人事副業 / 案件獲得
断り方|人事の副業で、打診・面談・稼働中・紹介の四つの場面で、関係を保ったまま断る言い方
副業を始めると、断る場面が思ったより多く来ます。合わない打診、面談で範囲がずれた案件、稼働中に増える範囲外の依頼、知人からの紹介。案件が欲しい時期は断れず、受けたあとに範囲と時間が崩れます。逆に、断り方を誤ると、依頼側や紹介者との関係が切れ、次の経路が消えます。結論を先に書くと、断る理由は「範囲の違い」か「時間の違い」のどちらかにし、相手の良し悪しにせず、代わりに出せるものを一つ添えると、四つの場面のどれでも関係を保ったまま断れます。断る理由が相手の評価になった瞬間に、関係は傷みます。範囲の考え方は案件の範囲の決め方に、稼働中の範囲の広がりへの対応はスコープクリープへの対応にまとめています。
断る理由は二つだけにする
どの場面でも、断る理由を二つに絞ると、言いやすく、相手も受け取りやすくなります。
| 理由 | 言い方 | 相手の受け取り方 |
|---|---|---|
| 範囲の違い | 「お任せいただきたい範囲と、私がお受けできる範囲が違うので」 | 自分たちが悪いのではなく、合わなかっただけ |
| 時間の違い | 「いま固定している稼働の枠と、ご希望の稼働が合わないので」 | 同上 |
使わない理由も整理しておきます。
| 使わない理由 | なぜ使わないか |
|---|---|
| 「御社の採用の進め方が」「ご担当の方が」 | 相手の評価になる。関係が傷む |
| 「単価が安いので」 | 単価の話は交渉であって断りではない。断るなら範囲か時間で |
| 「大変そうなので」「難しそうなので」 | 自分の能力の話になり、次の打診が来なくなる |
| 「気が進まないので」 | 理由にならない |
| 「本業が忙しいので」 | 時間の違いに言い換える。「忙しい」は一時的に聞こえ、後で再打診が来る |
理由の要点は、「範囲か時間の違いは、誰も悪くない」ことです。相手も自分も悪くない理由で断れば、相手は次の機会にまた声をかけられます。
場面ごとの断り方
四つの場面で、断り方の型を示します。
打診を断る(面談の前)
登録先や紹介で打診が来て、条件の時点で合わないとき。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 一 | 早めに返す。打診を放置しない。数日以内 |
| 二 | 礼を一言。「お声がけありがとうございます」 |
| 三 | 理由を範囲か時間で一文。「ご希望の範囲が、いまお受けしている業務と違うため」 |
| 四 | 代わりに出せるものを一つ。「〇〇(自分の業務)の範囲でしたら、改めてご相談ください」 |
| 五 | 終わり。長く書かない |
面談のあとに断る
面談で話を聞いて、範囲・判断・支払いの仕組みなどが合わないと分かったとき。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 一 | 面談の翌日までに返す。持ち越すと相手が動き出す |
| 二 | 面談の礼を一言 |
| 三 | 理由を範囲か時間で一文。「お話を伺い、判断を含む範囲までお任せいただく形でしたので、私の範囲と合いませんでした」 |
| 四 | 代わりに出せるものを一つ。「範囲を〇〇までに絞っていただける場合は、改めてお受けできます」 |
| 五 | 紹介者がいれば、紹介者にも同じ理由で一言 |
稼働中の範囲外の依頼を断る
依頼側から「これもお願いできる?」と来たとき。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 一 | その場で受けない。「一度持ち帰ります」でもよい |
| 二 | 書面の範囲を示す。「書面の範囲は〇〇までで、それは含まれていません」 |
| 三 | 区切りに送る。「区切りで、範囲と時間を見直すときに、あわせてご相談させてください」 |
| 四 | 代わりに出せるものを一つ。「いまの範囲の中で、〇〇まではできます」 |
| 五 | 記録に残す。区切りの一覧に入れる |
紹介を断る
知人や依頼側から紹介された案件が合わないとき。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 一 | 紹介者に、紹介の礼を先に |
| 二 | 紹介先に、範囲か時間の違いで断る。紹介者の名前は出しても、紹介者のせいにしない |
| 三 | 紹介者に、断ったことと理由(範囲か時間)を一言。「範囲が合わずお受けできませんでした。ご紹介はありがたかったです」 |
| 四 | 代わりに出せるものを紹介者に。「〇〇の範囲の会社があれば、また教えてください」 |
場面の要点は、「四つとも、代わりに出せるものを一つ添える」ことです。断りだけで終わると、相手は「この人には頼めない」となります。代わりを添えると、「この範囲なら頼める」と残ります。知人紹介で受けるときの注意を参照してください。
エラベルの見解
登録の相談で多いのは、「断れずに受けた案件が、範囲も時間も崩れて、結局途中で終えることになった」という話です。最初に断っていれば、関係は保てたのに、受けて途中で終えたことで、依頼側からの評価も、紹介の経路も失っています。断ることは、関係を切ることではなく、受けて崩すことを避ける手段です。
見ていて差がつくのは、「断る理由を、範囲か時間の違いに固定しているか」です。「御社の進め方が」「担当の方が」と言った瞬間に、相手の評価になり、関係が傷みます。「範囲が違う」「時間が合わない」なら、誰も悪くない。この固定ができている人は、断っても次の打診が来ます。エラベルの登録でも、条件が合わない案件を範囲か時間で断った人には、条件が合う次の案件をお伝えしていますが、相手の評価で断った人には、依頼側から「また頼みたい」という声が戻りにくい。
代わりに出せるもの
断るときに添える「代わり」の型を、場面ごとに整理します。
| 場面 | 代わりに出せるもの |
|---|---|
| 打診 | 「〇〇の範囲なら」「〇か月後の枠なら」「同じ業務で範囲を絞っていただけるなら」 |
| 面談のあと | 「範囲を〇〇までに」「判断を御社で持っていただけるなら」「稼働を〇曜の夜に合わせていただけるなら」 |
| 稼働中の範囲外 | 「いまの範囲の中で〇〇まで」「区切りで範囲を見直すときに」「型を残しておくので、御社で回せる形に」 |
| 紹介 | 「〇〇の範囲の会社があれば」「時期が合えば」 |
代わりの要点は、「条件付きの受け入れ」の形にすることです。「この条件なら受けられる」と示せば、相手は条件を整えるか、諦めるかを選べます。どちらでも、関係は保てます。
断ったあとの関係の保ち方
断ったあとに、関係を保つための動きを、番号付きで整理します。
- 断ったことを、記録に残す。 相手、理由、代わりに出したもの。同じ相手から再打診が来たときに、前回と一貫した対応ができる。
- 紹介者には、結果を一言。 断った場合も、始まった場合も、紹介者には報告する。
- 登録先の運営には、断った理由を範囲か時間で伝える。 次の打診の精度が上がる。
- 断った相手に、条件が変わったら再打診してよいと伝えてある場合は、その条件を覚えておく。
- 断った相手の悪口を、どこにも書かない・言わない。 発信、コミュニティ、別の依頼側。狭い業界では伝わる。
- 断った数が増えたら、登録の範囲と時間を見直す。 合わない打診が多いなら、登録の書き方がずれている。プロフィールの書き方
保ち方の要点は、「六で、断った数を登録の見直しに使う」ことです。断る場面が多いのは、登録の範囲と時間が曖昧で、合わない打診が来ているからです。登録を具体的にすれば、断る場面自体が減ります。
断れない構造と直し方
断れない人には、構造があります。構造ごとに直し方を整理します。
| 構造 | 起きていること | 直し方 |
|---|---|---|
| 案件が無い | 断ると次が無いと思う | 登録先の経路を持ち、打診が来る状態を作る。一つ断っても次がある |
| 範囲が決まっていない | 断る根拠が無い | 含むことと含まないことを書面に。書面を示せば断れる |
| 関係を壊したくない | 断ることが関係を切ると思う | 範囲か時間の違いで断れば、関係は切れない。受けて崩すほうが切れる |
| 紹介者の顔を立てたい | 断ると紹介者に悪い | 紹介者には理由を一言。範囲か時間なら紹介者の顔は潰れない |
| その場で答えてしまう | 頼まれた瞬間に「はい」 | 「一度持ち帰ります」を口癖に。その場で受けない |
| 断る言葉を持っていない | 何と言えばよいか分からない | 四つの場面の型を、言い回しごと覚える |
| 収入を増やしたい | 受ければ収入になる | 崩れた案件は収入にならない。増やすタイミングは別に決める。案件を増やすタイミング |
構造の要点は、「範囲が決まっていないと、断る根拠が無い」ことです。範囲を書面に書いてあれば、「書面の範囲外なので」と言えます。書面が無いと、断る理由が自分の気持ちになり、言いにくくなります。
エラベルの見解
担当する側として登録した人の話を聞くと、長く続いている人は、断ることに慣れています。合わない打診は数日以内に範囲か時間で断り、稼働中の範囲外は区切りに送り、紹介が合わなければ紹介者に一言添えて断る。断った相手から、条件を変えて再打診が来ることも多い。断ることが、条件を整えてもらう入口になっています。
依頼側から見ると、範囲か時間の違いで断られることは、不快ではありません。「この人は範囲を守る人だ」と分かり、条件が合えばまた頼もうと思います。エラベルは、範囲と時間を書いた登録に、条件が合う案件のときだけご連絡する窓口なので、登録が具体的であれば、断る場面はそもそも少なくなります。それでも合わない案件が来たときは、範囲か時間の違いで断っていただければ、次の案件をお伝えしやすくなります。断り方は、関係を守る技術です。
まとめ
- 断る理由は範囲の違いか時間の違いの二つだけ。相手の評価、単価、能力、気持ちを理由にしない
- 四つの場面(打診・面談のあと・稼働中の範囲外・紹介)とも、礼→理由一文→代わりを一つ→短く終える
- 稼働中の範囲外はその場で受けず、書面の範囲を示し、区切りに送る
- 代わりは条件付きの受け入れの形。「この条件なら受けられる」
- 断ったあとは記録・紹介者に一言・運営に理由・悪口を言わない・断った数で登録を見直す
- 断れないのは範囲が決まっていない・その場で答える・言葉を持っていない構造。書面と型で直す
よくある質問
断ったあと、同じ相手から条件を変えて再打診が来ました。受けてよいですか
条件が、断ったときに出した「代わり」と合っていれば、受けられます。「範囲を〇〇までに絞っていただけるなら」と伝えていて、絞ってきたなら、面談で四つの条件(型・成果物・期間・判断)を改めて確認して、書面にします。前回断った理由が解消されているかを、口頭ではなく書面で確かめてから始めてください。再打診は、断り方が正しかった証拠です。
稼働中に、判断する人(経営者)から直接、範囲外の依頼が来ました。担当に断ってもらえますか
担当に任せず、自分で断ります。ただし、担当を飛ばさない形で。「〇〇さん(担当)とも共有させていただき、区切りで範囲を見直すときにあわせてご相談させてください」と、経営者に返し、担当にも同じ内容を送る。経営者からの依頼を担当が断ることは難しく、担当に任せると担当の立場が悪くなります。自分が書面の範囲を示して区切りに送れば、経営者も担当も、誰も悪くなりません。
断ることが多くて、登録先の運営に嫌がられないか心配です
断る理由を範囲か時間で伝えていれば、運営はそれを次の打診の精度に使います。「この人は〇〇の範囲だけ、〇曜の夜だけ」と分かれば、合う案件だけを打診できます。嫌がられるのは、理由を言わずに断る、返事が遅い、受けたあとに崩す、の三つです。断ること自体は問題ではありません。断る数が多いなら、登録の範囲と時間を見直して、合わない打診が来ないようにするほうが、運営にとっても自分にとっても楽になります。