人事副業 / 営業からの転身

営業からの転身が副業でできること|経験の棚卸しと売り方|営業の経験は「候補者との接点を作り、動かす」工程でそのまま売れる。スカウト文面と返信後の面談、辞退の理由の聞き取りと引き止めの設計、紹介や経路の開拓の三つ。「営業から人事へ」ではなく、「採用の接点の工程を、営業の技能で」と売る

公開 2026-09-20

営業として働いてきた。初対面の相手に連絡し、関心を聞き出し、断られても関係を続け、紹介をもらう。人事の仕事はしたことがないが、採用の「候補者に連絡して、会って、決めてもらう」という流れは、営業に似ている気がする。副業で人事に転身できるのか、何が売れるのか。結論を先に書くと、営業の経験は、「候補者との接点を作り、動かす」工程で、そのまま売れます。売れるのは、「スカウト文面と返信後の面談の設計」「辞退の理由の聞き取りと引き止めの設計」「紹介や経路の開拓」の三つです。採用で最も止まりやすいのは、候補者に連絡が届かない、返信が来ない、面談で関心が高まらない、辞退の理由が分からない、という接点の工程で、営業の技能がそのまま効きます。「営業から人事へ」ではなく、「採用の接点の工程を、営業の技能で」と売ります。人事未経験の売り方は人事未経験が副業でできることに、未経験の区分は人事未経験でも受けられる仕事はあるかに、ヒアリングの技能はヒアリング力の磨き方にまとめています。

この経歴の何が売れるか

営業の技能を、採用の工程に置き換えた棚卸しです。

営業の技能採用の工程への置き換え依頼側にとっての価値
初対面の相手に短い文面で返信をもらうスカウト文面を、一通目で返信をもらう構成にする。件名、最初の一文、相手に合わせた一言スカウトの返信が来ない依頼側が多い
相手の関心と困りごとを聞き出す候補者との面談で、転職の理由と求めるものを聞き出し、依頼側の魅力と結びつける面談が会社の説明で終わり、候補者の関心が高まらない依頼側が多い
断られた後も関係を続ける辞退した候補者、見送った候補者との関係を残し、次の機会につなげる辞退で関係が切れ、候補者の蓄積がない依頼側が多い
断られた理由を聞く辞退の理由を、当たり障りのない答えの奥まで聞き、文面と条件に反映する辞退の理由が「他社に決めた」で止まっている依頼側が多い
紹介をもらう社員や候補者からの紹介の仕組みを設計し、紹介が回る形にする紹介が偶然に頼っている依頼側が多い
経路を開拓する媒体、紹介、直接応募、発信、と候補者の経路を増やす一つの媒体に頼っている依頼側が多い
数字で追う習慣連絡、返信、面談、選考、内定、入社の段階の数を追い、落ちているところを見る「応募が少ない」としか見えていない依頼側に、段階で見る型を渡せる
相手の言葉で話す求人票と面談で、社内の言葉ではなく候補者の言葉で話す求人票が社内の言葉で書かれている依頼側が多い

売れるものの要点は、「採用の接点の工程は、営業の工程とほぼ同じ構造」だということです。スカウトは初回の接触、面談は関心の聞き出し、辞退は失注、紹介は紹介。営業でやってきたことを、候補者に対してやる。この置き換えができれば、人事の肩書きが無くても、依頼側にとっての価値は明確です。スカウト文面の書き方は文章力をどう磨くかに、面談の設計はヒアリングで押さえる項目に、紹介の仕組みは紹介につなげるに書いています。

売りにくい点とその扱い

営業の転身で売りにくい点は三つあり、扱い方があります。

売りにくい点依頼側の懸念扱い方
押しの強さへの警戒「候補者を押して入社させるのでは」「無理に引き止めて、入社後に辞めるのでは」「押す」ではなく「合うかを一緒に確かめる」と最初に示す。合わない候補者は無理に進めない、と線を引く。入社後の定着まで見る姿勢を示す
候補者の判断を任せられるか「関心を高めるのは得意でも、合うかどうかの判断は」判断を売らない。面談で聞き出したことを材料として渡し、判断は依頼側が持つ
人事の工程を知らない「内定の出し方、条件の提示、入社の手続きを知らないのでは」範囲を接点の工程に絞る。スカウト、面談、辞退の理由、紹介、経路。工程の運用と条件は依頼側

扱い方の要点は、「押す」ではなく「合うかを一緒に確かめる」と、最初に示すことです。営業の転身で依頼側が最も警戒するのは、「営業の押しで入社させて、すぐ辞める」ことです。この警戒に、「合わない候補者は無理に進めません。入社後に続くかまで見て、合う人を進めます」と最初に答えれば、営業の技能は警戒ではなく強みとして受け取られます。営業で身についた「無理に売らない」判断は、採用でも同じです。判断の線は業務範囲を書面で固めるに、人事の工程の学び方は学び直しの進め方に、候補者との関係は候補者対応で気をつけることに整理しています。

エラベルの見解

担当する側から見ると、営業から転身して続いている人と、最初の案件が取れない人の差は、「営業の経験を人事に活かします」と言うか、「スカウトの返信が来るところまでと、面談で候補者の関心が高まるところまでを担います」と言うかです。前者は依頼側に「何をしてくれるのか分からない」と映り、後者は「うちの詰まりはそこだ」と映ります。採用の接点の工程で困っている依頼側は多く、営業の技能は工程で示せば強く伝わります。

見ていて差がつくのは、辞退の理由を、当たり障りのない答えの奥まで聞いているかです。「他社に決めました」で止めず、「他社のどこが決め手でしたか」「うちで気になった点はありましたか」と、営業で失注の理由を聞くのと同じように聞いている担当者は、依頼側の求人票と条件と面談を直す材料を持ち帰り、次の候補者の辞退が減っています。人事の経験者でも、辞退の理由をここまで聞く人は多くなく、営業の技能が最も差になる工程です。エラベルでは、依頼側が担当者を選ぶ仕組みなので、接点の工程を明確にし、「押さない」線を示している担当者に、その詰まりを抱えた依頼側がついています。営業の転身は、押す力ではなく、聞く力で始まります。

案件の探し方

営業から入りやすい案件と、探し方です。

入りやすい案件理由探し方
スカウト文面の作成と改善初回の接触の技能で入れる「一通目で返信をもらう構成」を示す。営業の文面の実績を、スカウトに置き換えて
候補者との面談の設計と同席関心を聞き出す技能で入れる「候補者の転職の理由と求めるものを聞き出し、依頼側の魅力と結びつける」を示す
辞退の理由の聞き取りと反映失注の理由を聞く技能で入れる「辞退の理由を奥まで聞いて、求人票と条件と面談に反映する」を示す
紹介の仕組みの設計紹介をもらう技能で入れる「社員と候補者からの紹介が回る形」を提案の形で
経路の開拓経路を増やす技能で入れる「一つの媒体に頼らない経路」を提案の形で
営業職の採用自分の職種の候補者の目線が分かる「営業職の候補者が求人票のどこを見るか、面談で何を聞きたいか分かる」を示す。最初の案件に向く

探し方の要点は、「営業職の採用から入る」ことです。自分の職種なら、候補者がどこを見ているか、何に惹かれ、何で冷めるか、辞退の本当の理由は何かが分かり、人事の経験が無くても依頼側にとって価値があります。営業職の採用で一件受け、スカウト文面と面談と辞退の理由の型を作れば、他の職種にも広げられます。案件の探し方は案件の探し方に、始め方は人事の副業の始め方に、面談で聞かれることは副業案件の面談で聞かれることに書いています。

単価の目安

単価は、具体的な額ではなく、決まり方の構造で考えます。営業の転身で、単価に影響する要素です。

要素単価への影響考え方
接点の工程の技能の強さスカウトの返信、面談での関心、辞退の理由は、人事経験者でも得意な人が少なく、営業の技能が高く評価される「未経験だから安く」ではなく、接点の工程の単価で
判断を含まない範囲判断を含まない範囲は、判断を含む範囲より単価は下がる材料と接点に徹し、判断は依頼側に
成果報酬の誘い営業の経験があると、「入社が決まったら成果報酬で」と誘われやすい成果報酬は、判断が依頼側にある以上、自分で結果を左右できない。時間か成果物で受ける方が安定する
自分の職種の採用営業職の採用では、職種の理解が評価される他の職種より単価を下げない
型の蓄積スカウト文面の型、面談の型、辞退の理由の聞き取りの型は、依頼側に残す価値が高い型を残す形で、更新の根拠にする
最初の案件人事の実績が無いので、範囲を絞って小さく単価を下げるのではなく、範囲と時間を小さくする

単価の要点は、「成果報酬の誘いに、最初は乗らない」ことです。営業の転身では、依頼側から「入社が決まったら成果報酬で」と誘われやすく、営業の感覚で受けたくなります。ただ、採用の判断は依頼側にあり、候補者の意思もあり、自分の力で結果を左右できる範囲は営業より狭いです。時間か成果物で受け、実績ができて判断の構造が分かってから、成果報酬を検討します。成果報酬を含む単価の構造は人事の副業単価の相場に、成果の見せ方は成果をどう定義しておくかに整理しています。

始める順番

営業から人事の副業を始める順番です。

順番内容
一、営業の技能を、採用の接点の工程に置き換えて書き出す初回の接触、関心の聞き出し、失注の理由、紹介、経路、数字
二、「押さない」線を、自分の言葉で書く合わない候補者は進めない。入社後の定着まで見る
三、人事の主要な工程と言葉を一通り学ぶ応募から入社までの流れ、内定と条件の提示、個人情報の扱い
四、範囲を接点の工程に絞るスカウト、面談、辞退の理由、紹介、経路。運用と条件と判断は依頼側
五、営業職の採用を、最初の範囲にする候補者の目線が分かる職種から
六、「採用の接点の工程を、営業の技能で」の一言を作る「営業から人事へ」とは言わない
七、登録先に、範囲を工程で登録するスカウト文面、面談の設計、辞退の理由の聞き取り
八、時間か成果物で一件受け、型を残す成果報酬は後で

順番の要点は、「二」の「押さない」線を、自分の言葉で書いておくことです。営業の転身への依頼側の懸念は、「押して入社させて、すぐ辞める」の一点に集まります。この懸念に、最初の面談で自分の言葉で答えられれば、営業の技能は懸念ではなく強みになります。営業でも、無理に売った顧客は続かなかったはずで、その経験をそのまま言葉にします。自己紹介の型は自己紹介文のテンプレートに、プロフィールはプロフィールの書き方に書いています。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「営業の経験は、人事では押しが強いと嫌われる」というものです。実際には、採用で最も止まりやすいのは接点の工程で、候補者に届かない、返信が来ない、面談で関心が高まらない、辞退の理由が分からない、という依頼側の詰まりに、営業の技能はそのまま効きます。嫌われるのは、押すことであって、営業の技能ではありません。「押さない」線を示し、聞く力を前に出せば、営業の転身は依頼側に歓迎されます。

順番として、営業の技能を接点の工程に置き換え、「押さない」線を自分の言葉で書き、人事の工程と言葉を学び、範囲を接点に絞り、営業職の採用から始め、工程と技能を結びつけた一言を作り、登録先に工程で登録し、時間か成果物で一件受けて型を残す。この順番で、営業の転身は、「押しが警戒される転身」から「接点の詰まりを埋める形」になります。エラベルでは、依頼側が担当者を選ぶ仕組みなので、接点の工程を明確にし、「押さない」線を示している担当者に、その詰まりを抱えた依頼側がついています。営業の転身は、押す力ではなく、聞く力と線の提示で始まります。

まとめ

よくある質問

依頼側から「入社が決まったら成果報酬で」と言われました。営業の経験があるので自信はあります

最初の案件では、時間か成果物で受けることをお勧めします。営業と違い、採用の判断は依頼側が持ち、候補者の意思もあり、自分の力で結果を左右できる範囲が狭いです。スカウトで返信をもらい、面談で関心を高めても、依頼側の面接で見送られる、条件で辞退される、ということが起きます。実績ができて、その依頼側の判断の構造が分かってから、成果報酬を検討します。成果報酬の考え方は成果報酬型は受けるべきかに整理しています。

候補者との面談で、営業のように「クロージング」してよいですか

「合うかを一緒に確かめる」形にし、押して決めさせる形は避けます。営業のクロージングは、相手が決めるための最後の一押しですが、採用では、押されて入社した候補者は続かず、依頼側と候補者の両方に損があります。面談では、候補者の転職の理由と求めるものを聞き出し、依頼側の魅力と結びつけ、合わない点があれば正直に伝えます。その姿勢が、候補者の信頼と、依頼側の信用の両方を作ります。面談の設計はヒアリングで押さえる項目に、候補者との関係は候補者対応で気をつけることに書いています。

営業の顧客や人脈を、副業の候補者の経路に使ってよいですか

本業の営業の顧客や人脈を、副業の候補者の経路に使うことは避けます。本業の会社の情報と関係を副業に持ち込む形になり、本業との利益相反と守秘の線を越えます。副業の経路の開拓は、依頼側の社員の紹介、依頼側の候補者の蓄積、公開の媒体と発信で行います。営業で身についた「経路を開拓する技能」は使えますが、「本業で作った経路そのもの」は使いません。線の引き方は本業と利益相反になる案件に整理しています。