採用代行 / シリーズAスタートアップ
シリーズAスタートアップの採用代行|最初に外注すべき業務はどれか
ここでいうシリーズAスタートアップは、十数名から三十名ほどで、創業メンバー以外の「最初の十人」を初めて本格的に採る段階の会社です。専任の人事はおらず、創業者が求人票を書き、スカウトを打ち、面接をし、条件を決めています。事業は形になり始めたところで、要件は事業と一緒に動き、知名度はなく、経路は創業者の知人とリファラルが中心で、採用が創業者の時間を食っています。この会社が採用代行を使うとき、何から出せばよいか。この記事は、その順番を決めるためのものです。結論を先に書くと、最初に出すべきは「創業者の口説きの前の手」で、具体的には創業者の言葉の型を核にした候補者の抽出、スカウトの送信、追客、返信の対応、面接の日程調整です。次が「候補者との最初の接点と記録」で、事業の基本の説明と候補者の迷いの聞き取りを代行が持ち、「創業者と話す価値がある」候補者を口説きの枠に入れます。最後が「口説きの後」で、条件の書面、入社までの一覧、最初の三か月の一枚、三か月ごとに要件を書き直す場です。順番の理由は、創業者の時間を最も食っているのが抽出と送信と返信と日程で、最初の接点は言葉の型と説明の一枚ができてからでないと候補者が冷め、後の工程は決まる人が出てから要るからです。口説きと最終の判断は、どの段階でも出しません。社内に残す役割はシリーズAスタートアップの採用体制の作り方に、失敗の形はシリーズAスタートアップが採用代行で失敗するパターンに、次の段階の順番はシリーズB以降のスタートアップの採用代行にまとめています。
この段階で、創業者の時間はどう使われているか
順番を決めるには、創業者の時間が採用のどこで消えているかを先に見ます。専任の人事がおらず、創業者が採用を全部持っている会社では、次のようになっています。
| 工程 | この段階の現実 | 創業者の時間の消え方 |
|---|---|---|
| 候補者の抽出、スカウトの送信 | 創業者が自分で探し、自分の言葉で一通ずつ書く | まとまった時間が要り、事業の合間に取れず、送信が止まる |
| 返信の対応、追客 | 返信が来ると創業者が返す。忙しいと数日空く | 細切れで集中が切れる。空くと候補者が冷める |
| 日程調整 | 創業者の予定と候補者の予定を創業者が合わせる | 往復が多く、決まるまで日数がかかる |
| 最初の接点、事業の説明 | 創業者がカジュアル面談で同じ説明を繰り返す | 口説く価値の分からない候補者にも一時間使う |
| 口説き、最終の判断 | 創業者が会って口説き、決める | 要る時間。ここは残す |
| 条件、入社の手続き | 創業者が候補者ごとに条件を決め、口頭で伝える | 書面がなく、後で揉める。手続きの案内が抜ける |
| 要件の書き直し | 事業が動いて要件が変わるが、求人票は前のまま | 変わったことが候補者に伝わらず、入ってから「違う」 |
この表で、創業者の時間を最も削っているのは、口説きではなく、抽出と送信と返信と日程です。しかも、これらが止まると候補者が冷め、口説く相手がいなくなります。最初に出すのは、口説きの前の手です。
出す前に:創業者が半日で言葉の型と要件と基準を作る
口説きの前の手を代行に出すには、代行が創業者に聞かずに動ける材料が要ります。創業者が半日を取って、次を作ります。
- 言葉の型。「なぜこの事業をやっているか」「今、何が起きていて、なぜ人が要るか」「どんな人と働きたいか」を、創業者が一度だけ書く。スカウトの核と、事業の基本の説明の一枚に使う
- 今の三か月の要件。「今の三か月でやってほしいこと三つ」と、「三か月後に変わる可能性がある」と伝えること
- 「誰に送るか」の基準。これまで返信が来て面接に進んだ人と、進まなかった人の違い
- 口説きの枠。週に固定する。代行はその枠に「口説く価値のある候補者」だけを入れる
- 現金の給与の幅と考え方。株式報酬は口頭で語らず、書面と専門家の確認を経た内容だけ
代行は、この半日に同席して聞き出し、紙にするところまでを引き受けます。要件の作り方は採用要件の定義は代行に出せるかに、創業者の頭の中を言葉にする考え方は評価基準が言語化できていないに書いています。
最初に出す工程:口説きの前の手(抽出・送信・追客・返信・日程)
なぜ最初か。創業者の時間を最も食い、止まると候補者が冷める工程で、判断を含まず(言葉の型と基準の中で済む)、出した翌週から創業者の時間が空くからです。創業者の名前と言葉で動いていたスカウトは、言葉の型を核として残せば、代行が送っても熱量が保たれます。
代行に頼む内容。基準の中での候補者の抽出、言葉の型を核に候補者ごとの一文を足した送信、追客(返信への対応。最初の返事だけ創業者が短く返す形も選べる)、面接の日程調整(創業者の枠に入れる。初期のメンバーの予定にも直接入れる)、候補者の一覧を社内の共有の場所に作って更新する、返信の傾向の記録。
社内に残す判断。「誰に送るか」の基準と言葉の型の中身は創業者が持ち、初回の文面は創業者が一度確認します。誰を口説きの枠に入れるかは、次の工程で代行が最初の接点を持つまでは、創業者が一覧を見て決めます。
費用の見方。送信の件数と返信の件数で稼働が決まります。「創業者が抽出と送信と返信と日程に使った時間」が減ったか、「返信のうち面接に進んだ比率」が保たれたかで、最初の月の効果を見ます。送信数と返信率だけを見ると、数字を動かす最短の行動で文面が薄くなります。スカウトの送信はスカウトの送信は代行に出せるかに、文面はスカウト文面の作成は代行に出せるかに、日程調整は面接の日程調整は代行に出せるかに整理しています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「創業者の時間がないのだから、代行にはカジュアル面談と事業の説明から入ってもらい、創業者は最後に会うだけにしたい」というものです。実際には、言葉の型と説明の一枚がない状態で代行が最初の接点に立つと、候補者は「創業者に会えないのか」と感じて冷め、面接に進んでも「この会社の熱量が分からない」と辞退します。創業者の時間を減らしたい判断は正しいのですが、順番が逆です。先に口説きの前の手を出して抽出と送信と返信と日程から創業者を外し、言葉の型と説明の一枚ができてから代行が最初の接点に立つと、候補者は「代行から事業の基本を聞き、創業者に口説かれる」流れになり、冷めません。
この順番で代行を選ぶと、見るべき点が決まります。契約の前の面談で「創業者の方のスカウトで、返信が来た文面を見せてください。その言葉を核に、抽出と送信と返信から引き取ります」と言う担当者は、この段階で何を守るべきかを知っています。「カジュアル面談から全部お任せください」と言う担当者は、候補者を冷めさせます。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、創業者の言葉を残して手だけを引き取ってきた担当者に、最初から頼めます。
次に出す工程:候補者との最初の接点(事業の基本の説明と迷いの聞き取り)と記録
なぜ次か。口説きの前の手が回り、言葉の型と事業の基本の説明の一枚ができてから出すと、代行が最初の接点で事業の基本を説明し、候補者の迷いを聞き、「創業者と話す価値がある」候補者だけを口説きの枠に入れられます。創業者は、口説く価値の分からない候補者に一時間使うことがなくなり、口説きの密度が上がります。
代行に頼む内容。最初の接点(カジュアル面談)で、説明の一枚をもとに事業の基本を説明する(口説かない)、候補者の迷いと知りたいことを聞き取って創業者に渡す、「創業者と話す価値がある」と判断した候補者を口説きの枠に入れる、面接の記録の型と記入(創業者と初期のメンバーの口頭を代行が記録)、見送りの理由を「何をした(しなかった)から」で残す。
社内に残す判断。口説きと最終の判断は創業者、「一緒に働けそうか」は初期のメンバーが一言で言います。代行が最初の接点で「話す価値がある」と判断する基準は、創業者が最初に渡し、見送りの理由で直していきます。
費用の見方。最初の接点の件数と面接の回数で稼働が決まります。「創業者の口説きの枠に入った候補者のうち、決まった比率」が上がったか、「創業者がカジュアル面談に使った時間」が減ったかで効果を見ます。カジュアル面談はカジュアル面談は代行に出せるかに、一次面接の切り分けは一次面接は代行に出せるかに、知名度の問題は知名度がなくて応募が集まらないに書いています。
最後に出す工程:口説きの後(条件の書面・入社までの一覧・三か月の一枚・書き直しの場)
なぜ最後か。決まる人が出てから要る工程で、決まる前に作っても使われないからです。ただし、この段階で条件を口頭で伝えて後で揉めることと、入ってから役割が変わって「違う」で辞めることは、最初の十人では影響が大きいので、最初の一人が決まる前には要ります。三か月ごとの要件の書き直しの場も、最初の三か月が過ぎる前に設けます。
代行に頼む内容。条件の書面の準備(幅と考え方は創業者。株式報酬は書面と専門家の確認を経た内容だけ)、内定の後の連絡と入社までの一覧、最初の三か月の一枚(役割が変わる可能性と、誰が相手になるか。中身は創業者と初期のメンバー)、三か月ごとの要件の書き直しの場を設けて問いを出し、書き直したら求人票とスカウトの文面と説明の一枚を直す、書き直しの記録を残す。
社内に残す判断。条件の幅と考え方、要件の書き直しの中身は創業者、入った後の相手は初期のメンバーが持ちます。業務委託や副業で一緒に働いてから決める形にする場合、契約の形と実務は専門家に確認してください。
費用の見方。内定の数と書き直しの回数で稼働が決まり、書面と一枚の作成は最初だけです。「条件で後から揉めたか」「入った後の三か月での退職」「書き直しが三か月ごとにできたか」で効果を見ます。条件の伝え方は条件提示・オファー面談は代行に出せるかに、受け入れは入社後のオンボーディングは代行に出せるかに、業務委託から決める形は業務委託で入ってもらってから採用するに整理しています。
エラベルの見解
外に出してよいのは、言葉の型と要件と基準を紙にするときの問いと整理・抽出・送信・追客・返信・日程・一覧・最初の接点での事業の基本の説明と迷いの聞き取り・記録・条件の書面・入社までの一覧・三か月の一枚・書き直しの場の設定までで、「口説き」「最終の判断と条件の幅」「言葉の型の中身と誰に送るかの基準」「要件の書き直しの中身」「一緒に働けそうかの判断」は社内に残します。この段階は社内に人事がいないので、口説きも代行に出したくなりますが、候補者は創業者で決めるので、口説きの一時間だけは創業者が持ちます。代行は、その一時間に「口説く価値のある候補者」を並べるところまでを持ちます。
担当する側から見ると、この段階で三つの工程を「一度に全部」で受けると、言葉の型がないまま最初の接点に立って候補者を冷めさせ、創業者の名前で型の文面を送って返信が消え、条件を代行が語って揉め、「代行を入れて悪くなった」と言われます。半日で言葉の型を作り、口説きの前の手を引き取り、説明の一枚ができてから最初の接点に立ち、決まる人が出たら後を持つ、と一つずつ進める形だと、創業者の採用の時間は口説きだけになり、「創業者の時間が事業に戻った」と言われます。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、契約の前の面談で「口説きは創業者の方に残します。まず前の手から引き取らせてください」と順番を提案してくる担当者を選べば、この形になります。
まとめ
- シリーズAが代行に出す順番は、一に口説きの前の手(言葉の型を核にした抽出・送信・追客・返信・日程)、二に最初の接点(事業の基本の説明と迷いの聞き取り)と記録、三に口説きの後(条件の書面・入社までの一覧・三か月の一枚・書き直しの場)
- 順番の理由は、創業者の時間を最も食うのが抽出と送信と返信と日程で、最初の接点は言葉の型と説明の一枚ができてからでないと候補者が冷め、後は決まる人が出てから要るから
- 出す前に、創業者が半日で言葉の型・今の三か月の要件・誰に送るかの基準・口説きの枠・現金の給与の幅を作る
- 口説きと最終の判断はどの段階でも出さない。代行は口説きの枠に「口説く価値のある候補者」を並べるところまで
- 最初の接点で代行は事業の基本を説明し、迷いを聞き、口説かない。「話す価値がある」の基準は創業者が渡し、見送りの理由で直す
- 費用は「送信と返信の件数、最初の接点と面接の回数、内定の数と書き直しの回数」で見て、創業者の時間と返信のうち面接に進んだ比率と口説きの枠から決まった比率の変化で効果を見る
よくある質問
創業者が「スカウトは自分の言葉でないと響かない」と言い、送信を渡したがりません
言葉は創業者のまま、手だけを渡します。創業者が一度だけ書いた言葉の型を核にし、代行は候補者ごとの一文を足して送り、初回の文面は創業者が確認します。返信への最初の返事だけ創業者が短く返す形にすると、候補者から見た「創業者から来た」は保たれます。渡した後に、返信のうち面接に進んだ比率が保たれているかを見て、落ちていれば言葉の型を直します。創業者が一通ずつ書く形は、送信が止まった時点で候補者がいなくなるので、続きません。スカウトの文面はスカウト文面の作成は代行に出せるかに、失敗の形はシリーズAスタートアップが採用代行で失敗するパターンに整理しています。
資金の状況で採用を止めることがあります。契約はどうすればよいですか
契約の前に「採用を止めることがある」と伝え、「候補者がいるときだけ動く」「期間を区切る」「止めるときと再開するときの手順」を入れます。止めるときに、言葉の型、要件の紙、基準、候補者の一覧、返信の傾向、書き直しの記録を社内の共有の場所に残す形にしておき、再開のときは同じ担当者に戻ってもらえるかを聞きます。「動いていない月に払わない」形が取れない代行は、この段階には合いません。契約の形はスタートアップに向く採用代行の条件に、やめる判断は採用代行をやめる判断のタイミングに、月額と成果報酬の違いは採用代行は月額型と成果報酬型のどちらが得かに書いています。
最初の十人が採れて、次の段階に進んだら、出した工程はどうなりますか
次の段階(シリーズB以降)では、創業者が全員に会う形を仕組みに移し、初めての採用責任者を置きます。この段階で代行が持っていた口説きの前の手と最初の接点は、そのまま採用責任者の基準の中で回る工程になり、言葉の型と要件の書き直しの記録と見送りの理由の記録が、採用責任者が要件とカルチャーの言葉を作るときの材料になります。代行の使い方は「創業者の口説きの前と後」から「採用チームが立ち上がるまでの橋」に変わります。次の段階の順番はシリーズB以降のスタートアップの採用代行に、その体制はシリーズB以降のスタートアップの採用体制の作り方に、規模と代行の相性は会社規模と代行会社の相性に整理しています。