採用代行 / 宮城県
宮城県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方
有効求人倍率が下がると、多くの場合は「求職者が増えたから」と説明されます。宮城県の数字を4年分並べると、そうではないことが分かります。求職者の数はほとんど変わらず、減ったのは求人のほうでした。この記事では、宮城県で採用代行を頼む前に「人がいない」という前提を外し、どの工程に費用を寄せるかを決める順番を整理します。以下は2026年9月24日時点で宮城労働局が公表している数値に基づきます。
4年分を並べると、動いたのは求人の側だけ
宮城労働局の統計ページには、年度平均(原数値)の時系列が載っています。有効と新規の両方を一つの表にまとめると、求人と求職者の動き方の違いが見えます。表を見るときは、倍率の列より先に、求職者の列が4年でどれだけ動いたかを確認してください。
| 年度 | 有効求人数 | 有効求職者数 | 有効求人倍率 | 新規求人数 | 新規求職者数 | 新規求人倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 49,780人 | 35,679人 | 1.40倍 | 17,588人 | 7,900人 | 2.23倍 |
| 令和5年度 | 48,641人 | 36,246人 | 1.34倍 | 17,010人 | 8,061人 | 2.11倍 |
| 令和6年度 | 44,912人 | 36,412人 | 1.23倍 | 15,722人 | 7,865人 | 2.00倍 |
| 令和7年度 | 41,943人 | 36,420人 | 1.15倍 | 14,665人 | 7,606人 | 1.93倍 |
有効求職者数は令和4年度の35,679人から令和7年度の36,420人へ、2.1%増えただけです。一方で有効求人数は7,837人(15.7%)減り、新規求人数も2,923人(16.6%)減っています。新規求職者数は3.7%減なので、こちらも大きくは動いていません。倍率が1.40倍から1.15倍へ0.25ポイント下がったのは、求人が減ったからです。
採用する側から見ると、この構図には二つの意味があります。一つは、同じ求職者を取り合う競合の出稿が減っていることです。もう一つは、母集団の量が4年前と変わっていないことです。求職者から見た選択肢が減っているので、自社の求人は相対的に目立ちやすくなっているとも読めます。
足元の月次は、年度とは違う理由で下がっている
年度の推移と、直近の月の動きは分けて見ます。令和8年7月分の季節調整値では、有効求人数が41,339人で前月比0.8%増(2か月連続の増加)、有効求職者数が36,770人で1.6%増(2か月ぶりの増加)でした。新規求人数は14,576人で0.9%増、新規求職申込件数は7,812件で2.2%増と、どちらも2か月連続で増えています。
それでも有効求人倍率は1.12倍で0.01ポイント低下、新規求人倍率は1.87倍で0.02ポイント低下でした。求人も求職者も増えたうえで、求職者の増え方のほうが大きかったためです。年度の推移では「求人が減ったから倍率が下がった」のに対し、令和8年7月は「求職者の増え方が求人を上回ったから下がった」ことになります。同じ「倍率が下がった」でも、意味は正反対に近いと言えます。
社内の報告でこの数字を使うときは、中期の話か足元の話かを最初に書いておきます。足元は求職者が増えているので、母集団が広がる方向の材料です。なお資料には、令和7年12月以前の数値は令和8年1月分公表時に新季節指数により改定されている、という注記があります。過去の季節調整値と比べるときは、いつ公表された資料かをそろえてください。
年度平均と暦年平均、報告にどちらを使うか
宮城労働局の資料には、4月から翌年3月の年度平均と、1月から12月の暦年平均の二種類が並んでいます。どちらを使うかで、同じ4年間でも見え方が変わります。代行会社から届く月次報告と自社の計画書で区切りが違うと、数字が合わない原因になります。
| 年度/年 | 有効求人倍率(年度平均) | 有効求人倍率(暦年平均) |
|---|---|---|
| 令和4 | 1.40倍 | 1.37倍 |
| 令和5 | 1.34倍 | 1.37倍 |
| 令和6 | 1.23倍 | 1.25倍 |
| 令和7 | 1.15倍 | 1.18倍 |
令和5年は、年度平均では下がり、暦年平均では横ばいです。令和4から令和7の低下幅も、年度平均では0.25ポイント、暦年平均では0.19ポイントで、0.06ポイント違います。年度で計画を立てている会社は年度平均を、暦年で予算を組んでいる会社は暦年平均を使い、社外の資料と比べるときは相手がどちらかを先に確かめます。
宮城労働局はこのほかに、月次の概況である報道発表資料、年度単位の労働市場年報、そして中途採用に関する時系列を独立させた「労働市場(中途採用)」のページを公開しています。中途採用の資料が別に置かれているのは、この県の資料の作りの特徴です。中途の採用計画を立てるなら、まずこのページを代行会社と共有しておくと話が早くなります。
エラベルの見解
倍率が下がったと聞くと、採用しやすくなったと受け取る人と、景気が悪いと受け取る人に分かれます。宮城県の4年間は、どちらとも違う読み方ができます。求職者は増えていない、求人だけが減っている。つまり採用する側の数が減っただけで、採用される側の市場はほとんど変わっていません。この状態で応募が集まらないなら、原因は市場より自社の求人の側にある可能性が高いと考えます。厳しい言い方ですが、裏を返せば手を入れれば変わる余地があるということです。競合が15.7%減った市場で結果が出ないなら、見直す場所は求人の中身と選考の工程に絞れます。工程を数字で追う考え方は採用の可視化でも扱いました。
集める工程より、噛み合わせる工程に費用を寄せる
母集団の量が変わっていないのに採用が難しく感じるなら、論点は量ではありません。考えられるのは、職種や条件が求職者の希望と噛み合っていないこと、数は同じでも求職者の属性が変わっていること、選考の途中で他社に決まってしまうことの三つです。どれも、応募を増やすための追加出稿では解決しにくい種類の問題です。
代行会社に出す業務を決めるときは、この順番で優先度をつけます。いちばん上は求人の内容と条件の見直しで、次が応募後の連絡と選考の速さです。その次に、職種の切り出しと募集の分け方を置きます。応募数を増やすための追加出稿は、母数が減っていない以上、優先度は低くなります。
初回の打ち合わせで前提をそろえ、委託の範囲を見積もる
代行会社との最初の打ち合わせでは、倍率が下がった理由をどう分解するかを聞いてみてください。「宮城県は倍率が下がっているので採用しやすくなっています」という説明も、「人が減っているので厳しいです」という説明も、時系列を見ていません。求人側と求職側を分けて話せるか、中期と足元を分けて説明できるか、年度平均か暦年平均かを明示するかが、提案の質を測る手がかりになります。
委託の範囲と費用は、自社の数字から逆算します。見積もりの前に手元でそろえておくものは次のとおりです。
| 決めること | 自社で出す数字 | 代行会社に聞くこと |
|---|---|---|
| 報告の区切り | 自社の計画が年度か暦年か | 月次報告で使う区分と系列(原数値か季節調整値か) |
| 求人の見直し | 募集中の職種数と、直近の応募数 | 求人の内容と条件の見直しを何職種まで含めるか |
| 選考の速さ | 応募から初回連絡までの日数、面接枠の数 | 連絡と日程調整を何日以内で回す想定か |
| 追加出稿 | いまの出稿先と月の費用 | 追加出稿の前に見直す工程をどう提案するか |
費用は「月の応募数 × 一件あたりの対応時間」で作業量を出し、そこに見直す職種数を足して比べると、月額固定と時間単価の見積もりを同じ物差しに直せます。求人の見直しと選考の速さを契約の範囲に含めておくと、母数が減っていない市場では効きやすくなります。なお、労働関係の法令や助成金の適用については個別の判断が伴いますので、専門家にご確認ください。
エラベルの見解
地域別の記事を書いてきて、求職者数がここまで動かない県は珍しいと感じました。令和4年度35,679人、令和7年度36,420人です。その間に求人は15.7%減っており、市場の変化はほとんど企業側で起きています。母集団が足りないという前提から始めると、経路を増やす提案になります。求職者は変わっていないという前提から始めると、求人の中身と工程の話になります。同じ代行会社でも、どちらの前提で動く担当者が付くかで打ち手は分かれるので、契約の前に担当者本人と前提を合わせておいてください。近隣県の状況は山形県の採用代行、秋田県の採用代行、福島県の採用代行にもまとめました。
まとめ
- 宮城県の有効求人倍率は令和4年度1.40倍から令和7年度1.15倍へ下がったが、求職者数はほぼ横ばいで、減ったのは求人だった
- 令和8年7月は求人も求職者も増え、求職者の増え方が大きかったため倍率が下がった。中期と足元は理由が違う
- 年度平均と暦年平均で低下幅が0.06ポイント違う。報告ではどちらの区分かを明示する
- 母数が減っていない以上、追加出稿より求人の見直しと選考の速さに費用を寄せる
- 代行会社には、倍率の変化を求人側と求職側に分けて説明できるかを聞く
よくある質問
Q. 宮城県は採用しやすくなっているのですか
令和4年度から令和7年度にかけて求人は15.7%減り、求職者はほぼ横ばいなので、競合は減っています。ただし求職者の数が増えたわけではありません。応募が集まらない場合は、求人の内容や選考の工程を先に見直すのが順番です。
Q. 最新の雇用情勢はどこで確認できますか
宮城労働局の「宮城県の雇用情勢」の報道発表資料で、月次の数値が公表されています。中途採用に関する時系列は「労働市場(中途採用)」のページにあります。掲載した数値は2026年9月24日時点のもので、毎月更新されます。
Q. 代行会社の報告と自社の資料で倍率が合いません
年度平均と暦年平均、原数値と季節調整値のどれを使っているかを確認してください。季節調整値は新季節指数で過去分が改定されることがあるため、公表時期も合わせる必要があります。区分をそろえれば、多くの場合は差の理由が説明できます。