人事副業 / 採用SNSの運用
採用SNSの運用の副業案件|求められる経験と進め方
採用SNSの運用は、「SNSに慣れている人」が集まりやすい副業案件です。採用のアカウントを作ったが放置されている、募集の告知ばかりで誰も見ない、コメントに返せていない、社員に頼んだが続かない。その状態で外に出されます。ただ、「フォロワーを増やす仕事」「バズる投稿を作る仕事」と思って受けると、反応の数は増えても応募は変わらず、社員の言葉でない投稿が並び、三か月で「効いていない」と終わります。結論を先に書くと、採用SNSの運用の副業案件は、「投稿の作成と予約だけ」「企画から聞き出しと投稿まで」「一次対応と記録を含む運用一式」「型作りと引き継ぎ」の四つの型に分かれ、求められるのは、決めた頻度で続けた経験、社員の言葉で書けること、コメントの一次対応の型、面接で「見た」と言われたかを記録した経験の四つです。進め方は、場と名義と発信しない情報と承認と顔出しの方針を会社に決めてもらう→候補者が知りたい五つで月の予定表を作る→社員への月一の十分の聞き出し→社員の言葉で投稿を作って承認→予約と投稿→一次対応と取り次ぎ→記録→三か月ごとの振り返り、の順で、場と名義・発信しない情報・公開の承認・批判への対応の判断は会社、本人の言葉でない投稿を本人名義で出さず、同意なく出さず、個人のアカウントと混ぜない線を先に引いておきます。会社側の考え方はSNS採用で何を出すかとSNS採用の運用代行に、自分の発信の線は発信で書いてはいけないことに、副業全体の始め方は人事の副業の始め方に書いています。ここでは、採用SNSの運用の案件に絞ります。
採用SNSの運用の案件の四つの型
募集文は「採用SNS運用」「採用広報のSNS担当」「SNS採用の立ち上げ」と書かれていることが多いですが、任される範囲は四つに分かれます。受ける前に、どの型かを確かめます。
| 型 | 任される範囲 | 依頼側が持つこと | 受ける側の稼働の性質 |
|---|---|---|---|
| 投稿の作成と予約だけ | 会社が出した素材と企画で、投稿の文と画像を作り、承認を得て予約する | 企画、素材、承認、コメントの対応 | 週に数本で区切れる。素材が来ないと止まる |
| 企画から聞き出しと投稿まで | 候補者が知りたい五つで月の予定表を作り、社員に聞き出し、投稿にして承認を得て予約する | 承認、社員の時間、コメントの対応 | 月の予定表と、社員への聞き出しの時間が要る |
| 一次対応と記録を含む運用一式 | 企画から投稿までに加え、コメントとDMの一次対応と会社への取り次ぎ、面接で「見た」と言われたかの記録 | 承認、批判やトラブルへの対応の判断 | 平日に一次対応の確認が要る。批判が来たら当日に報告 |
| 型作りと引き継ぎ | 投稿の型、月の予定表の型、聞き出しの質問、承認の流れ、一次対応の流れ、記録の表を作り、社内で回せるようにする | 以後の運用 | 期間が決まっている。終わったら手を離す |
止まりやすいのは、「投稿の作成と予約だけ」で受けたのに、素材が来ず、自分で会社の魅力を書き始めるときです。社員の言葉でない投稿は、続けても応募に効きません。素材が来ないなら、聞き出しの工程を範囲に入れることを提案します。
求められる経験を棚卸しする
依頼側が見ているのは、「SNSに詳しいか」「フォロワーが多いか」ではなく、「候補者が調べたときの受け皿を、社員の言葉で、続けて作れるか」です。社内や自分で運用した経験を、四つに分けて棚卸しします。
| 経験 | 依頼側にとっての意味 | 棚卸しの書き方 |
|---|---|---|
| 決めた頻度で続けた経験 | 週に一〜二回を、半年、一年と続けられる。途切れない仕組みを持っている | 何を、どの頻度で、何か月続けたか。途切れなかった工夫(予定表、素材の置き場) |
| 社員の言葉で書ける | 会社の説明ではなく、社員が話したことを、その人の言葉で短くできる | 聞き出しの問いと、投稿にした例(会社が特定できない形で) |
| 一次対応の型 | コメントとDMに、決めた範囲で返し、範囲外は会社に取り次ぐ。批判は返さず報告する | 一次対応の範囲と、取り次ぎの流れ |
| 面接で「見た」かを記録した経験 | 反応の数ではなく、面接で「見た」と言われたか、サイトへ流れたか、辞退の理由が変わったかを記録した | 何を記録して、投稿の型をどう変えたか |
いちばん差がつくのは一つ目です。採用SNSで最も多い失敗は「続かない」ことで、担当者が変わるたびに止まります。週に一〜二回を、予定表と素材の置き場で回して続けた経験がある人は、それだけで選ばれます。
エラベルの見解
担当する側から見ると、採用SNSの案件は、「場と名義が決まっているか」で難易度が変わります。会社の採用アカウントで、会社の名義で出すのか、経営者や社員の個人名義で出すのか。決まっている会社では、担当者は投稿の型と頻度に集中できます。決まっていない会社では、「経営者の名前で出したい」と言われ、経営者の言葉でない投稿を経営者の名前で出す形になり、読む側に見抜かれ、経営者も途中で嫌がります。エラベルで担当者を選ぶ企業に、私たちがまず聞くのは「どの場で、誰の名義で出しますか。個人名義なら、本人が書く時間はありますか」です。個人名義で本人が書けない会社には、会社名義に変えるか、本人が話したことを本人が確認して出す形にしてもらいます。受ける側がその場で使える判断としては、受ける前に「名義は誰で、本人はどこまで関わりますか」と聞くこと。「名前だけ貸すので全部書いて」なら、受け方を考え直します。
進め方の順番
| 順 | やること | ここで決めておくこと |
|---|---|---|
| 一 | 場と名義、発信しない情報、公開の承認、顔出しの方針、批判やトラブルの流れを会社に決めてもらう | 五つが無いなら、投稿の前に決める |
| 二 | 月の予定表(候補者が知りたい五つ:役割の中身・一緒に働く人・働き方の実態・選考の流れ・会社が向かう先、を型に沿って配分) | 週の本数。募集の告知の割合(多くしない) |
| 三 | 社員への聞き出し(月に一度、十分。「昨日の午後」「最近時間がかかった仕事」など場面を聞く) | 聞き出しに応じる社員と時間の確保は会社 |
| 四 | 投稿の作成と承認(社員の言葉で短く。良く見せない。承認は当日を目安に) | 承認する人と期限。個人名義なら本人の確認 |
| 五 | 予約と投稿(予定表に沿って。素材は共有の場所に) | 予約の仕組み。素材の置き場 |
| 六 | 一次対応と取り次ぎ(コメントとDMに決めた範囲で返す。範囲外と批判は返さず当日に報告) | 一次対応の範囲。報告の相手 |
| 七 | 記録(投稿の型、反応、サイトへの流れ、面接で「見た」と言われたか、辞退の理由の変化) | 記録を出す人。面接で聞いてもらえるか |
| 八 | 三か月ごとの振り返り(続いているか、五つが出せているか、面接で見たと言われたか。型を直す) | 振り返りの場と、決める人 |
止まりやすいのは、一を飛ばして投稿を始めるときです。発信しない情報(顧客、候補者、未公開のこと)の一覧と、批判が来たときの流れが無いまま始めると、最初のトラブルで運用が止まります。型の考え方はSNS採用で何を出すかに書いています。
外部の立場で踏み込まない線
採用SNSは、会社の名前か社員の名前で、毎週、世に出ます。線を先に引いておきます。
- 場と名義は会社が決める。 会社名義か個人名義か。個人名義なら、本人の言葉でない投稿を本人の名前で出さない。本人が話したことを、本人が確認してから出す
- 発信しない情報を出さない。 顧客の情報、候補者の情報、未公開の数字や開発中のもの、他の社員のこと、退職者のこと。会社の一覧に従う
- 公開の承認の前に出さない。 承認の期限が当日でも、承認を飛ばさない
- 批判やトラブルへの対応は会社が判断する。 一次対応で返さず、事実を整理して当日に報告する。削除、返答、放置の判断は会社
- 同意なく出さない。 社員の顔、名前、発言は、本人の同意を会社が取る。同意の記録を会社が残す
- 個人のアカウントと混ぜない。 自分のアカウントで会社の投稿を出さない、会社のアカウントで自分の発信をしない。ログインは専用の権限で、終了時に返す
- 良く見せない。 実態と違う働き方や雰囲気を出さない。募集に関わる表現には、一般に法令上の決まりや指針があると整理されているので、最終確認は会社と専門家に。個別の判断は専門家にご確認ください
- 反応を社員に求めない。 社員に「いいね」や拡散を強制しない。強制は会社の方針でも、担当者は関与しない
線の詳細は発信で書いてはいけないこととアカウントの管理と副業で法令違反をしないためにに書いています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、依頼側の「フォロワーが増えれば応募が増える」と、受ける側の「反応の多い投稿を作れる人が選ばれる」の両方です。実際には、採用SNSは応募を集める場ではなく、候補者がスカウトや求人票を見て会社を調べたときの受け皿で、効くのは反応の数ではなく、社員の言葉で語られた投稿の割合です。同じ料金で同じ本数を任されても、結果が分かれるのは、担当者が「反応」と「面接で見たと言われたか」のどちらを追うかです。反応を追う担当者は、話題性のある投稿を増やし、フォロワーは増え、応募は変わらず、社員の言葉は減ります。面接で「見た」と言われたかを追う担当者は、反応が少なくても社員の日常の場面を出し続け、候補者が「この人たちと働く」と想像できる受け皿を作り、辞退の理由が変わります。受ける側がその場で使える判断としては、記録の表に「反応」の欄と「面接で見たと言われた投稿」の欄を分けること。反応が多くて面接で言われない投稿の型は、減らします。
向く人と向かない人
| 向く | 向かない |
|---|---|
| 週に一〜二回を、地味に続けられる | 話題になる投稿を作りたい |
| 社員の話を、その人の言葉で短くできる | 会社の魅力を自分の言葉で書きたい |
| 批判が来たとき、返さずに報告できる | すぐ返して収めたい |
| 反応より「面接で見たと言われたか」を追える | フォロワーの数で評価されたい |
| 平日に一次対応を短時間でも確認できる | 週末にまとめて見たい |
「すぐ返して収めたい」人は、批判への対応で事故を起こします。対応の判断は会社で、担当者は事実の整理と報告までです。
まとめ
- 採用SNSの案件は投稿の作成と予約だけ・企画から聞き出しと投稿まで・一次対応と記録を含む運用一式・型作りと引き継ぎの四つの型。受ける前に型と、場と名義を確かめる
- 求められるのは続けた経験・社員の言葉で書ける・一次対応の型・面接で見たかを記録した経験の四つ。SNSの詳しさとフォロワーの数ではない
- 進め方は場と名義と発信しない情報と承認と方針→五つで月の予定表→社員への月一の聞き出し→社員の言葉で投稿と承認→予約→一次対応と取り次ぎ→記録→三か月ごとの振り返り
- 線は個人名義で本人の言葉でない投稿を出さない・発信しない情報を出さない・承認の前に出さない・批判への対応は会社が判断・同意なく出さない・個人のアカウントと混ぜない・良く見せない・反応を社員に求めない
- 効くのは社員の言葉で語られた投稿の割合。記録は「反応」と「面接で見たと言われた投稿」を分ける
- 「名前だけ貸すので全部書いて」という個人名義の案件は、受け方を考え直す
よくある質問
経営者の名義で運用してほしいと言われました
本人の言葉でない投稿を本人の名前で出す形は、受けません。受けるなら、「月に一度、経営者に十分話してもらい、それを私が短くして、本人が確認してから出す」形にします。本人が確認する時間が取れないなら、会社名義に変えてもらうか、「採用担当」の名義にします。経営者の名義は効きますが、本人の言葉であることが前提で、そうでない投稿は読む側に見抜かれ、本人も途中で嫌がって止まります。
コメントで会社への批判が来ました
返しません。事実(誰が、いつ、何を書いたか、他の反応)を整理して、当日に会社の決めた相手に報告します。削除するか、返答するか、放置するかは会社が判断し、返答するなら会社が文面を決めます。一次対応の範囲(お礼、質問への定型の返答、問い合わせの取り次ぎ)を契約前に決めておき、範囲外はすべて報告に回します。批判への対応を担当者が判断すると、会社の判断と違ったときに取り返しがつきません。
投稿の単価はどう決めればよいですか
一本の作成の時間だけでなく、「月の予定表の作成」「社員への聞き出し(月一の十分と、その日程の調整)」「承認の往復」「予約の作業」「一次対応の確認(平日の頻度)」「記録」「三か月ごとの振り返り」を含めて見込みます。一次対応を含むかどうかで、稼働の性質が変わります。相場は範囲と本数と一次対応の有無で幅が大きく、公開されている案件でも一律ではありません。単価の考え方は単価の相場と考え方に、始め方は採用SNSの運用で副業を始めるにはに書いています。