人事副業 / 採用SNSの運用

採用SNSの運用の副業の実務|1案件の流れ

公開 2026-09-21

採用SNSの運用を初めて受けるとき、見えにくいのは「投稿の前に何を決め、投稿の後に何を回すか」です。募集文には「採用SNSの運用、週〇本」とだけあり、実際には、場と名義、発信しない情報の一覧、承認の期限、顔出しの同意、批判が来たときの流れ、一次対応の範囲、権限の受け渡し、社員への聞き出しの日程、記録と、投稿の前後に工程が並びます。順番を知っていれば、契約前に決めておけます。結論を先に書くと、1案件は「契約前→第1週→第2週以降→三か月ごとの振り返り→終了と更新」の五つの段階で進み、契約前に範囲・場と名義・発信しない情報・承認する人と期限・顔出しと同意・批判やトラブルの流れ・一次対応の範囲・権限・記録と評価を決め、第1週は投稿せずに五つの確認と月の予定表と投稿の型と聞き出しの質問と素材の置き場と記録の表を整え、第2週から聞き出し→投稿の作成→承認→予約→一次対応と取り次ぎ→記録を週の頻度で回し、三か月ごとに続いているかと五つが出せているかと面接で見たと言われたかを見て型を直し、型と記録を引き継いで権限を返して終えます。案件の型と求められる経験は採用SNSの運用の副業案件に書いていますので、ここでは「1案件の流れ」に絞ります。

契約前:決めておくこと

採用SNSは、毎週、会社の名前で世に出ます。決めていないことは、最初のトラブルで運用を止めます。契約前に決めます。

決めること確かめる中身決めていないと起きること
範囲投稿の作成と予約だけか、企画からか、一次対応と記録を含むか、型作りか。週の本数「コメントの返信も」が後から足される
場と名義どの場(採用アカウント、経営者や社員の個人アカウント)で、誰の名義で。個人名義なら本人の確認の流れ本人の言葉でない投稿が本人の名前で出る
発信しない情報顧客、候補者、未公開の数字、開発中のもの、他の社員のこと、退職者のこと。会社の一覧があるか事故が起きてから決めることになる
承認する人と期限投稿の承認は誰が、いつまでに(当日を目安に)。個人名義なら本人承認待ちで予定表が崩れる
顔出しと同意社員の顔と名前と発言を出す方針。同意の取り方と記録(会社が行う)。退職時の扱い公開後の取り下げ
批判やトラブルの流れ批判、誤り、候補者からの不満が来たとき、誰に当日報告し、誰が判断するか担当者が返してしまう
一次対応の範囲コメントとDMに自分が返してよい範囲(お礼、定型の返答、取り次ぎ)。範囲外は報告範囲外に返す
権限投稿と予約の権限を専用の形で受けるか。共有アカウントは避ける。終了時の返却自分のアカウントと混ざる
記録と評価反応、サイトへの流れ、面接で「見た」と言われたか、辞退の理由の変化、を誰が記録するか。評価はフォロワーの数か、続いているかと面接で見たかかフォロワーの数で評価される

止まりやすいのは、「まず何本か投稿してみてください」で始めるときです。発信しない情報と承認と批判の流れだけは、投稿の前に決めます。範囲の決め方は業務範囲の決め方に、見積もりの出し方は見積もりの出し方に書いています。

第1週:投稿しない週

第1週は、投稿を始めません。五つの確認と、月の予定表と、投稿の型と、聞き出しの質問と、素材の置き場と、記録の表を整えます。準備の無いまま始めた運用は、素材が尽きて止まります。

やること依頼側に持ってもらうこと落とし穴
五つの確認(場と名義、発信しない情報、承認、顔出しと同意、批判の流れ)一覧と方針の共有か作成「常識で分かる」と確認しない
過去の投稿の確認(何を出して、何が反応され、面接で言われた投稿はあるか)過去の記録の共有過去を見ずに同じことを繰り返す
月の予定表(候補者が知りたい五つを型に沿って配分。募集の告知は少なく)予定表の承認告知ばかりの予定表
投稿の型(一日の流れ、社員の話、仕事の場面、働き方の実態、選考の説明、経営者の言葉、入社した人、質問への答え)型の承認型が無く、思いつきで出す
聞き出しの質問(月一の十分で社員から場面を聞く問い。「昨日の午後」「最近時間がかかった仕事」)聞き出しに応じる社員と時間の確保「魅力は」と聞く
素材の置き場(写真、聞き出したこと、承認済みの投稿、を会社の共有の場所に)置き場の用意自分の端末に素材を置く
記録の表(投稿日、型、反応、サイトへの流れ、面接で見たと言われたか、辞退の理由)記録を出す人の確定。面接で「見た」を聞いてもらえるか反応の数だけの表
権限の受け取り(専用の形で。範囲と終了時の返却)権限の発行共有アカウントのパスワードをもらう

止まりやすいのは、「アカウントが放置されているから早く動かしたい」と第1週を飛ばすときです。予定表と型と素材の置き場が無い運用は、一か月で素材が尽きます。型の中身はSNS採用で何を出すかに書いています。

エラベルの見解

担当する側から見ると、この仕事は「第1週に、社員への月一の十分の聞き出しを、会社に約束してもらえるか」で、続くかどうかが決まります。社員の言葉で出す投稿は、社員から聞かないと作れず、聞き出しの時間が無い会社では、担当者が会社の説明を書き始め、投稿は続いても効かなくなります。月に一度、十分、社員一人に「昨日の午後」を聞ければ、一か月分の場面が取れます。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「月に一度、社員の方お一人に十分ください。それが一か月分の投稿になります」と、私たちから先に伝えています。受ける側がその場で使える判断としては、月の予定表に「聞き出しの日」を先に入れて、会社に社員の枠を確保してもらうこと。聞き出しの日が予定表に無い運用は、素材が尽きる日が決まっています。

第2週以降:聞き出し・作成・承認・予約・一次対応・記録

第2週から投稿を始めます。ここからは、週の頻度で同じ流れを回します。

やること頻度の目安落とし穴
聞き出し(社員一人に十分。場面を聞く。録音は同意で。素材の置き場に残す)月に一度聞き出しを飛ばして自分で書く
投稿の作成(社員の言葉で短く。良く見せない。発信しない情報を混ぜない。型に沿う)週の本数分を、まとめて会社の説明を書く。長い
承認(承認する人に、期限を添えて。個人名義なら本人の確認を先に)作成のたび承認の前に予約する
予約と投稿(予定表に沿って。時間帯は会社の方針で)週の本数分予定表とずれる
一次対応(コメントとDMを決めた時間帯に確認。範囲内は返す。範囲外と批判は返さず当日に報告)平日、決めた時間帯に週末にまとめる。批判に返す
取り次ぎ(応募や問い合わせのDMを、会社の担当に当日渡す)来たときに候補者とのやり取りを自分で続ける
記録(投稿日、型、反応、サイトへの流れ、面接で見たと言われたか)週に一度反応だけ記録する
週次の報告(出した本数、続いているか、五つのどれが出せたか、一次対応の件数、報告した件、次に直すこと一つ)週に一度、決めた曜日反応の数だけの報告

止まりやすいのは、候補者らしき人からのDMに、自分でやり取りを続けることです。応募や選考に関わる連絡は、会社の担当に当日渡し、自分は取り次ぎまでにします。連絡の速さは連絡の速さに、報告の型は報告の仕方に書いています。

批判やトラブルが来たときの流れ

来たときに考えるのではなく、契約前に決めた流れで動きます。

やることやらないこと
返さない。削除しない反射で返す。勝手に削除する
事実を整理する(誰が、いつ、何を、どの投稿に、他の反応は)推測を混ぜる
当日に、決めた相手に報告する翌日に回す。自分で収めようとする
会社の判断(返答、削除、放置)と、返答するなら会社が決めた文面に従う自分の文面で返す
記録に残し、投稿の型や発信しない情報の一覧に反映する提案をする無かったことにする

止まりやすいのは、「小さい批判だから自分で返しても」と思うときです。小さいかどうかを判断するのも会社です。対応の判断はSNS採用の運用代行に書いています。

エラベルの見解

同じ料金・同じ本数でも、結果が分かれるのは、三か月ごとの振り返りで「社員の言葉で語られた投稿の割合」を見るかです。反応の数を見る担当者は、話題性のある投稿と募集の告知を増やし、フォロワーは増え、面接で「見た」と言われる投稿は減り、「効いていない」と契約を終えられます。「今月出した投稿のうち、社員の言葉が入っているのは何本か。面接で言われたのはどの型か」を見る担当者は、反応が少なくても社員の場面を出し続け、候補者が調べたときの受け皿になり、辞退の理由が「雰囲気が分からない」から変わります。採用SNSの成果は、反応ではなく、面接の場に出ます。エラベルで長く続いている担当者は、記録の表に「社員の言葉の有無」の欄を持ち、振り返りでその割合を最初に見ています。受ける側がその場で使える形としては、投稿を作るたびに「この投稿に、社員が実際に言った言葉は入っているか」を自分に問うこと。入っていない投稿が続いたら、聞き出しが足りていません。

三か月ごとの振り返り:続いているか、五つが出せているか、面接で見たと言われたか

三か月ごとに、会社と振り返りの時間を持ちます。見るのは、フォロワーの数ではなく、次の項目です。

見ること読み方直すところ
続いているか(週の本数が守れたか)途切れた週の理由(素材、承認、自分の稼働)途切れた原因の工程を直す
五つが出せているか(役割の中身・一緒に働く人・働き方の実態・選考の流れ・会社が向かう先)偏りが無いか。告知ばかりになっていないか予定表の配分を直す
社員の言葉で語られた投稿の割合低いなら、聞き出しが足りない聞き出しの頻度か社員の数を増やす
面接で「見た」と言われた投稿効いた型その型を増やす
サイトへの流れ、辞退の理由の変化受け皿として働いているか選考の説明や働き方の実態の投稿を増やす
一次対応と報告の件数批判や問い合わせの傾向発信しない情報の一覧や型に反映

止まりやすいのは、振り返りで「フォロワーが増えていないので、話題性を上げる」と決めるときです。採用SNSの目的は受け皿で、話題性は目的ではありません。

終了と更新:型と記録の引き継ぎ、権限の返却

契約の期間が来たら、更新か終了かを会社が決めます。どちらでも、引き継げる形にして終えます。

止まりやすいのは、権限を返さずに終わることと、公開済みの投稿を自分の実績として無断で載せることです。権限は終了の日に会社に削除してもらい、実績に使うなら許可を得て、社員の名前と顔は伏せます。引き継ぎの型は引き継ぎの仕方に、実績の書き方は事例の書き方に書いています。

社員の情報の扱い

聞き出しでは、社員が、発信しない情報(顧客、他の社員、未公開のこと)や、個人の事情を話します。投稿に出さず、会社の外で話さず、他の依頼側や本業に持ち込みません。録音は本人の同意で行い、会社の共有の場所に置き、終了時に会社の方針で処理します。社員の顔と名前と発言の同意は会社が取り、記録を会社が残します。退職した社員の投稿の扱いは会社の方針に従います。候補者からのDMの中身は、会社の担当に渡し、自分の手元に残しません。自分のアカウントで会社の投稿を出さず、会社のアカウントで自分の発信をしません。個別の判断は専門家にご確認ください。扱いの詳細は発信で書いてはいけないことアカウントの管理に書いています。

稼働時間は何で決まるか

週に何時間かかるかは、「週の本数×一本の作成と承認の時間」「月一の聞き出しと日程の調整」「予約の作業」「一次対応の確認の頻度と件数」「週次の記録と報告」で決まり、三か月ごとの振り返りが足されます。一次対応を含むと、平日の決めた時間帯の確認が固定で乗ります。批判やトラブルが来た週は、報告と記録で増えます。受ける前に「週の本数」「一次対応を含むか」「聞き出しの頻度」を決めておけば、見込みが立ちます。数値は案件ごとに違うので、最初の一か月の実績で見直します。稼働の管理は稼働時間の管理に書いています。

まとめ

よくある質問

社員が「SNSに出るのは恥ずかしい」と言い、素材が集まりません

顔と名前を出さない形から始めます。「昨日の午後に何をしたか」を、名前を出さずに「〇〇の担当者」として出す投稿でも、候補者には場面が伝わります。同意は会社が取り、出したくない社員に強制しません。出てもよい社員が一人いれば、その人を月に一度の聞き出しの相手にして続け、他の社員は投稿を見て「これなら」と思ったときに加わってもらいます。強制した投稿は、続きません。

会社から「募集の告知をもっと出して」と言われます

告知の割合を予定表で決め、「告知は五つの型の一つで、告知ばかりになると候補者が見なくなります。告知と場面の投稿を並べて、面接で見たと言われた投稿を記録で比べさせてください」と、判断は会社に置いたまま、比べる提案をします。記録で、告知の投稿が面接で言われないことが見えれば、会社の要望は自然に減ります。それでも告知を増やす会社では、募集の告知の投稿だけを別の型として分け、場面の投稿の本数を守ります。

候補者からDMで「選考について聞きたい」と来ました

自分で答えず、「担当からご連絡します」と定型で返し、当日に会社の採用担当に渡します。選考の流れの説明は投稿の型の一つとして出しておくと、同じ質問が減ります。候補者とのやり取りを自分で続けると、会社の判断と違うことを約束する形になり、候補者の情報も自分の手元に残ります。取り次ぎの範囲と、渡す相手を、契約前に決めておきます。