採用代行 / シード期スタートアップ
シード期スタートアップの採用代行|最初に外注すべき業務はどれか
ここでいうシード期スタートアップは、創業者と数名でプロダクトを作っている途中で、資金は少なく、採るのは「最初の数人」、正社員より業務委託や副業から一緒に働いて決める段階の会社です。人事はおらず、創業者が知人と紹介と自分の発信で人を探し、会って口説き、まず一緒に働いてから決めています。要件は週の単位で動き、知名度はなく、採用に使える現金は限られ、創業者の時間はプロダクトと資金に取られています。この会社が採用代行を使うとき、そもそも使うべきか、使うなら何から出せばよいか。この記事は、その順番を決めるためのものです。結論を先に書くと、最初に出すべきは「創業者が探す手の下ごしらえ」で、具体的には会いたい人の一覧づくり、初回の連絡の下書き、返信と日程の運用、接点の記録です。次が「一緒に働いて決める段の書面と手続き」で、業務委託と副業の条件の書面、入る前の一枚、区切りの場の日程を代行が整えます。最後が「正社員に切り替えるときの型」で、条件の書面、入社までの一覧、最初の三か月の一枚です。順番の理由は、シード期で創業者の時間を食っているのが「探す」のうち一覧と連絡と日程の下ごしらえで、書面と手続きは一緒に働く人が出てから要り、正社員の型は切り替える人が出てから要るからです。探す相手を決めること、口説くこと、一緒に働いて見て決めることは、どの段階でも出しません。社内に残す役割はシード期スタートアップの採用体制の作り方に、失敗の形はシード期スタートアップが採用代行で失敗するパターンに、次の段階の順番はシリーズAスタートアップの採用代行にまとめています。
この段階で、創業者の時間はどう使われているか
順番を決めるには、創業者の時間が採用のどこで消えているかを先に見ます。数名で、採るのが最初の数人で、業務委託と副業から始める会社では、次のようになっています。
| 工程 | この段階の現実 | 創業者の時間の消え方 |
|---|---|---|
| 会いたい人を探す | 知人、紹介、自分の発信、イベントで見つける。一覧は頭の中 | 見つけた人を忘れる。誰にいつ連絡したか分からなくなる |
| 初回の連絡 | 創業者が一通ずつ書く。相手ごとに全部書き直す | まとまった時間が要り、プロダクトの合間に取れず、連絡が止まる |
| 返信と日程 | 返信が来ると創業者が返す。忙しいと数日空く | 細切れで集中が切れる。空くと相手が冷める |
| 会って口説く | 創業者が会い、事業と一緒にやりたいことを語る | 要る時間。ここは残す |
| 一緒に働いて決める | 業務委託や副業で入ってもらい、数週間から数か月で見る | 条件が口頭で、書面が無く、区切りの場が無いまま続く |
| 正社員に切り替える | 決めた人に条件を伝え、入社の手続きをする | 初めてのことで手続きが抜ける。書面が無く、株式の話が口頭で残る |
| 要件の書き直し | 週の単位で変わるが、誰にも書いていない | 会った人に伝えた内容と、いま要ることがずれる |
この表で、創業者の時間を最も削っているのは、口説きではなく、一覧と連絡と返信と日程の下ごしらえです。しかも、シード期はここが止まると探すこと自体が止まります。最初に出すのは、探す手の下ごしらえです。
出す前に:創業者が二時間で言葉の型と「会いたい人」の像を作る
シード期は、半日も取れないことが多い。二時間で、次を作ります。
- 言葉の型。「なぜこの事業をやっているか」「いま何を作っていて、何ができる人が要るか」「最初の数人にどう関わってほしいか」を、創業者が一度だけ書く。初回の連絡の核に使う
- 「会いたい人」の像。「いま要る三つのこと」と「一緒に働いて見たいこと」。正社員の要件ではなく、業務委託や副業で最初に頼む仕事の中身
- これまでの接点の一覧。知人、紹介、発信で会った人と、話した内容と、いまの状態。頭の中から紙へ
- 口説きの枠と、一緒に働く枠。創業者が会う枠を週に固定し、業務委託や副業で入ってもらえる時間の上限を決める
- 現金で払える範囲。業務委託と副業の報酬の考え方。株式報酬は口頭で語らず、書面と専門家の確認を経た内容だけ
代行は、この二時間に同席して聞き出し、紙にするところまでを引き受けます。要件が週で動く前提の作り方は採用要件の定義は代行に出せるかに、創業者の頭の中を言葉にする考え方は評価基準が言語化できていないに書いています。
最初に出す工程:探す手の下ごしらえ(一覧・初回の連絡の下書き・返信と日程・記録)
なぜ最初か。創業者の時間を最も食い、止まると探すことが止まる工程で、判断を含まず(言葉の型と像の中で済む)、出した翌週から創業者の時間が空くからです。シード期の探す相手は知人と紹介と発信で見つけた人なので、代行が「候補者を探す」のではなく、創業者が見つけた人への「連絡と日程と記録」を代行が持ちます。
代行に頼む内容。創業者が見つけた人と紹介された人の一覧を一つの場所に作って更新する、言葉の型を核に相手ごとの一文を足した初回の連絡の下書き(送るのは創業者の名前で、初回は創業者が一度確認)、返信への対応と日程の調整(創業者の枠に入れる)、接点の記録(誰に、いつ、何を話し、いまどの状態か)、創業者の発信への反応の拾い上げ。
社内に残す判断。誰に連絡するかは創業者が決めます。口説きは創業者です。一覧を見て「この人と会う」を決めるのも創業者です。代行は一覧と下書きと日程と記録までで、創業者の判断を待つ形に組みます。
費用の見方。シード期は現金が限られるので、稼働の小さい形(週に数時間、一覧と連絡と日程だけ)から始めます。「創業者が一覧と連絡と日程に使った時間」が減ったか、「連絡した人のうち会えた比率」が保たれたかで、最初の月の効果を見ます。連絡の件数だけを見ると、知人と紹介の関係が薄い連絡で消耗します。文面の作り方はスカウト文面の作成は代行に出せるかに、日程調整は面接の日程調整は代行に出せるかに、知名度が無い段階の探し方は知名度がなくて応募が集まらないに整理しています。
エラベルの見解
シード期の会社に代行を勧めるとき、私たちが最初に確かめるのは「そもそも代行が要るか」です。数名で、採るのが最初の数人で、探す相手が知人と紹介なら、創業者が自分で回せている会社も多い。代行が要るのは、「会った人を忘れる」「連絡が止まる」「返信が数日空く」が起きていて、それで相手が冷めている場合です。要るなら、出すのは下ごしらえだけで、探す相手を決めることと口説きは出さない、と最初に決めます。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「この一か月で、会いたいと思った人に連絡できなかった人は何人いますか」を、私たちから先に聞いています。答えが「いない」なら、まだ代行は要りません。「何人かいる」なら、一覧と連絡と日程の下ごしらえだけを、週に数時間の形で出すところからです。スタートアップに向く代行の条件はスタートアップに向く採用代行の条件に書いています。
次に出す工程:一緒に働いて決める段の書面と手続き(条件の書面・入る前の一枚・区切りの場)
なぜ次か。シード期は業務委託や副業で入ってもらってから決めるので、「入る前の条件」と「区切りの場」が無いと、口頭の約束が積み上がり、後で揉め、決める場が無いまま続きます。一緒に働く人が出てから要る工程なので、最初ではなく次です。
代行に頼む内容。業務委託と副業の条件(頼む仕事の中身、時間の上限、報酬の考え方、期間、区切りの時期)を書面にする作業、入る前の一枚(いま作っているもの、最初の数週間で頼むこと、誰と、どう連絡を取るか)、区切りの場(数週間から数か月の後に「続けるか、正社員に切り替えるか、終えるか」を話す場)の日程と記録、契約の形の整理された内容に沿った手続きの案内。
社内に残す判断。契約の形(業務委託か、副業か、雇用か)と線引きは、法令上の整理があると一般に整理されているため、会社と専門家で整理します。個別の判断は専門家にご確認ください。代行は整理された形に沿って書面と手続きを整え、形の判断には踏み込みません。区切りの場で「続けるか」を決めるのは創業者です。
費用の見方。一緒に働く人の数で稼働が決まり、小さい。「口頭の約束で揉めた件数」と「区切りの場が予定どおり開かれた比率」で効果を見ます。一緒に働いてから決める型は業務委託で入ってもらってから採用するに、条件の書面は条件提示・オファー面談は代行に出せるかに書いています。
最後に出す工程:正社員に切り替えるときの型(条件の書面・入社までの一覧・最初の三か月の一枚)
なぜ最後か。切り替える人が出てから要る工程で、シード期に先に作っても使わないからです。ただ、最初の一人を切り替えるときに型が無いと、手続きが抜け、株式の話が口頭で残り、最初の三か月の設計が無いまま入って、ずれます。
代行に頼む内容。正社員の条件の書面(現金の給与、株式報酬は書面と専門家の確認を経た内容だけ)、入社までの一覧(手続き、必要な書類、誰がいつ何をするか)、最初の三か月の一枚(頼むこと三つ、週次の接点、三か月後に話すこと)、切り替えた後の記録。
社内に残す判断。切り替えるかどうか、条件の中身、株式報酬の設計は創業者と専門家です。代行は書面の形と一覧と手続きの運用までです。
費用の見方。切り替える人数で稼働が決まり、小さい。「手続きの抜けの件数」と「三か月後に一枚のとおり話せたか」で効果を見ます。受け入れの型は入社後のオンボーディングは代行に出せるかに書いています。
エラベルの見解
シード期で代行が機能しない型は、「シリーズA以降の型をそのまま持ち込む」ことです。スカウトの送信、媒体の運用、母集団形成、一次面接の代行、と工程を並べても、シード期には使う場面が無く、現金だけが減ります。シード期の探す相手は知人と紹介と発信で見つけた数十人で、要るのはその人たちとの接点を切らさない下ごしらえと、一緒に働いて決める段の書面です。代行会社を選ぶときは、「シード期で最初の数人を一緒に採ったことがあるか」「週に数時間の小さい形で始められるか」「資金の状況で止められるか」を確かめます。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「代行に頼みたいのは、人を集めることですか、会った人との接点を切らさないことですか」を、私たちから先に聞いています。答えが「集めること」なら、シード期にはまだ早いことが多く、その理由も一緒に見ます。会社の規模と代行の相性は会社規模と代行会社の相性に、月額と成果報酬の見方は採用代行は月額型と成果報酬型のどちらが得かに書いています。
まとめ
- シード期はそもそも代行が要るかを先に確かめる。「会いたい人に連絡できなかった人」がいるなら要る
- 最初に出すのは探す手の下ごしらえ(一覧・初回の連絡の下書き・返信と日程・記録)。探す相手を決めることと口説きは出さない
- 次に出すのは一緒に働いて決める段の書面と手続き。契約の形と線引きは会社と専門家。個別の判断は専門家にご確認ください
- 最後に出すのは正社員に切り替えるときの型。株式報酬は書面と専門家の確認を経た内容だけ
- 出す前に創業者が二時間で言葉の型と「会いたい人」の像を作る
- 費用は週に数時間の小さい形から。効果は「創業者の時間」と「会えた比率」で見る
- シリーズA以降の型を持ち込まない
よくある質問
創業者が「最初の数人は自分の目と手で全部やる」と言い、出したがりません
探す相手を決めること、口説くこと、一緒に働いて見て決めることは、この記事でも「どの段階でも出さない」工程です。出すのは、その前後の下ごしらえ(一覧、下書き、日程、記録)と書面だけで、創業者の目と手には触れません。「会いたいと思った人に連絡できなかった人」がいないなら、出さなくて構いません。いるなら、下ごしらえが創業者の目と手を守ります。
資金が少なく、来月に止めるかもしれません
止められる形で始めます。週に数時間の稼働で、月の単位で止められる契約、止めるときは一覧と記録を会社に残す取り決め、を先に決めます。代行を止めても一覧と記録が会社に残れば、創業者が自分で続けられます。止める判断のタイミングは採用代行をやめる判断のタイミングに書いています。
最初の数人が入って、次の段階に進んだら、出した工程はどうなりますか
一覧と記録と書面の型は、そのままシリーズAの土台になります。シリーズAでは、探す相手が知人と紹介から外(スカウト、媒体)に広がり、出す工程が「創業者の口説きの前の手(抽出・送信・追客・返信・日程)」に広がります。シード期に作った言葉の型と一覧と書面が無いと、シリーズAで最初から作り直すことになります。次の段階の順番はシリーズAスタートアップの採用代行に、体制はシリーズAスタートアップの採用体制の作り方に書いています。