採用代行 / SES

SES業界の採用課題|人が採れない原因を分解する

公開 2026-09-22

SES業界の会社が「出せる人がいない」と言うとき、その言葉には五つの違う問題が混ざっています。採る数が案件の見込みではなく「待機が何人まで許せるか」で決まり、要件が「案件に出せる人」のままで対象が絞れず、同業のSESに動く理由が文面に無く、未経験を採るのに育てる体制が無く、待機中に人が離れる。どれが原因かで、直す場所も、外に出せるかも変わります。結論を先に書くと、SES業界の採用課題は、採る数の根拠・案件の型・動く理由・育てる体制・待機の五つに分解し、自社の記録(稼働と待機の人数、案件の見込み、書類と面接の一致、返信の数、離職の時期)で詰まりを一つに特定してから直します。「出せる人がいない」を一つの問題として扱うと、媒体と紹介会社を増やして採り、待機が増えて費用が出て、採用を止め、次の案件で人がいない、を繰り返します。代行に出す工程の切り分けはSES業界の採用代行に、SIer業界との違いはSIer業界の採用課題に書いています。ここでは、SES業界の課題を分解する順番に絞ります。

「出せる人がいない」に混ざっている五つ

課題現れ方記録で見えること
採る数の根拠採ると待機が増え、止めると人が足りない、の往復稼働・待機の人数と、案件の見込みの一枚が無い
案件の型応募は来るが、面接で「出せる案件が無い」書類で○の人が面接で通らない。要件が「案件に出せる人」
動く理由経験者からスカウトの返信が来ない。来ても「自社開発に行きたい」返信の数。辞退の理由
育てる体制未経験を採ったが、研修の途中で離れる。研修後に案件に出せない研修中の離職。研修後の待機
待機案件の合間に離れる。待機中に他社へ離職の時期が待機の期間と重なる

五つは同時に起きることもありますが、直すのは一つずつです。

分解の順番

見ること判断
稼働・待機の人数と、案件の見込みの一枚があるか無ければ採る数の根拠。これが最初
書類の○と面接の一致○が面接で通らないなら案件の型
返信の数と辞退の理由少なければ動く理由
研修中と研修後の離職と待機多ければ育てる体制
離職の時期と待機の期間の重なり重なっていれば待機

一が無い会社では、二以降を見ても採る数が決まらないので、一から作ります。

エラベルの見解

SES業界で最も多い詰まりは「採る数の根拠」です。営業が「来月から三人出せる案件がありそう」と言い、採用が三人採り、案件が遅れて三人が待機し、費用が出て、経営者が採用を止め、案件が動いたときに人がいない。この往復は、採用の問題ではなく、案件の見込みと採用の一枚がつながっていないことから起きます。直すのは、案件の型ごとに「稼働の人数・待機の人数・見込みの案件と時期・見込みの確度」を一枚に並べ、採る数と時期をそこから決めることです。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「いまの採用の数は、どの一枚から決まっていますか」を、私たちから先に聞いています。一枚が無ければ、代行の前に一枚を作ります。作り方は要員計画と採用計画がつながっていないに書いています。

採る数の根拠の課題:待機の許容で決まっている

状態直し方
営業の感覚で採る数を決める案件の型ごとに、稼働・待機・見込み・確度の一枚を月次で
見込みの確度を見ていない「確定」「高い」「低い」で分け、確定と高いだけを採る数の根拠に
採る時期が見込みの時期と合っていない募集の開始から入社までの日数を過去の記録から出し、見込みの時期から逆算
待機の費用だけを見て止める待機を「次の案件までの育成の期間」として設計し、上限を決める

一枚は営業と採用と経営者が同じものを見る形にします。営業の見込みが採用に伝わらない会社では、代行を使っても採る数が読めません。

案件の型の課題:「案件に出せる人」のまま

ずれている要件直した要件
「案件に出せる人」「〇〇業界の〇〇の工程の案件に、〇〇の経験で出せる人」
「SE経験〇年」「〇〇の工程を担った経験。〇〇の技術の範囲」(年数は歓迎に)
「幅広く対応できる人」型ごとに要件を分ける。一人で全部の型に出せる人を探さない

案件の型は、過去に出した案件を「業界・工程・常駐の形」で三つ程度に分けると作れます。型があれば、案件が個別に決まっていなくても、要件は絞れます。要件の作り方は採用要件の定義の進め方に書いています。

動く理由の課題:同業に動く理由が無い

候補者の層動く理由自社の実態で対応できるか
案件の選び方に不満案件の型を選べる、希望を聞く仕組み実態にあるか
単価と還元の考え方に不満還元の考え方が明確実態を説明できるか(額ではなく考え方)
育つ道筋が無い待機中の育成、資格や技術の支援実態にあるか
常駐先で孤立社内の相談先、定期の接点実態にあるか
自社開発に行きたいSESでは対応できない対象から外す

「SESからSESに動く理由」は、自社の実態の中にしか作れません。単価や還元の額を文面に書いて差を出すのではなく、考え方と仕組みの実態で差を出します。動く理由の作り方は自社紹介はどこまで書くかに書いています。

エラベルの見解

SES業界で見落とされやすいのは「待機」の課題です。待機の期間を「案件が無い間」として放置すると、本人は「自分は要らないのでは」と感じ、待機中に他社へ移ります。待機を「次の案件の型に向けた育成の期間」として設計し、教える人と中身と期限を決めておくと、待機は離職の理由ではなく、育つ道筋の一部になります。それは「SESに転職する理由」にもなります。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「待機中の方は、何をしていますか」を、私たちから先に聞いています。答えが「自習」なら、待機の設計が要ります。受け入れと育成の考え方は入社後のオンボーディングの進め方に書いています。

育てる体制の課題:未経験を採るのに体制が無い

状態直し方
研修の中身と教える人が決まっていない「誰が、何を、どのくらいの期間」を一枚に。体制で受け入れられる数だけ採る
研修後に出す案件の型が無い研修の到達点を、案件の型の要件と揃える
研修が座学だけ研修の後半で、案件の型に近い実務を
研修中の離職を見ていない離職の時期と理由を記録し、研修の設計に戻す

未経験の採用は、母集団より育てる体制で決まります。体制が無ければ、経験者の採用に絞る判断もあります。体制の考え方は新卒採用の実務の進め方に書いています。

待機の課題:案件の合間に離れる

状態直し方
待機中が「自習」次の案件の型に向けた育成の中身と、教える人と、期限を決める
待機中に社内との接点が無い週次の短い接点。相談先を決める
待機の上限が無い上限の期間を決め、超える前に営業と採用の一枚に戻す
待機の費用だけを見る待機を育成の投資として、上限の中で設計する

外に出せる部分と社内で直す部分

課題外に出せる部分社内で直す部分
採る数の根拠募集から入社までの日数の記録稼働・待機・見込みの一枚。営業と採用の共有
案件の型型ごとの要件を「経歴で読める言葉」に整える作業型を決める
動く理由文面と求人票に落とす作業実態を語る。仕組み(案件の選び方、還元の考え方)を作る
育てる体制受け入れの型の設計教える人と中身と期間
待機接点の型待機中の育成の設計と上限

どの課題にも社内で直す部分があります。機能する条件と機能しない条件はSES業界で採用代行が機能する条件・機能しない条件に書いています。

法令上の整理は専門家に

派遣と請負の線引き、常駐先での指揮命令の扱い、待機中の労務の扱いは、法令上の整理があると一般に整理されていて、採用の課題の分解の前提になります。求人票や面接で候補者に説明する内容にも関わるため、専門家(社労士等)の確認を経た内容で進めます。個別の判断は専門家にご確認ください。線引きの考え方は採用代行と人材派遣の違いに書いています。

まとめ

よくある質問

営業と採用が別で、見込みが採用に伝わりません

月次の会議でなくても、「案件の見込みが立ったら、営業から採用の担当に一言」の形から始めます。一言が「稼働・待機・見込み」の一枚に入れば、採る数と時期が読めます。一枚は営業・採用・経営者が同じものを見る形にし、月に一度、三者で見直します。仕組みは後から整えればよく、最初は一言の習慣で足ります。

単価の還元の考え方を文面に書いてよいですか

還元の「考え方」と「仕組み」(どう決まるか、どう見えるか)は書けます。額や率を書く場合は、実態と一致していること、変わったときに更新すること、他社との比較で誤解を生まないことを、会社の判断と専門家の確認で決めます。額で差を出す文面は、他社が額を上げれば効かなくなります。考え方と仕組みと育つ道筋で差を出すほうが、続きます。

待機が長引いた人を、どうすればよいか分かりません

待機の上限を決めていない状態です。上限を決め、上限の中では次の案件の型に向けた育成を設計し、上限を超える前に営業と採用の一枚に戻して、案件の見込みと採る数を見直します。個別の人の処遇(配置、労務の扱い)は会社の判断と専門家の領域で、採用の課題の分解の外です。採用の側でできるのは、待機を生む採る数の根拠を直すことです。