採用代行 / シード期スタートアップ
シード期スタートアップの採用体制の作り方|社内に残す役割
ここでいうシード期スタートアップは、創業者と数名でプロダクトを作っている途中の会社です。資金は少なく、採るのは「最初の数人」で、共同創業者に近い人や初期のメンバーです。経路は創業者の知人と投資家の紹介とイベントとSNSで、正社員より業務委託や副業で一緒に働いてから決める形が多く、要件は「何をするか」より「誰と作るか」です。この段階で採用の体制を作るとき、決めるべきことは「代行に何を任せるか」ではなく、「創業者の時間のうち、採用に使う時間をどこに絞り、その前後の手を誰に出すか」です。結論を先に書くと、この段階の採用の役割は「創業者」「共同創業者や初期のメンバー」「投資家やアドバイザー」の三つに置き、創業者は探すことと接点と口説きと決めることと一緒に働いて見ることを持ち、共同創業者や初期のメンバーは一緒に働いて見る相手になり、投資家やアドバイザーは紹介の経路になります。採用代行を使うなら、「探す手を週に数時間」「業務委託や副業の受付と入り口の段取り」「次の段階のための記録」に限定し、月額の契約としての代行は原則要りません。この記事では、三つの役割の中身と、一緒に働いてから決める形の作り方、代行を小さく使う線、次の段階に残すものを整理します。失敗の形はシード期スタートアップが採用代行で失敗するパターンに、次の段階の体制はシリーズAスタートアップの採用体制の作り方に、代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。
この段階で、採用に関わる人の状態
体制を作る前に、この段階で採用に関わる人が、それぞれどんな状態にあるかを見ます。
| 誰 | 状態 | 採用に割ける時間の現実 |
|---|---|---|
| 創業者 | プロダクトと事業と資金の全部を持つ。採用は自分の知人と紹介で動かしている | 接点と口説きなら取れる。探す手と管理と段取りには取られたくない |
| 共同創業者、初期のメンバー | プロダクトを作っている。文化そのもの | 一緒に働いてみる時間は取れる。手続きは無理 |
| 候補者(最初の数人) | 事業と創業者と「一緒に作る人」を見て決める。正社員の前に業務委託や副業で入ることが多い | 創業者と直接話せないと動かない |
| 投資家、アドバイザー | 事業を見ている。紹介の経路になる | 紹介は頼めるが、頼み方の型がないと動かない |
| 副業の人事経験者 | 週に数時間で、探す手と段取りを持てる | この段階の「代行」に最も近い形 |
この表から、この段階で最も貴重なのは創業者の接点と口説きの時間で、最も経路として使えていないのは投資家やアドバイザーの紹介で、最も整っていないのは業務委託や副業で入る人の入り口です。体制は、この三つに合わせて、創業者の時間を接点と口説きに絞り、紹介の頼み方を型にし、入り口を先に整える形で作ります。
役割一:創業者
中身。誰を探すかを決める(共同創業者級と、実務の人を分ける)。自分のネットワーク(前職、学生時代、投資家、アドバイザー、イベント、SNS)で探す。候補者との接点を自分で持つ(連絡は自分の名前で自分が送る)。口説く。業務委託や副業で一緒に働いてみる期間と、見る点を決める。正社員に切り替えるかどうかと条件を決める。接点の枠を週に固定する。
なぜ残すか。シード期の候補者は、事業と創業者と「一緒に作る人」を見て決めます。最初の数人は、創業者と直接話して「この人と作りたい」と思うかどうかで決まり、接点そのものが創業者の仕事です。共同創業者級の一人は、条件と要件で市場から探すものではなく、創業者のネットワークと信頼で見つけるものです。
時間の目安。週に固定した接点の枠と、一緒に働いてみる期間に見る時間です。探す手(候補者の抽出、送る文面の下書き、送った後の管理、日程の候補の整理)と、入り口の段取り(書面の準備、確認の一覧)は、創業者の手から離します。離す先は、副業の人事経験者か、小さく限定した代行です。創業者の言葉を残す考え方はシリーズAスタートアップが採用代行で失敗するパターンに、経営者への説明は経営者に採用代行を説明するに書いています。
役割二:共同創業者や初期のメンバー
中身。候補者と一緒に働いてみる相手になる(業務委託や副業で入った人と、実際のプロダクトの仕事を一緒にする)。「一緒に作れそうか」を創業者に一言で伝える。候補者に、今のプロダクトと、動いている事業の実際を話す。正社員に切り替える前に、「この人が入ると自分たちの働き方はどう変わるか」を創業者と話す。
なぜ残すか。最初の数人は、文化そのものになります。創業者だけが会って決めると、初期のメンバーとの合わなさが入ってから分かり、数名の組織では影響が全員に及びます。業務委託や副業で一緒に働いてみる期間は、面接では見えない「一緒に作れるか」を、初期のメンバーが実際に見る期間です。
時間の目安。一緒に働いてみる期間の、実際の仕事の時間です。採用のための追加の時間はほぼ要らず、仕事そのものが見極めになります。創業者が「決めるのは自分だから、感じたことをそのまま言ってほしい」と伝えることが前提です。業務委託から決める形は業務委託で入ってもらってから採用するに、現場への説明は現場に採用代行の導入を説明するに整理しています。
エラベルの見解
これをやる前に、先に決めておかないと効果が出ないことがあります。それは、創業者が「共同創業者級の一人」と「実務の人」を分けて、探し方を変えることです。相談で見ていると、シード期で採用が止まる会社は、この二つを一緒にして「いい人を探して」と代行や紹介に頼み、共同創業者級は市場にいないので見つからず、実務の人は創業者の接点が取れずに冷め、両方が止まっています。分けた会社では、共同創業者級は創業者が自分のネットワークで時間をかけて探し、実務の人は業務委託や副業で入ってもらって一緒に働いてから決め、それぞれが進んでいます。
順番としては、まず創業者が一、二時間で「誰を、どの経路で、どの契約の形で、いつまでに」を紙にして二つを分け、次に接点の枠を週に固定し、最後に業務委託や副業の入り口を専門家の確認を経て整えてから、探す手を出す先(副業の人事経験者か、小さく限定した代行)を決めます。この順番を逆にして、代行と契約してから誰を探すかを決めようとすると、代行の型に採用が引きずられます。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、シード期の会社に「まだ要らない」「要るのはここだけ」と言える担当者が、契約の前に線を一緒に引くところから入っています。
役割三:投資家やアドバイザー
中身。紹介の経路になる。創業者が「誰を探しているか」を一枚にして渡すと、自分のネットワークから紹介する。紹介した人が動いたかどうかを、創業者から戻してもらう。共同創業者級の一人を探すときの、最も効く経路の一つ。
なぜ役割に入れるか。シード期の経路は創業者の知人と紹介が中心で、投資家やアドバイザーのネットワークは、創業者が持っていない層に届きます。ただ、「いい人がいたら」では動かず、「誰を、なぜ、いつまでに」の一枚があって初めて紹介が出ます。
時間の目安。投資家やアドバイザーの時間はほぼ要らず、創業者が一枚を作って渡し、紹介があったら創業者が接点を持ち、結果を戻すだけです。一枚の作成と、紹介を頼んだ相手の一覧と、結果の戻しの管理は、探す手として副業の人事経験者か代行に出せます。リファラルの頼み方はリファラル採用が広がらないに、社員の紹介の設計はリファラル採用の設計は代行に出せるかに書いています。
代行を小さく使う線と、一緒に働いてから決める形
三つの役割を置いたうえで、代行を使うなら、どこに限定するかを決めます。この段階では、月額の契約としての代行は原則要らず、使うなら次の線に限定します。
| 工程 | 創業者が持つ | 探す手として出せる(副業の人事経験者か、限定した代行) | 次の段階に残すもの |
|---|---|---|---|
| 誰を探すかを決める(共同創業者級と実務の人を分ける) | 持つ | 紙にする手伝い | 誰を探しているかの一枚 |
| 共同創業者級を探す | 持つ(自分のネットワーク) | 会った人の記録、日程の整理 | 会った人の記録 |
| 実務の人の抽出 | 基準は持つ | 出せる(週に数時間) | 抽出の条件 |
| 連絡、スカウト | 自分の名前で自分が送る | 文面の下書き、送った後の管理 | 文面の型、返信の傾向 |
| 投資家やアドバイザーへの紹介の依頼 | 一枚の中身は持つ | 一枚の作成、頼んだ相手の一覧、結果の戻しの管理 | 頼んだ相手の一覧 |
| 接点、口説き | 持つ | 出さない | 記録 |
| 業務委託や副業の受付と入り口の段取り | 契約の中身は決める(専門家に確認) | 書面の下書き、確認の一覧、専門家への橋渡し | 入り口の型 |
| 一緒に働いてみる期間の見極め | 持つ(初期のメンバーと) | 見る点の一枚 | 見る点の一枚 |
| 正社員への切り替えと条件 | 持つ | 書面の準備 | 経緯の記録 |
一緒に働いてから決める形の要点は、「業務委託や副業で入る前に、入り口を整える」ことです。契約の形、報酬の払い方、機密の扱い、成果物の扱い、正社員に切り替えるときの条件と時期を書面にし、中身は法令の整理と個別の事情で変わるので専門家に確認してください。入り口が整っていれば、一緒に働いてみる期間は、初期のメンバーが実際の仕事で「一緒に作れるか」を見る期間になり、正社員への切り替えの判断が軽くなります。契約の形はスタートアップに向く採用代行の条件に、副業人材と代行の使い分けは副業人材と代行会社の使い分けに、契約で確認する項目は採用代行の業務委託契約書で確認する10項目に整理しています。
エラベルの見解
外に出してよいのは、誰を探しているかの一枚と紹介の依頼の一枚の作成・実務の人の抽出・文面の下書きと送った後の管理・日程の整理・会った人と頼んだ相手の記録・業務委託や副業の入り口の書面の下書きと確認の一覧と専門家への橋渡し・見る点の一枚・切り替えの書面の準備までで、「誰を探すか」「共同創業者級を探すこと」「接点と口説き」「一緒に働いてみる期間の見極め」「切り替えと条件」「契約の中身」は創業者と初期のメンバーが持ちます。この段階は人が少ないので、接点も代行に頼みたくなりますが、最初の数人は創業者と直接話して決めるので、接点は創業者が持ちます。代行は、接点の前後の手だけを、週に数時間で持ちます。
担当する側から見ると、この段階で結果が分かれるのは、担当者が「要らない」と言えるかです。月額の型で一通り支援しようとする担当者は、シード期の資金を削り、決まらないまま止められます。「今は探す手だけ週に数時間で足ります。接点は創業者の方が持ってください。共同創業者級は私には探せません」と線を引き、記録を社内の場所に残して、シリーズAで本格的に動く形を先に見せる担当者は、次の段階で「あのとき正直だった」と頼まれます。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、契約の前の面談で「この段階なら、ここだけです」と言ってくる担当者を選べば、この形になります。
まとめ
- シード期の採用の役割は、創業者(探す・接点・口説く・決める・一緒に働いて見る)・共同創業者や初期のメンバー(一緒に働いて見る相手)・投資家やアドバイザー(紹介の経路)の三つ
- 最初の一歩は、創業者が一、二時間で「誰を、どの経路で、どの契約の形で、いつまでに」を紙にし、共同創業者級と実務の人を分けること
- 共同創業者級は創業者のネットワークで探す。代行には頼まない。実務の人は業務委託や副業で入ってもらい、一緒に働いてから決める
- 創業者の接点と口説きには代行を挟まない。出すのは接点の前後の手(抽出・下書き・管理・日程・入り口の段取り)だけ、週に数時間
- 業務委託や副業の入り口(契約の形・報酬・機密・成果物・切り替えの条件)を先に書面にする。中身は専門家に確認
- 月額の契約としての代行は原則要らない。使うなら動いた分だけ払う形にし、記録を社内の場所に残して次の段階の材料にする
よくある質問
創業者が採用に使える時間が、週に数時間しかありません
その数時間を、接点と口説きだけに使います。探す手(抽出、下書き、管理、日程)と入り口の段取りは、副業の人事経験者か、小さく限定した代行に週に数時間で出します。接点の枠を週に固定し、その枠に「話す価値のある候補者」だけが入る形にすると、数時間でも密度が上がります。共同創業者級の一人は、この枠とは別に、創業者が自分のネットワークで時間をかけて探すものと割り切ります。副業人材に頼む形は副業人材に採用業務を委託するときの実務に、人事が一人もいない会社の考え方は従業員十名以下の会社の採用体制の作り方に整理しています。
業務委託で一緒に働いてもらう形は、候補者に失礼ではないですか
「試されている」と受け取られる形にしなければ、失礼にはなりません。要点は、入り口を書面で整え、報酬と期間と見る点と正社員に切り替える条件を最初に伝えることです。候補者の側にも、「この会社と創業者と一緒に作れるか」を実際の仕事で確かめられる利点があり、シード期の候補者の多くはそれを理解しています。口頭で始めて、期間も条件も曖昧なまま「そろそろ正社員に」と言う形が、最も失礼になります。契約の中身は専門家に確認してください。業務委託から決める形は業務委託で入ってもらってから採用するに、条件の伝え方は条件提示・オファー面談は代行に出せるかに書いています。
シリーズAに進んだら、この体制はどう変わりますか
シリーズAでは「最初の十人」を本格的に採る段階になり、創業者の接点の前に代行が最初の接点(事業の基本の説明と迷いの聞き取り)に立てるようになり、口説きの前の手(言葉の型を核にした抽出・送信・追客・返信・日程)を代行に出す形が合うようになります。シード期で残しておいた「誰を探しているかの一枚」「会った人と頼んだ相手の記録」「文面の型と返信の傾向」「業務委託から正社員になった人の経緯」が、そのまま次の段階の材料になります。この段階で代行を小さく使うなら、記録を社内の共有の場所に残す形にしておきます。次の段階の体制はシリーズAスタートアップの採用体制の作り方に、その順番はシリーズAスタートアップの採用代行に、規模と代行の相性は会社規模と代行会社の相性に整理しています。