採用代行 / 急成長フェーズの会社
急成長フェーズの会社の採用体制の作り方|社内に残す役割
急成長フェーズの会社が採用代行を使うとき、決めるべきことは「何人採るか」ではなく、「人が増えても崩れない体制を、増える前にどう作るか」です。急成長フェーズでは、採用の数が増え、面接官が増え、入る人が増え、代行との接点が増えます。増えてから体制を作ろうとすると、作っている間に崩れます。結論を先に書くと、社内に残す役割は「要件の軸を決める人」「週に一度、優先順位を決める場」「最終の面接官」「受け入れの担当」の四つで、この四つを増える前に置いてから代行に出せば、数が増えても崩れません。この記事では、四つの役割の中身と、増え方の段階ごとに何を作るか、代行との線の引き方を整理します。失敗の形は急成長フェーズの会社が採用代行で失敗するパターンに、急な増員への対応は急な増員要請に対応できないに、代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。
急成長フェーズで、採用に割ける時間はどう変わるか
体制を作る前に、急成長フェーズで社内の時間がどう変わるかを見ます。人が増えるにつれて、採用に関わる人の時間は次のように変わります。
| 誰 | 増える前 | 増えている最中 |
|---|---|---|
| 経営者 | 全員の面接に出て、全員を自分で決めている | 面接に出る時間がなくなり、判断が溜まる。方針は毎週変わる |
| 人事(いれば) | 一人で全工程を回している | 代行と現場と経営者の間で、伝言と管理に埋まる |
| 現場の管理職 | 少人数で、面接にも出られる | 管理職自身が急に増え、面接に慣れていない。本業で手一杯 |
| 入った人 | 少人数なので自然に教えてもらえる | 一度に入る人数が多く、教える人が決まらない |
この表で見るべきは、「増える前に回っていたやり方が、増えている最中には全部通じなくなる」ことです。経営者が全員を見る、人事が一人で回す、管理職が面接に出る、自然に教えてもらえる。どれも人数が少ないから成り立っていて、増えると崩れます。体制は、増える前のやり方を延長するのではなく、増えている最中に通じる形で、増える前に作ります。
社内に残す役割一:要件の軸を決める人
中身。急成長フェーズで変わり続ける要件のうち、「変わらない部分」を決めて代行に渡す。会社の段階に合う人、変化に対応できる人、職種を問わず最低限求める力。職種や人数や優先順位は変わってよいが、軸は変えない。
誰が担うか。経営者か、人事の責任者です。軸は会社の方向と結びついているので、現場の管理職には決められません。一人で決め、変えるときはその人が変えます。
時間の目安。最初に軸を決めるときにまとまった時間、その後は変える必要が出たときだけです。軸が決まっていると、代行は職種や人数が変わっても探し直しの幅が小さくて済みます。要件が固まらないときの対応は採用要件が固まらないに、要件の決め方は採用要件の定義を代行に出すに、会社の文化の伝え方は企業文化を理解してもらう方法に書いています。
社内に残す役割二:週に一度、優先順位を決める場
中身。変わる部分(今週はどの職種を先に、何人、どの募集を止めるか)を、週に一度決めて代行に伝える。代行からの判断の依頼(この候補者を進めるか、この条件で出すか)を、この場でまとめて返す。数と定着の数字を見る。
誰が担うか。経営者と、人事(いれば)と、代行の担当者です。現場の管理職は、必要なときだけ入ります。この場を作らないと、判断が経営者のメールに溜まり、代行が待ちます。
時間の目安。週に一度、短い時間で足りますが、固定します。「今週は忙しいから飛ばす」をすると、その週の判断が全部止まります。急成長フェーズで最も守るべき時間です。定例で見る数字は採用代行との定例会で見るべき数字に、指標の設計は採用KPIの設計は代行に出せるかに整理しています。
エラベルの見解
これをやる前に、先に決めておかないと効果が出ないことがあります。それは、「一度に入る人数の上限」を、受け入れられる人数から決めておくことです。相談で見ていると、急成長フェーズの会社は、採れる数を上限にして、受け入れの側を後から考えます。そうすると、一度に入った人に教える人がおらず、机も端末も間に合わず、最初の一か月で辞めます。逆に、「今月は受け入れの担当が三人なので、入社は何人まで」と先に決め、それを超える分は入社の時期をずらした会社は、採用の数が同じでも残る人の数が違います。上限を決めることは、採用を遅らせることではなく、採った人を無駄にしないことです。
順番としては、まず受け入れられる人数を決め、次に要件の軸を決め、次に週に一度の場を固定してから、代行の契約に進みます。この順番を逆にして、代行と契約して数を集めてから受け入れを考えると、集まった人を失います。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、急成長フェーズの会社を支援してきた担当者が、契約の前に受け入れの上限から一緒に決めるところから入っています。
社内に残す役割三:最終の面接官
中身。一次面接を代行に出しても、最終の面接は社内の人が担う。候補者と会い、会社の段階と方向に合うかを見て、決める。面接で見た点を短く記録に残す。
誰が担うか。経営者か、配属先の管理職です。急成長フェーズでは経営者が全員を見る形は続かないので、職種や部門ごとに、最終の面接官を管理職に委ねる段階を決めます。委ねるときは、代行が「見る点を三つに絞った手引き」を渡し、慣れていない管理職の負荷を下げます。
時間の目安。最終の面接の回数と、記録の短い時間です。面接官の予定を、週のうち固定の枠として先に確保し、代行がその枠に候補者を入れます。枠がないと、候補者が面接を待つ間に他社に決まります。面接官の育て方は面接官トレーニングは代行に出せるかに、一次面接は一次面接は代行に出せるかに、現場への説明は現場に採用代行の導入を説明するに書いています。
社内に残す役割四:受け入れの担当
中身。入る人ごとに「教える人」を一人決め、最初の一週間の予定を先に作り、二週目に面談を入れる。机、端末、アカウント、入社の書類を、入社の前に揃える。入った人のつまずきを早く拾い、辞める前に手を打つ。
誰が担うか。人事(いれば)か、総務の担当者か、配属先の管理職の誰かです。急成長フェーズでは、この役割が「誰の仕事でもない」まま進みやすいので、名前を決めます。代行に「入社の準備と最初の一か月の受け入れ」を含めて頼む形もあります。
時間の目安。入る人数に比例します。だからこそ、「受け入れの担当が見られる人数」が、一度に入る人数の上限になります。受け入れの設計は入社後のオンボーディングは代行に出せるかに、内定の後の工程は内定者フォローは代行に出せるかに整理しています。
増え方の段階ごとに、何を作るか
急成長フェーズは、一度に来るのではなく、段階を踏みます。段階ごとに、増える前に作るものです。
| 段階 | 起きること | 増える前に作るもの | 代行に出す工程 |
|---|---|---|---|
| 経営者が全員を見られなくなる段階 | 判断が溜まり、候補者が離れる | 週に一度の場、一次面接を出す判断、最終の面接官を委ねる基準 | 探す、連絡、日程、一次面接 |
| 管理職が急に増える段階 | 面接に慣れていない管理職が面接官になる | 見る点を三つに絞った手引き、記録の型、面接官の固定の枠 | 手引きと記録の型の作成、日程を管理職と直接組む |
| 一度に多くの人が入る段階 | 受け入れが追いつかず、早く辞める | 受け入れの担当、一度に入る人数の上限、教える人の分担 | 入社の準備、最初の一か月の受け入れの運用 |
| 代行が一社で足りなくなる段階 | 代行を増やして管理が崩れる | 工程か職種で分ける線、共通の進捗の表、一つの定例 | 分けた範囲ごとに |
段階の見極めは、「今、何が溜まっているか」で分かります。判断が溜まっていれば第一段階、面接官の予定が埋まらなければ第二段階、入った人が辞め始めたら第三段階です。溜まっているものの一つ前を作ると、次の段階で崩れません。採用計画の設計は採用計画の設計は代行に出せるかに、複数社の考え方は採用代行を複数社に同時発注してよいかに書いています。
エラベルの見解
外に出してよいのは、探す・連絡・日程・一次面接・記録・手引きの作成・入社の準備・受け入れの運用までで、「要件の軸」「週に一度の優先順位」「最終の面接」「受け入れの担当の名前」は社内に残します。急成長フェーズは、社内の時間が最も取れない時期なので、この四つも代行に渡したくなりますが、渡すと、会社の段階に合わない人が入り、現場が「聞いていない」と言い、辞めます。四つを残すことは、代行に頼らないことではなく、代行が動ける土台を社内に置くことです。
担当する側から見ると、急成長フェーズで結果が分かれるのは、担当者が「増える前に作る」提案をできるかどうかです。今の詰まりだけを解く担当者は、判断の溜まりを解いたら次に面接官の不足で止まり、それを解いたら受け入れで止まります。「今は判断が溜まっていますが、次は面接官が足りなくなるので、管理職の手引きを今のうちに作りましょう」と、一段階先を提案できる担当者は、崩れる前に手を打ち、経営者から「先が見えた」と言われます。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、契約の前の面談で「次の段階で何が起きるか」を話す担当者を選べば、増える前に作る体制になります。
まとめ
- 急成長フェーズで社内に残す役割は、要件の軸を決める人・週に一度の優先順位を決める場・最終の面接官・受け入れの担当の四つ
- 増える前に回っていたやり方(経営者が全員を見る、人事が一人で回す、自然に教える)は、増えている最中には通じない。増える前に、増えた後に通じる形を作る
- 一度に入る人数の上限を、受け入れられる人数から先に決める。採れる数を上限にしない
- 要件は変わらない軸と変わる部分に分け、軸は一人が決め、変わる部分は週に一度の場で更新する
- 面接官が増える段階で、見る点を三つに絞った手引きと固定の枠を先に用意する
- 段階の見極めは「今、何が溜まっているか」。溜まっているものの一つ先を作る
よくある質問
経営者が「全員を自分で見たい」と言って、最終の面接を委ねません
委ねる基準を先に決める形で提案します。「今の人数なら全員を見られますが、月に何人を超えると、面接を待つ間に候補者が離れます。その人数を超えたら、この職種はこの管理職に委ねる、と今のうちに決めておきませんか」と、超える前に基準を作ります。全員を見る形を否定せず、続かなくなる時点と、そのときの委ね先を先に決めるだけです。経営者の判断の時間を守るために、代行に「判断が要ることを一覧にして出す」ことも頼みます。急な増員への対応は急な増員要請に対応できないに、スタートアップに向く代行の条件はスタートアップに向く採用代行の条件に整理しています。
受け入れの担当を置く余裕がありません。代行に任せてよいですか
入社の準備と最初の一か月の受け入れの「運用」は、代行に出せます。ただし、「教える人」は社内の人でないと務まらないので、入る人ごとに教える人の名前だけは社内で決めます。代行は、教える人が何をいつやるかの予定を作り、二週目の面談を設定し、つまずきを拾って社内に戻す役割を持ちます。教える人の名前を決めずに代行に「受け入れをお願いします」と渡すと、入った人は代行の担当者としか話さないまま、社内に馴染めません。受け入れの設計は入社後のオンボーディングは代行に出せるかに、副業人材と代行会社の使い分けは副業人材と代行会社の使い分けに書いています。
急成長フェーズで代行を使うとき、契約の期間はどう決めればよいですか
急成長フェーズは、数か月で段階が変わるので、長い期間を固定せず、段階ごとに範囲を見直せる契約にします。「探す・連絡・日程」から始めて、面接官が足りなくなったら一次面接を足し、一度に入る人が増えたら受け入れを足す、という形で、範囲を段階に合わせて変えます。自動更新の有無、範囲の変更の手続き、担当者が替わるときの通知を、契約の前に確認します。途中で範囲を変えたり止めたりするときの進め方は採用代行を途中解約したいときの進め方に、発注前の確認は採用代行を発注する前のチェックリストに整理しています。