人事副業 / 両立・スキル
タスク管理のしかた|人事の副業のタスク管理は「やることを全部書く」のではなく、「依頼側ごとに『次の一手』と『判断待ち』と『締め切り』の三つだけを一枚に持ち、稼働の始めに見て、終わりに更新する」形で足りる。道具より、更新する時刻を固定することが効く
副業の稼働の時間になって、「今日は何をするんだったか」と思い出すところから始まる。依頼側の連絡を読み返し、前回どこまでやったかを探し、気づけば稼働の時間が半分過ぎている。副業のタスクは、どう管理すればよいのか。結論を先に書くと、副業のタスク管理は、「やることを全部書く」のではなく、「依頼側ごとに『次の一手』と『判断待ち』と『締め切り』の三つだけを一枚に持ち、稼働の始めに見て、終わりに更新する」形で足ります。副業は稼働が細切れで、稼働と稼働の間に本業と生活が挟まるので、前回の続きを思い出す時間が最も無駄になります。一枚を見れば前回の続きから始められる形にし、道具より、更新する時刻を固定することが効きます。稼働時間の記録は稼働時間の管理と申告に、複数案件の回し方は複数案件のスケジュール管理に、時間配分は時間配分の決め方にまとめています。
副業のタスク管理が本業と違う点
本業のタスク管理の方法を副業に持ち込むと、合わないことがあります。違いを見ます。
| 点 | 本業 | 副業 |
|---|---|---|
| 稼働の連続性 | 毎日続く。前日の続きを覚えている | 細切れ。稼働と稼働の間に数日空く。前回の続きを忘れる |
| タスクの量 | 多い。全部を書かないと漏れる | 少ない。全部を書くと管理の時間が稼働を圧迫する |
| 判断の所在 | 自分で判断できることが多い | 依頼側の判断待ちで止まることが多い |
| 締め切りの種類 | 社内の締め切り | 依頼側の採用の日程に紐づく締め切り。落とすと依頼側の採用が止まる |
| 情報の扱い | 社内の道具に社内の情報を書ける | 依頼側の情報を、自分の道具に書く線に注意が要る |
| 道具 | 会社が決めた道具 | 自分で選ぶ。依頼側の道具と自分の道具の二つを持つことがある |
違いの要点は、「前回の続きを忘れる」ことと、「判断待ちで止まる」ことの二つが、副業のタスク管理の中心だということです。全部を書く管理は、副業では管理の時間が稼働を圧迫します。前回の続きが一目で分かり、判断待ちが何かが一目で分かる。この二つに絞った一枚が、副業のタスク管理です。稼働の細切れへの対処は本業と両立する時間の作り方に、判断待ちの扱いは分からないことの聞き方に書いています。
一枚で持つ三つの項目
副業のタスク管理は、依頼側ごとに三つの項目を一枚に持ちます。
| 項目 | 内容 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 一、次の一手 | 次の稼働で最初にやること。一つか二つ。「何を」「どこまで」 | 「求人票の構成を直す。仕事の中身を先頭に。今回で仕上げて送る」 |
| 二、判断待ち | 依頼側の判断を待っていること。「何を」「いつ聞いたか」「期限」 | 「面接官の人選、〇日に依頼。期限△日。来なければ△日に催促」 |
| 三、締め切り | 依頼側の採用の日程に紐づく締め切り。「何を」「いつまでに」「落とすと何が止まるか」 | 「スカウト文面、〇日まで。落とすと今週の送信が止まる」 |
三つの要点は、「一」の次の一手を、「何をどこまで」まで書くことです。「求人票」とだけ書くと、次の稼働で「求人票の何をするんだったか」と思い出すところから始まります。「求人票の構成を直す。仕事の中身を先頭に。今回で仕上げて送る」と書けば、稼働の始めに読んで、すぐに手が動きます。次の一手は、前回の自分から今回の自分への引き継ぎです。判断待ちの書き方は分からないことの聞き方に、締め切りの余裕は遅れそうなときの連絡に整理しています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、細切れの稼働で成果を出している担当者と、稼働の時間が「思い出す時間」で消えている担当者の差は、道具の良し悪しではなく、「稼働の終わりに、次の一手を書いてから閉じているか」です。書いている人は、次の稼働の始めに一枚を読んで、すぐに手が動きます。書いていない人は、依頼側の連絡を読み返し、前回の作業を探し、何をするかを決めるところから始まり、稼働の三分の一が消えています。
見ていて差がつくのは、判断待ちに「期限」と「来なければどうするか」を書いているかです。判断待ちを「面接官の人選、依頼済み」とだけ書いていると、依頼側から返らないまま何週間も止まります。「期限△日。来なければ△日に催促」と書いている人は、期限が来たら催促し、止まる期間が短くなっています。依頼側は、担当者が催促してくれることで、判断が遅れていることに気づきます。エラベルでは、依頼側が担当者を選ぶ仕組みなので、判断待ちを放置せず、期限を決めて動かす担当者が、依頼側から「進めてくれる人」として評価されています。タスク管理は、書くことではなく、前回の自分から今回の自分へ引き継ぐことです。
稼働の始めと終わりの更新の型
一枚は、稼働の始めと終わりに、決まった型で更新します。
| 時点 | やること | かかる時間 |
|---|---|---|
| 稼働の始め | 一枚を読む。次の一手を確認する。判断待ちの期限を見て、期限が来ていれば催促を最初にやる。締め切りを見て、今日やる順番を決める | 五分 |
| 稼働の中 | 一枚は見ない。次の一手を進める | |
| 稼働の終わり | 一枚を更新する。次の一手を「何をどこまで」で書き直す。判断待ちに、今日依頼したものを足し、返ってきたものを消す。締め切りを確認し、変わったものを直す。依頼側への返信を送る | 十分 |
型の要点は、「稼働の終わりの更新を、依頼側への返信の前にやる」ことです。返信を先にやると、返信で疲れて一枚の更新を忘れ、次の稼働で思い出すところから始まります。一枚を更新してから返信すれば、一枚の内容(次の一手、判断待ち、締め切り)が返信の材料になり、「次は〇〇を△日までに出します」「□□のご判断を〇日までにお願いします」と書けます。返信の型は稼働報告の書き方に、連絡の時刻は連絡の速さをどう担保するかに書いています。
依頼側ごとの分け方
複数の依頼側を持つなら、一枚を依頼側ごとに分けます。混ぜると、情報が混ざり、判断待ちを取り違えます。
| 分け方 | 内容 |
|---|---|
| 依頼側ごとに一枚 | 依頼側Aの一枚、依頼側Bの一枚。一つの画面に並べてよいが、欄は分ける |
| 依頼側の名前は記号で | 「A」「B」など、自分だけが分かる記号。会社名を書かない |
| 候補者の名前を書かない | 「候補者の一人目」「〇日応募の方」など。名前と経歴を書かない |
| 一枚の外に、依頼側の情報を置かない | 一枚には次の一手と判断待ちと締め切りだけ。資料や記録は依頼側ごとの別の場所に |
| 全体の締め切りを、一つのカレンダーに集める | 依頼側ごとの締め切りを、一つのカレンダーに記号で入れ、重なりを見る |
| 稼働の日を、依頼側ごとに割り当てる | 「火曜はA、木曜はB」のように、稼働の日で依頼側を分ける |
分け方の要点は、「依頼側の名前と候補者の名前を、一枚に書かない」ことです。一枚は、通勤で見たり、家族のいる場所で開いたりするもので、依頼側の情報が入っていると、見られたときに漏れます。記号と「〇日応募の方」で書けば、自分だけが分かり、他人が見ても分かりません。情報の分け方は案件ごとの情報の分け方に、稼働の日の割り当ては複数案件のスケジュール管理に整理しています。
道具の選び方と情報の線
タスク管理の道具は、何でも構いません。選び方と、依頼側の情報を入れない線です。
| 道具 | 向く場合 | 注意 |
|---|---|---|
| 紙のノート一冊 | 稼働の場所が自宅だけ。道具に時間をかけたくない | 持ち歩かない。依頼側の情報を書かない |
| 文書の一枚(メモ帳など) | 副業用の端末で完結させたい | 副業用の端末にだけ置く。同期先に注意 |
| 表計算の一枚 | 依頼側が複数で、締め切りを並べたい | 依頼側の名前は記号で |
| タスク管理の道具(アプリ) | 通知や期限の管理を道具に任せたい | 依頼側の情報を入れない。通知が本業の端末に来ない設定に |
| 依頼側の道具(依頼側の管理表やチャット) | 依頼側の情報を扱うタスクは、依頼側の道具の中で | 自分の一枚には、依頼側の道具のどこを見るかだけを書く |
線の要点は、「自分の道具には、依頼側の情報を入れない。依頼側の情報を扱うタスクは、依頼側の道具の中でやる」ことです。候補者の名前や選考の状況は、依頼側の道具(採用管理の仕組み、依頼側のチャット)の中にあり、自分の一枚には「依頼側の道具の〇〇を見て、△△する」とだけ書きます。自分の道具は、自分の動きの管理で、依頼側の情報の保管場所ではありません。道具の合わせ方はクライアントのツールに合わせるに、統一の考え方はツールを統一するか合わせるかに書いています。
タスクが溢れたときの直し方
一枚が溢れる、次の一手が増えすぎる、判断待ちが溜まる。溢れたときの直し方です。
| 溢れ方 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 次の一手が五つ以上ある | 範囲が広がっている。一稼働でできる量を超えている | 次の一手を一つか二つに絞る。残りは「その後」に分けて書く。範囲を見直す |
| 判断待ちが溜まっている | 依頼側の判断が遅い。催促していない | 期限を決めて催促する。定例で一度にまとめて聞く。判断待ちが多い依頼側は、判断の型を渡す |
| 締め切りが重なっている | 複数の依頼側の日程を見ていない | 一つのカレンダーに集める。重なる前に、依頼側に締め切りの相談をする |
| 一枚を更新していない | 稼働の終わりの型が崩れている | 更新を返信の前に戻す。更新する時刻を固定する |
| 一枚に依頼側の情報が混ざっている | 線が崩れている | 依頼側の情報を消し、記号と「〇日応募の方」に戻す |
| 稼働の始めに一枚を見ずに、連絡を読み始める | 型が崩れている | 一枚を見てから連絡を読む、に戻す |
直し方の要点は、「次の一手が五つ以上あるなら、タスクの問題ではなく範囲の問題」だということです。一稼働でできる量を超える次の一手があるなら、受けている範囲が稼働の枠を超えています。タスク管理を工夫しても解決せず、範囲を絞るか、稼働の枠を広げるかの判断が要ります。範囲の見直しは業務範囲を書面で固めるに、稼働の枠は週何時間から受けられるかに、判断待ちの動かし方は定例会の進め方に整理しています。
管理を作る順番
副業のタスク管理を作る順番です。
| 順番 | 内容 |
|---|---|
| 一、道具を一つ決める | 紙でも文書でも。副業用の端末か、持ち歩かないノート |
| 二、依頼側ごとに、三つの項目の欄を作る | 次の一手、判断待ち、締め切り |
| 三、依頼側と候補者の名前を、記号と「〇日応募の方」にする | 一枚に依頼側の情報を書かない |
| 四、稼働の始めに一枚を見る型を決める | 五分。次の一手、判断待ちの期限、締め切りの順 |
| 五、稼働の終わりに一枚を更新する型を決める | 十分。返信の前に |
| 六、締め切りを一つのカレンダーに集める | 依頼側が複数なら |
| 七、週に一度、一枚が溢れていないかを見る | 次の一手が五つ以上なら範囲の問題 |
| 八、月に一度、一枚と稼働の記録を並べて見る | 見積もりと実態の差 |
順番の要点は、「五」の、稼働の終わりの更新の型を、最初に固めることです。始めに見る型は、終わりに更新されていれば自然にできます。終わりの更新が崩れると、始めに見ても古い情報で、思い出すところから始まります。終わりに更新する時刻を固定し、返信の前にやる。この一つが、副業のタスク管理の中心です。稼働の記録との突き合わせは稼働時間の管理と申告に、時間配分は時間配分の決め方に書いています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「タスク管理は、良い道具を使えばうまくいく」というものです。実際には、道具を変えても、稼働の終わりに次の一手を書いていなければ、次の稼働は思い出すところから始まります。副業のタスク管理で効くのは、道具ではなく、更新する時刻を固定することです。紙のノート一冊でも、終わりに次の一手を書いていれば回り、高機能な道具でも、書いていなければ回りません。
順番として、道具を一つ決め、依頼側ごとに次の一手と判断待ちと締め切りの欄を作り、依頼側と候補者の名前を記号にし、稼働の始めに見る型と終わりに更新する型を決め、締め切りを一つのカレンダーに集め、週に一度溢れていないかを見て、月に一度稼働の記録と並べて見る。この順番で、タスク管理は「やることを書くもの」から「前回の自分から今回の自分へ引き継ぐもの」になります。エラベルでは、依頼側が担当者を選ぶ仕組みなので、判断待ちを期限で動かし、締め切りを落とさない担当者が、依頼側から「進めてくれる人」として選ばれ続けています。タスク管理の中心は、道具ではなく、更新の時刻です。
まとめ
- 副業のタスク管理は依頼側ごとに「次の一手」「判断待ち」「締め切り」の三つだけを一枚に持つ。全部を書かない
- 副業は稼働が細切れで前回の続きを忘れる。次の一手は「何をどこまで」まで書き、前回の自分から今回の自分へ引き継ぐ
- 判断待ちには期限と「来なければどうするか」を書く。放置すると何週間も止まる
- 稼働の始めに五分で見て、終わりに十分で更新する。更新は依頼側への返信の前に
- 一枚に依頼側と候補者の名前を書かない。記号と「〇日応募の方」で。依頼側の情報は依頼側の道具の中で
- 次の一手が五つ以上ならタスクではなく範囲の問題。道具より、更新する時刻の固定が効く
よくある質問
本業で使っているタスク管理の道具を、副業でも使ってよいですか
本業の会社が用意した道具(会社のアカウントで使うもの)は、副業に使いません。本業の記録に副業の情報が残り、本業の会社が見られる状態になります。自分で契約している個人の道具なら使えますが、本業の情報と副業の情報を同じ場所に置かず、副業用の領域を分けます。通知が本業の端末に来ない設定にし、依頼側の情報は入れません。端末と道具の分け方は私物端末で作業してよいかに整理しています。
依頼側から「進捗を管理表で共有してほしい」と言われました。自分の一枚を見せてよいですか
自分の一枚は、自分の動きの管理で、依頼側に見せるものではありません。依頼側と共有する進捗は、依頼側の道具(依頼側の管理表や共有の文書)の中に、依頼側向けの形で作ります。「進行中の項目、判断待ちの項目、次に出すもの」を依頼側の言葉で書き、自分の一枚とは別に持ちます。二つを持つのは手間に見えますが、自分の一枚には自分だけが分かる書き方ができ、依頼側の共有には依頼側が分かる書き方ができ、両方が速くなります。共有の作り方は稼働ログの付け方に書いています。
稼働の終わりに更新する時間が取れず、次の稼働で思い出すことが続いています
稼働の終わりの十分を、稼働の中に最初から入れておきます。「稼働は二十時から二十二時」なら、「作業は二十一時四十五分まで。残りは更新と返信」と、稼働の中で区切ります。更新の時間を稼働の外に置くと、疲れて飛ばします。稼働の中に置けば、作業を早めに切り上げてでも更新する形になります。更新を飛ばした稼働は、次の稼働の始めが遅れるので、結果として稼働の時間が減ります。稼働の区切り方は本業と両立する時間の作り方に整理しています。