人事副業 / 両立・スキル
実名で発信するか|人事の副業の発信は「本業に伝えているか・依頼側と契約する名前・発信の内容」の三つで決め、実名にするなら内容を判断の仕方に絞り、仮名にするなら契約の名前との対応を窓口に伝えておく
副業の案件につなげるために、SNSや記事で発信を始めたい。ただ、実名で出すと本業の同僚に見つかりそうで、仮名にすると依頼側に信用されない気がする。結論を先に書くと、実名か仮名かは、「本業の会社に副業を伝えているか」「依頼側と契約する名前をどうしているか」「発信の内容が判断の仕方か案件の話か」の三つで決めます。本業に伝えていて、契約も本名で、内容を判断の仕方に絞れるなら実名でよく、どれか一つでも欠けるなら仮名から始めます。仮名だから信用されないということはなく、依頼側が見るのは名前ではなく、発信の内容と、登録先の経歴です。仮名で発信し、契約は本名で結び、その対応を窓口や依頼側に伝えておけば、実務は回ります。公開する名前と契約の名前を分ける整理は本名を出さずに受けられるかに、発信の進め方はSNS発信から案件につなげるにまとめています。
実名と仮名で何が変わるか
実名と仮名の違いは、信用の差ではなく、誰に見つかるかと、何を書けるかの差です。
| 観点 | 実名 | 仮名 |
|---|---|---|
| 本業の関係者に見つかるか | 見つかる。検索で名前から辿れる | 見つかりにくい。ただし内容から特定されることはある |
| 依頼側からの見え方 | 経歴と名前が一致し、契約の名前と同じ | 発信の名前と契約の名前が違う。対応を伝えれば問題にならない |
| 書ける内容 | 本業と依頼側に見られる前提で書く。判断の仕方に絞る | 同じ。仮名でも依頼側と候補者の情報は書けない |
| 登録先のプロフィールとのつながり | 発信と登録先を同じ名前でつなげられる | 登録先は本名、発信は仮名で、間を窓口に伝える |
| 発信が実績として残るか | 名前と結びついて残る。転職や独立のときに使える | 仮名の実績として残る。本名に紐づけるのは自分の判断で |
| 途中で切り替えられるか | 仮名に戻すのは難しい | 実名に切り替えるのはできる |
違いの要点は、「仮名は後から実名にできるが、実名は後から仮名に戻せない」ことです。迷っているなら仮名から始め、本業に伝えた後や、独立の見込みが出た後に、実名に切り替える順番が安全です。仮名で書ける内容は実名と変わらず、依頼側と候補者の情報を書かないという線は同じです。
決めるための三つの判断軸
三つの軸に自分の状況を当てはめると、実名か仮名かは決まります。
| 軸 | 実名にできる状態 | 仮名から始める状態 |
|---|---|---|
| 本業に副業を伝えているか | 伝えていて、発信も含めて問題ないと確認している | 伝えていない。または、発信については確認していない |
| 依頼側と契約する名前 | 本名で契約し、公開する名前も本名 | 契約は本名だが、公開する名前を分けたい |
| 発信の内容 | 判断の仕方、型の話に絞れる。案件や依頼側の話を書かない自信がある | 案件で起きたことを書きたくなりそう。線を守れるか分からない |
三つの軸のうち、最も重いのは「本業に伝えているか」です。伝えていない状態で実名で発信すると、本業の関係者の目に触れたときに、副業の話と発信の話が同時に問題になります。伝えている場合でも、発信については別に確認しておくと、後で困りません。規定の扱いは副業許可の申請の出し方を見たうえで、個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「仮名で発信していると、依頼側に本気でないと思われる」というものです。実際には、依頼側の担当者が発信を見て判断しているのは、名前ではなく、この人が採用のどの工程を、どういう考え方で進める人かです。仮名でも、判断の仕方が具体に書かれていれば、依頼側は「この考え方の人に頼みたい」と思います。実名でも、内容が一般論なら、依頼側は何を頼めるか分かりません。
差が出るのは、発信から登録先の経歴に辿り着いたときです。仮名の発信を見た依頼側が窓口に問い合わせたとき、窓口が「この発信の人は、登録のこの人です」と対応できる状態になっていれば、名前が違うことは問題になりません。エラベルでは、公開する名前と登録の名前が違う場合、登録の時点でその対応を書いてもらっています。依頼側には登録の経歴で提示するので、発信の名前が仮名であることを依頼側が気にする場面はほとんどありません。
実名で発信するときに守ること
実名で出すと決めたら、本業と依頼側の両方に見られる前提で、書く内容の線を決めます。
| 守ること | 内容 |
|---|---|
| 判断の仕方に絞る | 「この条件のとき、こう考える」という型を書く。案件で起きた出来事は書かない |
| 本業の会社の話を書かない | 本業の採用の内情、本業で作った成果物、本業の同僚の話は出さない。本業への情報の持ち出しになる |
| 依頼側と候補者を特定できる話を書かない | 会社名だけでなく、業界と規模と状況の組み合わせで特定できる話も避ける。個人情報の扱い |
| 本業の肩書を出さない | 「〇〇社の人事」として発信すると、会社の名前で発信していることになる |
| 依頼側の名前で発信しない | 依頼側の採用について、依頼側の代理のように書かない。会社の代表として話す責任 |
| 単価や条件の具体を書かない | 合意した単価は依頼側との契約の情報。書くなら決め方の考え方だけ。最初の1件の価格の決め方 |
守ることの要点は、「本業の会社の話を書かない」ことです。実名で発信すると、本業の関係者は読みます。副業の話は許可の範囲でも、本業の採用の話を書けば、それは本業の情報の持ち出しになります。実名の発信は、副業の許可があっても、本業の情報の線を別に守る必要があります。本業との線引きは本業と利益相反になる案件にも書いています。
仮名で発信するときに整えること
仮名で始めると決めたら、仮名と本名の間を、依頼側と窓口にとって迷わない形にしておきます。
| 整えること | 内容 |
|---|---|
| 仮名を一つに決める | 発信の場ごとに名前を変えない。SNS、記事、名刺で同じ仮名にする。名刺をどうするか |
| 登録先に対応を伝える | 登録の経歴は本名で書き、「発信は〇〇の名前で行っている」と登録先に伝えておく |
| 依頼側には契約の前に伝える | 発信を見て問い合わせが来たら、契約の前に「契約は本名で結びます」と伝える。契約書と発信の名前が違うことを後で知られない |
| 仮名から本名が辿れないか確認する | 仮名のアカウントに本名や本業の会社の情報が残っていないか。過去の投稿、プロフィール、つながりを見直す |
| 内容の線は実名と同じにする | 仮名だからと、依頼側や候補者の話を書かない。仮名でも内容から特定される |
| 実績を本名につなげる形を決めておく | 転職や独立のときに、仮名の発信を本名の実績として使うかどうか。使うなら、その時点で対応を公開する |
整えることの要点は、「登録先に対応を伝える」ことです。発信を見た依頼側が窓口に問い合わせたとき、窓口がその発信と登録の経歴を結びつけられなければ、依頼側は別の人を選びます。登録の時点で対応を伝えておけば、仮名の発信が案件の入口として機能します。プロフィールの書き方はプロフィールの書き方に整理しています。
途中で切り替えるときの注意
仮名から実名に切り替えることはできますが、切り替えの時期と方法は考えておきます。
| 切り替える時期 | 注意 |
|---|---|
| 本業に副業を伝えた後 | 発信についても確認してから。副業の許可と発信の許可は別に扱われることがある |
| 独立の見込みが出たとき | 実名の実績として発信を残したいなら、この時点で切り替える。仮名の過去の投稿を本名に紐づけるかは自分で決める |
| 依頼側から実名を求められたとき | 契約は本名なので、発信を実名にする必要はない。依頼側が求めているのが契約の名前なのか、発信の名前なのかを確認する |
| 転職のとき | 転職先が副業と発信をどう扱うかを確認してから。退職後に副業から始める |
切り替えの要点は、「切り替える前に、過去の投稿を見直す」ことです。仮名のときに書いた内容が、実名になった途端に本業の関係者や依頼側に読まれます。仮名のときに線を守っていれば問題ありませんが、守れていない投稿があれば、切り替える前に消すか直します。逆に、実名から仮名に戻すことは、過去の投稿が名前と結びついて残るので、ほぼできません。
エラベルの見解
担当する側から見ると、実名か仮名かで案件の決まり方に差は出ていません。差が出るのは、発信の内容が「判断の仕方」か「出来事の記録」かです。判断の仕方を書いている人の発信は、名前が何であれ、依頼側が「この考え方で進めてほしい」と思う材料になります。出来事の記録を書いている人の発信は、実名でも、依頼側は「うちのことも書かれるのでは」と感じます。
順番として、名前を決める前に、書く内容を判断の仕方に絞れるかを決める。絞れるなら、実名でも仮名でも書ける内容は同じで、名前は本業と契約の都合で決めればよい。絞れないなら、どちらの名前でも発信は案件の入口になりにくく、依頼側の信頼を損ねる方向に働きます。エラベルでは、発信の名前を登録の条件にしていませんが、発信の内容に依頼側や候補者の情報が含まれている場合は、依頼側の信頼に関わるので、登録の前に見直しをお願いすることがあります。
まとめ
- 実名か仮名かは本業に伝えているか・契約する名前・発信の内容の三つで決める。一つでも欠けるなら仮名から
- 違いは信用の差ではなく、誰に見つかるかと、後から切り替えられるか。仮名は実名にできるが、実名は仮名に戻せない
- 実名で守るのは判断の仕方に絞る・本業の話を書かない・依頼側と候補者を特定できる話を書かない・本業の肩書と依頼側の名前で発信しない・単価の具体を書かない
- 仮名で整えるのは仮名を一つに・登録先に対応を伝える・依頼側には契約の前に伝える・本名が辿れないか確認・内容の線は同じ・実績のつなげ方を決める
- 切り替えるなら本業に伝えた後・独立の見込み・転職のときで、切り替える前に過去の投稿を見直す
- 案件の決まり方に差が出るのは名前ではなく、発信の内容が判断の仕方かどうか
よくある質問
仮名で発信していることを、依頼側に言わないといけませんか
契約は本名で結ぶので、契約書の名前と発信の名前が違うことは、依頼側が気づく可能性があります。発信を見て問い合わせが来た場合は、契約の前に「発信は〇〇の名前で行っていて、契約は本名で結びます」と伝えておくと、後で知られて不信になることを防げます。発信と関係なく登録先から紹介された案件では、発信の話を出す必要はありません。
実名で発信していて、本業の同僚に見つかりました
本業に副業を伝えている場合は、発信の内容に本業の情報が含まれていないことを説明できれば足りることが多いです。伝えていない場合は、副業そのものの扱いの話になるので、就業規則を確認し、伝える形を整えます。発信の内容に本業の情報が含まれていた場合は、見つかったかどうかに関わらず、消して直します。規定の解釈と自分の状況での扱いは、専門家にご確認ください。
顔写真も出すべきですか
名前と顔は別の判断で、名前を実名にしても顔を出さない形はできます。顔を出すかどうかは、顔出しは必要かに整理しています。名前と同じく、依頼側が見ているのは発信の内容と登録先の経歴なので、顔を出さないことで案件が減ることはほとんどありません。