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クライアントに実績公開の許可を取る|人事の副業で依頼側の名前や成果を出すなら、「何を・どこに・いつまで」を文面にして依頼側の担当者に出し、返事を書面で残す。断られる前提で、名前を出さない形も先に用意する

公開 2026-09-20

担当した案件で採用がうまく進み、これを実績としてプロフィールや発信に書きたい。ただ、依頼側の名前を出してよいのか、出すならどう頼めばよいのかが分からない。結論を先に書くと、依頼側の名前や具体の成果を実績として公開するなら、許可は口頭ではなく文面で取ります。頼む前に「何を出すか」「どこに出すか」「いつまで出すか」の三つを決め、その内容を依頼側の担当者に出し、返事を書面で残します。断られることは珍しくないので、名前を出さずに書ける形を先に用意し、許可はそれに足す形で頼みます。許可なく出すと、秘密保持の約束に触れるだけでなく、依頼側からの信頼を失い、契約の終了や次の紹介が無くなることにつながります。実績を公開してよいかの線引きそのものは実績を公開してよいかに、特定されない書き方は事例の書き方にまとめています。契約の解釈は、弁護士などの専門家にご確認ください。

許可が要る範囲と要らない範囲

実績の書き方には、依頼側の許可が要るものと、要らないものがあります。まず、自分が書きたいものがどちらかを見ます。

書きたいもの許可理由
依頼側の会社名要る秘密保持で、契約の存在自体を開示しない約束になっていることが多い
業界・規模・状況だけで、会社が特定できない書き方要らないことが多い依頼側が特定されない範囲なら、秘密保持の対象外と整理されることが多い。ただし契約書で確認する
採用した人数や期間などの具体の成果要る依頼側の採用の内情。会社名が無くても、業界と規模と組み合わせると特定されることがある
自分が作った文面や手順の型(依頼側の情報を抜いたもの)要らないことが多い型は自分の成果物。ただし、依頼側に帰属する契約になっていれば要る。ポートフォリオの作り方
依頼側の担当者からの評価の言葉要る相手の発言。転載は本人の了承が要る
候補者に関わる情報出さない許可の対象ではなく、そもそも出さない。個人情報の扱い

範囲の要点は、「会社名と具体の成果は許可が要り、型と構造は要らないことが多い」ということです。許可を取る前に、会社名を出さない形で書けるかを考えると、許可が要る部分は小さくなります。契約書の秘密保持と成果物の帰属の条項を読み、迷えば専門家に確認します。

頼む前に決めておく三つのこと

依頼側の担当者に「実績として書いてよいですか」とだけ聞くと、担当者は判断できず、返事が来ません。何を、どこに、いつまで出すかを、自分で決めてから頼みます。

決めること内容決め方の要点
何を出すか会社名だけか、業務の範囲も出すか、成果の具体も出すか出したいものの最小にする。会社名と業務の範囲だけにし、成果の数字は出さない形が通りやすい
どこに出すか登録先のプロフィール、自分のサイト、SNS、名刺、面談で口頭場所ごとに依頼側の受け取り方が違う。SNSは広がるので断られやすく、登録先のプロフィールは閉じているので通りやすい
いつまで出すか契約中だけか、終了後も出すか、期限を切るか「契約中と終了後一年まで」のように区切ると、依頼側は判断しやすい

三つを決める要点は、「最小で頼む」ことです。会社名・業務の範囲・成果の具体・SNSまで、と全部を頼むと、依頼側は全部を断ります。会社名と業務の範囲を、登録先のプロフィールにだけ、契約中は出したい、と頼めば、担当者は自分の判断で答えられる範囲になります。通った後に、広げたい場合は改めて頼みます。登録先のプロフィールへの書き方はプロフィールの書き方に整理しています。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「うまくいった案件なら、依頼側は実績として出すことを喜ぶ」というものです。実際には、依頼側の担当者は、採用がうまくいったかどうかとは別に、「外部に採用代行を使っていること」を社外に出したくない場合が多いです。採用が外部の力で進んだと見られることを、社内の上長や、候補者に知られたくない事情があります。断られるのは、自分の仕事の評価とは関係ありません。

もう一つ、担当者が了承しても、その会社の広報や法務が別の判断をすることがあります。担当者の口頭の了承だけで出し、後から会社として取り下げを求められる例があります。頼むときは、担当者に「社内で確認が要るなら、その結果を教えてほしい」と添えると、担当者が一人で背負わずに済み、後からの取り下げも減ります。エラベルでは、担当者が依頼側の名前を実績に書くことを希望する場合、依頼側への確認を窓口が仲立ちする形にしていて、担当者が直接頼むより通りやすい場面があります。

依頼側の担当者に出す文面の型

三つを決めたら、担当者に文面で出します。口頭で聞いてから文面にするより、最初から文面で出すほうが、担当者は転送して社内で確認できます。

段落書くこと
一、目的「担当した業務を、今後の案件の紹介のときに実績として示したい」と、目的を先に書く
二、出したい内容「御社名と、担当した業務の範囲(スカウト運用と求人票の作成)」のように、最小で具体に書く。成果の数字は書かないことを明記する
三、出す場所「登録している窓口のプロフィールにのみ」のように、場所を限る
四、期間「契約中と、終了後一年まで」のように区切る
五、候補者の情報は出さないこと候補者に関わる情報は一切出さないことを書く。担当者の安心につながる
六、断ってよいこと「難しい場合は、社名を出さない形にしますので、遠慮なくお知らせください」と添える。断りやすくすると、返事が来やすい
七、社内確認への配慮「社内で確認が要る場合は、その結果で構いません」と添える

文面の要点は、「六」の断ってよいと添えることです。断りにくい頼み方をすると、担当者は返事を保留し、返事が来ないまま時間が過ぎます。断ってよいと書いておけば、担当者は「社名は難しいが、業務の範囲だけならよい」のように、部分的な返事ができます。返事が来たら、そのメールをそのまま保存し、許可の記録にします。依頼側への連絡の型はメールの書き方と運用に書いています。

断られたときの形

断られることは珍しくないので、断られた後の形を先に用意しておきます。用意してあれば、断られても実績が書けなくなるわけではありません。

断られた内容代わりの形
社名を出せない「〇〇業界・従業員規模〇〇の企業」のように、業界と規模だけにする。特定されない書き方は事例の書き方
成果の数字を出せない数字を出さず、「決めていたこと」と「進め方」を書く。実績の示し方
契約の存在自体を出せないその案件は書かず、そこで作った型を、依頼側の情報を抜いた形でポートフォリオにする
公開はだめだが、面談で口頭なら可登録先には書かず、依頼側との面談で「守秘の範囲で」と断ってから口頭で話す
返事が来ない許可が無いものとして扱い、社名を出さない形で書く。催促は一度まで

断られた後の要点は、「返事が来ない場合は許可が無いものとして扱う」ことです。「返事が無いから、だめとは言われていない」と解釈して出すと、後で問題になります。許可は、明示の了承があるときだけです。断られた案件でも、業務の範囲と決めていたことは書けるので、実績が空になることはありません。

許可を取った後に守ること

許可が出た後も、出し方を許可の範囲に収め続けることが要ります。

守ること内容
許可の範囲を超えない登録先だけの許可で、SNSに書かない。業務の範囲だけの許可で、成果の数字を足さない
文面を先に見せる出す前に、実際に書く文面を担当者に見せる。「この文面で出します」と送り、了承をもらう
許可の記録を残す担当者の返事のメールを、案件の記録と一緒に保存する。担当者が替わったときの根拠になる
担当者が替わったら確認し直す依頼側の担当者が替わると、前任の許可を新任が知らないことがある。改めて伝える
取り下げを求められたら応じる依頼側の事情が変わって取り下げを求められたら、すぐに消す。争わない
候補者の情報は出さない許可があっても、候補者に関わることは出さない。ここは許可の対象外

守ることの要点は、「文面を先に見せる」ことです。許可の内容と、実際に書いた文面がずれることは、よくあります。「社名と業務の範囲」の許可で、書いた文面に「〇か月で採用が決まった」と入っていれば、成果の数字を出したことになります。出す前に文面を見せれば、ずれは起きません。

契約の更新や終了で変わること

実績公開の許可は、契約の状態で扱いが変わります。契約の節目で見直します。

節目変わること
契約の更新許可の期間を「契約中」としていたなら、更新で自動に延びる。改めて確認しなくてよいことが多いが、担当者が替わっていれば伝える。契約更新の進め方
契約の終了「終了後一年まで」のように区切っていれば、その期限で消す。区切っていなければ、終了時に改めて確認する。引き継ぎの進め方
依頼側の都合での終了関係が良くない形で終わった場合は、許可があっても出さないほうが安全。契約を切られたとき
依頼側の会社の変化依頼側が合併や社名変更をした場合、許可の前提が変わる。改めて確認する
自分の独立や転職副業のときの許可が、独立後の営業に使えるかは別。改めて確認する

節目の要点は、「終了時に改めて確認する」ことです。契約中に出ていた実績が、終了後もそのまま残っていると、依頼側は「もう契約していないのに名前が使われている」と感じます。終了時に「引き続き出してよいか」を聞き、返事が無ければ消す。この扱いにしておくと、終了後の関係も保てます。

エラベルの見解

担当する側から見ると、実績公開の許可を取るのが上手な人は、案件の最初に「実績として書きたいときは、改めて相談させてください」と一言伝えています。契約の最初に伝えておくと、依頼側の担当者は、終わり際に頼まれても驚きません。契約の最初に伝えず、終わり際に急に頼むと、担当者は「最初から実績にするつもりだったのか」と感じることがあります。

順番として、契約の初回の打ち合わせで実績の扱いに触れておき、案件の途中で書きたいものが決まったら文面で頼み、終了時に改めて確認する。この三つの時点で触れておけば、許可は取りやすくなります。エラベルでは、依頼側との契約の際に、担当者の実績としての扱いを依頼側と最初に整理する形を取っています。担当者が個別に頼むより、窓口が最初に整理しておくほうが、依頼側の負担が小さく、担当者も気兼ねなく頼めます。初回の打ち合わせで触れる項目は初回打ち合わせの進め方に書いています。

まとめ

よくある質問

依頼側の担当者が「いいですよ」と口頭で言ってくれました。それで足りますか

口頭の了承は、担当者が替わったときや、会社として取り下げを求められたときに、根拠になりません。「先日お話しした実績の件、社名と業務の範囲を登録先のプロフィールにのみ、契約中に限って書かせていただきます」のようにメールを送り、返信をもらって保存しておきます。口頭で了承をもらった直後に送れば、担当者は「はい」と返すだけで済みます。

仲介サービスや窓口を通した案件では、誰に許可を取ればよいですか

まず窓口に相談します。窓口と依頼側の契約で、担当者の実績としての扱いが決まっていることがあり、窓口が依頼側に確認する形になることが多いです。担当者が依頼側に直接頼むと、窓口の契約と食い違うことがあるので、窓口を通す案件では窓口を通して頼みます。

許可を取らずに、業界と規模だけで書いた実績は、後で問題になりますか

業界と規模だけで会社が特定できない書き方なら、多くの契約で秘密保持の対象外と整理されますが、業界が狭い、規模が特徴的、状況が珍しいと、組み合わせで特定されることがあります。特定されるかどうかは、自分ではなく読む側の視点で判断し、迷えば粒度を粗くします。書き方は事例の書き方に整理しています。契約書の秘密保持の範囲は、専門家にご確認ください。