を並行して学ばない。一つを型に変えてから次 |
| 手段は短時間のものから | 記録の見返し、発信の一つ、書籍の一章。講座はまとまった時間が要るので、案件の稼働に余裕がある時期だけ |
| 案件の稼働が減ったら、学びを先に減らす | 学びは案件の稼働の余りで。削るのは学び |
| 学びの記録を残す | 何を学び、型のどこを変え、結果がどうだったかを、判断のメモに |
置き方の要点は、「案件の稼働が減ったら、学びを先に減らす」ことです。学びは自分の判断で減らせ、案件の稼働は依頼側との約束です。両方を保てないなら、学びを止めて案件を守ります。学びを止めても、案件の記録は溜まり、それが次の学びの材料になります。稼働の優先は複数案件のスケジュール管理に書いています。
学び直しが要らない場合
学び直しが要らない、または後回しでよい場合があります。焦って学ばなくてよいことを知っておきます。
| 場合 | なぜ要らないか |
|---|---|
| 記録の数字が動いていて、依頼側の評価も安定している | 型が機能している。学ぶより、型を回し続けるほうが成果になる |
| 止まっている工程が、依頼側の範囲にある | 自分の範囲の外の停滞は、自分が学んでも動かない。成果が見えない |
| 案件の最初の数か月 | 学びより、依頼側の型を覚え、最初の成果を出す時期。案件の最初の時期の進め方 |
| 本業の繁忙期 | 副業の枠が減る時期に、学びの時間は取れない。案件の維持が先 |
| 「知識が古い気がする」だけで、具体の止まりが無い | 感覚の不安で学ぶと、対象が広がる。記録で止まりを確かめてから |
| 範囲を広げる予定が無い | 今の範囲の型が回っているなら、範囲の外の知識は要らない |
要らない要点は、「『知識が古い気がする』は、学ぶ理由にならない」ことです。感覚の不安で学び始めると、対象が広がり、型に変わらず、案件の稼働を削ります。記録を見て、止まっている工程があるかを確かめ、無ければ学ばずに型を回し続けます。あれば、その工程に絞って学びます。不安の扱いは続かない人の共通点にも書いています。
学びと稼働の順番
学びと案件の稼働の順番を、決めておきます。順番が逆になると、両方が崩れます。
| 順 | 内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 一、案件の稼働を回す | 候補者への返信、型の作業、報告 | 依頼側との約束。最優先 |
| 二、記録を付ける | 稼働ログ、判断のメモ、改善の記録 | 学びの材料になる。付けていれば、学びは記録から始められる |
| 三、月に一度、記録で弱い工程を見る | 改善の日に | 学ぶ対象が一つに絞れる |
| 四、対象を一つ決めて、短時間の手段で学ぶ | 記録の見返し、同じ立場の人の型、書籍の一章 | 副業の枠に入る |
| 五、型に変えて、次の月で使う | 型の構造を一つ更新 | 学びが成果に変わる |
| 六、結果を記録で見て、残すか戻す | 翌月の改善の日に | 効いた学びだけが型に残る |
順番の要点は、「学びは、稼働と記録の後に来る」ことです。稼働を回して記録を付けていれば、学びは記録から自然に始まり、型に変わり、結果が見えます。稼働を止めて学びに時間を使うと、記録が止まり、学びの材料が無くなり、講座から入ることになります。学びは、稼働の副産物として回します。
エラベルの見解
担当する側から見ると、副業で動き方が良くなり続けている人は、講座に通っている人ではなく、自分の案件の記録を月に一度見返し、弱い工程を一つ見つけ、同じ立場の人の型か書籍の一章で学び、自分の型を一つ変え、次の月に結果を見ている人です。学びが型に変わり、型が記録の数字を動かし、数字が依頼側への成果になっています。講座で知識を増やした人が、それより動き方が良くなっているわけではありません。
順番として、案件の稼働を回し、記録を付け、月に一度、記録で弱い工程を見て、学ぶ対象を一つに絞り、短時間の手段で学び、動き方の一文にして型を一つ更新し、次の月で使い、結果を記録で見る。案件の稼働が減ったら、学びを先に減らす。この順番で、学び直しは知識を増やすことではなく、型を一つずつ変えることになります。エラベルでは、担当者の型の改良を、案件の記録を起点に月に一つ回す形をお願いしています。学び直しの成果は、学んだ量ではなく、変わった型の数です。
まとめ
- 学び直しは自分の範囲で止まっている工程から逆算して、対象を一つに絞る。講座や体系から入ると空回りする
- 空回りするのは止まっている場所を記録で見ずに、感覚で広く学ぶから
- 手段は自分の案件の記録→同じ立場の人の判断→実務の書籍の一章→公的な案内→依頼側の型→講座の順。記録が最初で最も効く
- 学んだことは動き方の一文にして、型の構造を一つ更新し、次の月で使い、結果を記録で見る
- 時間は月に一度、改善の日と同じ日に、枠の一割まで、一度に一つ。案件の稼働が減ったら学びを先に減らす
- 「知識が古い気がする」は学ぶ理由にならない。記録で止まりを確かめてから
- 順番は稼働→記録→弱い工程→対象を一つ→学ぶ→型に変える→結果を見る
よくある質問
自分の範囲を広げたいので、範囲の外の領域を学びたいです
範囲を広げる学びは、今の範囲の型が回っていて、記録の数字が安定していることが前提です。安定していれば、次に足したい工程(求人票、面接の準備、型づくりなど)を一つ決め、その工程で上手い人の型と、実務の書籍の関わる章から学び、小さい案件か今の案件の更新で、その工程を足す形にします。範囲の外の領域を体系から学ぶ(講座など)のは、足したい工程が決まり、案件で使う見込みが立ってからにします。範囲の広げ方は次の案件へ広げるに整理しています。
依頼側から「もっと勉強してほしい」と言われました
「勉強」が何を指すかを確かめます。多くの場合、依頼側の「勉強」は、依頼側の業界や職種の知識、依頼側の型や運用への理解、媒体の使い方のどれかで、講座で学ぶ体系ではありません。「御社の〇〇について、もう少し理解を深めたいので、〇〇の資料や、社内の詳しい方の話を伺えますか」と、依頼側の中で学ぶ形にすれば、依頼側の期待に合い、案件の中で学べます。依頼側の情報は、案件の中で使い、外に出しません。依頼側の期待の確かめ方は期待値のすり合わせに書いています。
学んだことを、発信や経歴に書いてよいですか
学んだことを型に変え、自分の判断の仕方になったものは、依頼側の情報を含まない形で発信に書けます。「返信が来たら、最初の返答で面接の候補日を提示する形にしている」のような、動き方としてです。「〇〇の講座を受けた」「〇〇の本を読んだ」だけでは、依頼側にとっての判断の材料にならず、経歴の売りにもなりません。経歴には、学んだことより、学んだことで変わった型と、その型で担当した工程を書きます。発信の種は発信のネタの見つけ方に整理しています。