人事副業 / 案件獲得
権限がないと動けない場面|人事の副業で、外部の立場ゆえに止まる六つの場面と、止まらないための頼み方
社内の人事なら当たり前にできることが、副業の立場ではできません。媒体の管理画面を開く、応募者の情報を見る、社内の人に連絡する、費用を決める、現場に協力を頼む、候補者に会社の名前で連絡する。どれも権限が要り、権限は依頼側が用意しないと届きません。権限が無いことに気づかずに稼働を始めると、最初の週から止まります。結論を先に書くと、副業の人が権限無しでは動けない場面は六つに決まっており、初回打ち合わせで六つを一覧にして依頼側に用意してもらい、届くまでは権限が要らない作業に切り替えると、止まりません。権限は自分で取りに行くものではなく、依頼側に用意してもらうものです。初回打ち合わせの進め方は初回打ち合わせの進め方に、遠隔で完結する条件はフルリモートで完結する案件にまとめています。
権限が無いと動けない六つの場面
副業の立場で止まる場面を六つに整理します。
| 場面 | 何ができないか | 要る権限 |
|---|---|---|
| 一 媒体の操作 | スカウトの送信、掲載の確認、応募者の閲覧 | 媒体の管理画面の、自分専用のアカウント |
| 二 応募者情報の閲覧 | 履歴書、職務経歴書、選考の記録を見る | 応募者管理の仕組みか共有フォルダの閲覧権限 |
| 三 社内への連絡 | 面接官への日程の依頼、現場への確認 | 依頼側のチャットかメールのアカウント、または担当経由の経路 |
| 四 費用の判断 | 媒体の追加、オプションの購入、有料スカウトの枠 | 無い。判断は依頼側。提案までが自分 |
| 五 現場への依頼 | 面接の実施、技術評価、要件の確認 | 無い。担当か判断する人を通す |
| 六 候補者への名乗り | 会社の名前で連絡する | 依頼側のドメインのメール、または媒体のアカウント。名乗り方の合意 |
六つの要点は、「四と五は、権限をもらうものではなく、通す経路を決めるもの」ということです。費用の判断や現場への依頼は、副業の人が権限を持つべきものではありません。誰を通せば動くかを決めておけば、止まりません。
権限の種類と頼み方
権限には、もらうものと、経路を決めるものがあります。頼み方を整理します。
| 種類 | 頼み方 | 注意 |
|---|---|---|
| 媒体のアカウント | 「私専用のアカウントを発行していただけますか。終了時に止めていただく前提で」 | 担当のアカウントを共用しない。誰が何をしたかが分からなくなる |
| 応募者情報の閲覧 | 「応募者の情報を、御社の仕組みの中で見られる権限をください。ダウンロードはしません」 | 保存しない運用を伝える。情報の取り扱いと端末の分離 |
| 社内の連絡 | 「面接官の方への日程の依頼は、私から直接でよいですか。それとも〇〇さん経由ですか」 | 直接なら依頼側のアカウント。経由なら担当の負担を確認 |
| 費用の判断 | 「媒体の追加やオプションは、私が提案し、〇〇さんが判断する形でよいですか」 | 自分で決めない。提案の形を決める |
| 現場への依頼 | 「面接の実施や要件の確認は、〇〇さんを通す形でよいですか」 | 現場に直接頼むと、担当が知らないまま動く |
| 候補者への名乗り | 「候補者への連絡は、御社の採用窓口の名前で送る形でよいですか。私の名前を出すなら、御社のドメインで」 | 自分の連絡先を候補者に渡さない。連絡手段の分け方 |
頼み方の要点は、「終了時に止める前提を、頼むときに伝える」ことです。依頼側は、外部の人にアカウントを発行することに慎重です。「終了時に止めていただく」と最初に言えば、発行しやすくなります。
エラベルの見解
登録の相談で多いのは、「最初の二週間、媒体のアカウントが届かず、何もできなかった」という話です。担当は発行を頼まれていることを忘れ、副業の人は待つしかなく、稼働の枠が空のまま過ぎた。権限が要ることを、初回打ち合わせで一覧にして、発行日を決めていなかったことが原因です。
見ていて差がつくのは、「権限の一覧を、自分から出しているか」です。依頼側は、副業の人に何の権限が要るかを知りません。社内の人事なら最初から持っているものを、外部の人が持っていないことに気づいていない。「この六つが要ります。いつまでにお願いできますか」と一覧で出せば、担当は発行の作業として認識します。エラベルの登録でも、初回打ち合わせで権限の一覧を出す人は、最初の週から動けていて、待ちの時間が無い。
権限が届くまでにできること
権限は、すぐには届きません。届くまでの間に、権限が要らない作業を進めます。番号付きで整理します。
- ヒアリングの整理。 面談と初回打ち合わせで聞いたことを一枚に。ヒアリングで押さえる項目
- 自分の型の準備。 文面の雛形、判断の基準の型、記録の表。依頼側の情報を含まない部分を先に。
- 依頼側から見せてもらえる範囲で、文面を読む。 担当が画面を共有してくれるなら、権限が無くても現状の文面は読める。
- 権限の一覧と発行日を、書面で依頼側に送る。 「〇日までにお願いします。届き次第、現状把握に入ります」
- 届かない場合、稼働を止めることを伝える。 「権限が届くまでは稼働を止め、届いてから再開します」。待ちの時間を稼働に数えない。
- 届いたら、動作を確認して担当に一言。 「アカウント届きました。閲覧できています。ありがとうございます」
できることの要点は、「五で、待ちの時間を稼働に数えない」ことです。待っている時間を稼働として請求すると、依頼側は納得しにくく、待っている時間を稼働にしないと、自分の時間が消えます。稼働を止めて、届いてから再開する、と明確にします。
権限が無いまま動いてしまう失敗
権限が無い状態で、動こうとして起きる失敗を整理します。
| 失敗 | 起きる構造 | 直し方 |
|---|---|---|
| 担当のアカウントを借りる | 早く動きたい | 自分専用を待つ。共用は誰が何をしたか分からない |
| 応募者情報をメールで送ってもらう | 権限が届かないので | 依頼側の環境の中で見る形を待つ。メールに残さない |
| 現場に直接頼む | 担当が忙しそう | 担当を通す。担当が知らないまま現場が動くと、担当の立場が悪くなる |
| 費用のかかることを自分で決める | 提案が通りそう | 提案まで。判断は依頼側 |
| 候補者に自分の連絡先で連絡する | 依頼側のアカウントが無い | 依頼側のアカウントを待つ。自分の連絡先を渡さない |
| 権限が無いことを言わずに待つ | 催促しにくい | 発行日を書面で確認。届かなければ稼働を止めると伝える |
| 待ちの時間を稼働に数える | 枠を空けたので | 数えない。止めて再開する形に |
| 権限を持ったまま終える | 返す手順が無い | 書面に。終了時に止めてもらう |
失敗の要点は、「早く動きたい」が、権限の線を越えさせることです。担当のアカウントを借りる、メールで情報をもらう、現場に直接頼む。どれも動けますが、後で問題になります。
権限を返すときの整理
案件を終えるとき、もらった権限は全部返します。整理の型です。
| 権限 | 返し方 | 確認 |
|---|---|---|
| 媒体のアカウント | 依頼側に停止を依頼。自分でログアウトし、保存したパスワードを消す | 停止されたことを担当に確認 |
| 応募者情報の閲覧 | 共有フォルダや仕組みの権限を外してもらう | 自分の端末に情報が無いことを確認 |
| 社内の連絡のアカウント | 停止を依頼 | チャットの履歴が自分の側に残っていないか |
| 候補者への連絡のアカウント | 停止を依頼。候補者とのやり取りが依頼側の環境に残っていることを確認 | 候補者から自分に直接連絡が来る状態が無いか |
| 費用・現場の経路 | 返すものは無い。担当に引き継ぎの一覧で | — |
返し方の要点は、「停止されたことを、担当に確認する」ことです。依頼を出しただけでは、停止されないことがあります。「停止いただけましたか」と一言確認して、記録に残します。引き継ぎ資料の残し方を参照してください。
エラベルの見解
担当する側として登録した人の話を聞くと、最初の週から動けている人は、権限を「もらうもの」と「経路を決めるもの」に分けて、初回打ち合わせで一覧にしています。もらうものは発行日を決め、経路を決めるものは誰を通すかを決める。依頼側から見ると、外部の人が何を必要としているかが一覧で分かり、社内で発行の作業を回せます。一覧が無いと、依頼側は「何が要るか」を副業の人から都度聞くことになり、遅れます。
依頼側から見ると、副業の人に権限を渡すことは、慎重になる場面です。エラベルは、企業と担当者の間に立つ窓口として、案件を出すときに依頼側の連絡の手段と判断する人をお伝えしていますが、媒体のアカウントや応募者情報の権限は、依頼側が担当者に直接発行するものです。「終了時に止める前提」「保存しない運用」を担当者ご自身が伝えることで、依頼側は発行しやすくなります。権限の一覧の型を持っていただくことをお勧めしています。
まとめ
- 副業の立場で権限無しでは動けない場面は媒体の操作・応募者情報の閲覧・社内への連絡・費用の判断・現場への依頼・候補者への名乗りの六つ
- もらう権限(媒体、情報、連絡、名乗り)と、経路を決めるもの(費用、現場)に分ける
- 頼み方は自分専用・終了時に止める前提・保存しない運用・誰を通すかを添える
- 届くまでは権限が要らない作業(整理、型の準備)を進め、待ちの時間を稼働に数えず、届かなければ止める
- 失敗は早く動きたいが権限の線を越えさせる。借りる、メールでもらう、直接頼む、自分で決める
- 終えるときは全部返し、停止されたことを確認
よくある質問
担当が「自分のアカウントを使っていいよ」と言います。借りてよいですか
借りません。共用のアカウントは、誰が何をしたかが分からず、終了時に自分だけの権限を止められません。媒体によっては、アカウントの共用を規約で禁じていることもあります。「終了時に私の分だけ止めていただけるように、専用のアカウントをお願いします」と伝えます。発行に費用や手間がかかる媒体なら、担当が画面を共有する形で閲覧だけ先に始め、送信は担当が行う分担にして、専用アカウントの発行を待ちます。
現場の責任者から、直接「こういう人を探して」と連絡が来ました
担当を通す形に戻します。「〇〇さん(担当)とも共有させていただき、要件として整理させてください」と返し、担当に同じ内容を送る。現場と直接やり取りを始めると、担当が知らないまま要件が変わり、担当の立場が悪くなり、範囲も広がります。現場の要望は、担当を通して要件になり、要件に沿って自分が動く、という経路を保ちます。現場との関係の作り方は現場との関係の作り方を参照してください。
媒体の有料オプションを使えば効果が出そうです。自分で申し込んでよいですか
申し込みません。費用の判断は依頼側で、自分は提案までです。「このオプションを使うと、こういう効果が見込めます。費用はこのくらいで、判断をお願いします」と、提案の形で担当か判断する人に送ります。自分で申し込むと、費用の責任が自分に向き、効果が出なかったときに揉めます。効果が見込める提案なら、依頼側は判断します。判断の材料を用意することが自分の仕事で、判断そのものは依頼側の仕事です。