人事副業 / 新卒採用の設計
新卒採用の設計で副業を始めるには|最初の1件の取り方
社内で新卒採用を回してきた。年間の計画を作り、説明会を開き、選考を回し、内定者を入社まで繋いできた。この経験を副業で使えないか。そう思って募集を見ると、「新卒採用の立ち上げ」「新卒採用の企画運営」の案件はあるのに、自分の何を見せれば選ばれるのかが分からない。「新卒採用の担当をしていました」では何をする人か伝わらず、「学生の気持ちが分かります」では説明会を盛り上げる人にしか見えないからです。結論を先に書くと、最初の1件を取るには、「入社の日から逆算した年間の計画を作り、内定期間の接点に出る社員の時間を先に押さえ、選考の結果の連絡の期限を決めて複数の候補者を途切れずに動かし、内定から入社までの接点で辞退を減らした」と、年間の計画と運用の型と繋ぎの三つで見せます。見本は年間の計画の型と説明の場の型と選考の運用の記録の表と内定期間の接点の型と役割の線で作り、入口は、中途の代行やオンボーディングの案件の中で提案、紹介、副業のプラットフォーム、担当者を選べる窓口の四つで、最初は「年間の設計だけ」「内定から入社までの繋ぎだけ」「説明の場の設計だけ」と小さく受け、受ける前に「なぜ新卒で」と繁忙期の稼働と公的な指針の確認の担当と学生の情報の扱いを確かめ、最初の1件を「計画の型と運用の型と記録が残り、学生の情報は残らない形」で終えて2件目につなげます。案件の型と新卒に固有の線は新卒採用の設計の副業案件に、1案件の流れは新卒採用の設計の副業の実務に、新卒採用の経験の売り方は新卒採用担当が副業でできることに書いています。ここでは「最初の1件の取り方」に絞ります。
経験を棚卸しする:年間の計画・運用の型・繋ぎ
依頼側が読むのは、「説明会を盛り上げられるか」ではなく、「年間の計画で母集団を作り、複数の候補者を同時に動かし、内定から入社まで繋げるか」です。社内の経験を三つに分けて書き出します。
| 項目 | 書き出すこと | 依頼側が読むこと |
|---|---|---|
| 年間の計画 | 入社の日から逆算して、時期・経路・説明の場・選考・内定期間の接点をどう置いたか。社員の時間をどう押さえたか。公的な指針をどう確認したか | 説明会の日程からではなく、入社の日から設計できるか |
| 運用の型 | 複数の候補者を同時に、段階ごとに、結果の連絡の期限を決めて、途切れずに動かした型。記録の表 | 繁忙期に途切れずに回せるか |
| 繋ぎ | 内定期間の接点(月に一度の連絡、社員との接点、内定者同士の場、不安を聞く型)をどう設計し、辞退がどう変わったか | 内定のあとを設計できるか |
いちばん差がつくのは三つ目です。「新卒採用を〇年担当」ではなく、「内定期間に社員との接点を月に一度入れ、不安を聞く型を作ったら、内定辞退が減った」と、設計したことと変わったことの組で書きます。数字は会社の許可の範囲で。数字の見せ方は数字で語るに、実績の示し方は実績の示し方に書いています。
見本を作る:年間の計画の型・説明の場の型・記録の表・接点の型・役割の線
新卒採用の設計は、成果物が計画と型なので、見本を見せやすい仕事です。五つを、会社と学生が特定できない形で作ります。
| 見本の要素 | 作り方 | 注意 |
|---|---|---|
| 年間の計画の型 | 入社の月から逆算して、内定期間、内定、選考の段階、説明の場、母集団作り、を月ごとの表に。各行に「誰が動くか」「社員の時間」「確認が要る点」の欄 | 時期の数字を自分の記憶で書かない。「確認が要る点」の印で |
| 説明の場の型 | 入社の一年後の姿、社員の場面、参加者が持ち帰るもの、質問、次の案内、選考でないことの明示。社員が語る前提の進行表 | 会社の紹介が中心の型にしない |
| 選考の運用の記録の表 | 候補者(架空)、段階、日程、結果、結果の連絡までの日数、辞退の兆し、の欄 | 実在の学生を使わない。架空と明記 |
| 内定期間の接点の型 | 内定の月から入社の月まで、月ごとに、連絡の内容、社員との接点、内定者同士の場、不安を聞く型、入社前の準備、学業への配慮の欄 | 頻度が高すぎて囲い込みに見える型にしない |
| 役割の線の一枚 | 会社が決めること(人数と職種と理由、合否、条件、学校との関係、公的な指針の確認、社員の時間)・自分がすること(計画、場と選考の型と運用、繋ぎの型、記録)・しないこと(合否、慰留、家族への働きかけ、学校への連絡) | 自分の欄に「合否」「慰留」を入れない |
見本が一組あれば、依頼側は「この人は説明会の人ではなく、入社の日まで設計する人だ」と読みます。見本の作り方はポートフォリオの作り方に、内定から入社後の定着は新卒が定着しないに書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、新卒採用の最初の1件は、「学生に人気が出そうな企画を出す人」ではなく「年間の計画の型で、内定の月から入社の月までの行が埋まっている人」に来ます。依頼側の多くは、過去に内定辞退で痛い思いをしていて、「内定のあとに何をすればよいか」を知りたがっています。見本の年間の計画で、内定期間の行に「社員との接点」「内定者同士の場」「不安を聞く」が月ごとに入っていれば、依頼側は「ここが空いていた」と読みます。エラベルで担当者を選ぶ企業も、説明会の企画より、「内定から入社までをどう設計するか」を見ています。受ける側がその場で使える判断としては、見本の年間の計画を作ったら、内定の月から入社の月までの行を最初に埋め、説明会の行は最後に埋めること。埋める順が、設計の順を表します。
プロフィールに書くこと
| 書くこと | 書き方の形 | 書かないこと |
|---|---|---|
| できる範囲 | 「新卒採用の、入社の日から逆算した年間の設計・社員が語る説明の場の設計と進行・段階ごとの選考の運用(結果の連絡の期限、記録)・内定から入社までの接点の設計・振り返りと次の年の計画。合否と条件と学校との関係は会社」 | 「新卒採用の企画運営全般」「学生集客」 |
| 年間の計画 | 「入社の日から逆算し、内定期間の接点に出る社員の時間を先に押さえる。公的な指針と慣行は会社が確認」 | 「最新の採用スケジュールに精通」 |
| 運用の型 | 「複数の候補者を、段階ごとに、結果の連絡の期限を決めて途切れずに動かす」 | 「丁寧な学生対応」 |
| 繋ぎ | 「内定期間に、月に一度の連絡と社員との接点と内定者同士の場と不安を聞く型を置き、学業を妨げない頻度で。慰留はしない」 | 「内定者フォロー」「囲い込み」 |
| 結果 | 「〇〇の接点で、内定辞退が減った」「連絡の期限を決めて、選考の途中の辞退が減った」を二〜三組 | 「説明会に〇〇人集客」だけ |
| 線 | 「合否と条件は会社。学生への連絡は会社の名義で。慰留と家族への働きかけと学校への連絡はしない。学生の情報は手元に残さない」 | 何でもやります |
止まりやすいのは、「学生集客」「囲い込み」「最新の採用スケジュールに精通」と書くときです。集客で評価される案件が来て、囲い込みを求められ、時期の判断を自分が負う形になります。プロフィールの書き方はプロフィールの書き方に書いています。
最初の1件が見つかる四つの入口
| 入口 | 向く人 | 進め方 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 中途の代行やオンボーディングの案件の中で提案 | すでに採用や定着の案件を持っている | 会社が「新卒も採りたい」と言ったとき、「入社の日から逆算した年間の計画を、まず一枚作りませんか。なぜ新卒で、を一緒に決めるところから」と提案 | 中途の範囲と混ぜない。繁忙期の稼働を先に伝える |
| 元の勤務先や知人の紹介 | 前職や取引先に、内定辞退が多い会社を知っている | 「内定から入社までの繋ぎだけ、今年の内定者から」と範囲を絞って提案 | 現在の勤務先の学生の情報や計画を持ち込まない |
| 副業のプラットフォーム | まず件数を見て選びたい | 「新卒採用の立ち上げ」の募集に、見本(年間の計画の型と接点の型)を付けて応募。募集文で「なぜ新卒で」「社員の時間」「繁忙期の稼働」を見る | 「学生集客」「説明会の運営スタッフ」の案件は、範囲を直して提案するか、当日だけとして責任の範囲を書面に |
| 担当者を選べる窓口への登録 | 条件が合うときだけ受けたい | 登録して、見本と繁忙期の稼働の条件を出しておく | 窓口の仕組み(誰が何を決めるか)を確かめる |
最も通るのは、二つ目の「内定から入社までの繋ぎだけ」の提案です。内定辞退で困っている会社は、今年の内定者に対して今すぐ手を打ちたい。案件の探し方は案件の探し方に、紹介の頼み方は紹介を頼むに書いています。
小さく受ける:年間の設計だけ・繋ぎだけ・説明の場の設計だけ
最初の1件は、一年の一式ではなく、小さい範囲で受けます。
| 小さく受ける型 | やること | 見せられる結果 | 次につなぐ提案 |
|---|---|---|---|
| 年間の設計だけ | 「なぜ新卒で」を会社と決め、入社の日から逆算した年間の計画と、資源の一覧と、確認が要る点の印を作る。実行は会社 | 年間の計画の一枚 | 「説明の場と選考の運用を持ちます」→運用へ |
| 内定から入社までの繋ぎだけ | 今年の内定者について、接点の型(月に一度の連絡、社員との接点、内定者同士の場、不安を聞く型)を作り、入社まで回す | 内定辞退の記録と、入社の数 | 「次の年は選考の段階から設計します」→年間の設計へ |
| 説明の場の設計だけ | 社員が語る説明の場の型を作り、社員の中身を聞き出し、進行を担う | 説明の場から次の段階に進んだ率 | 「選考の運用も持ちます」→運用へ |
止まりやすいのは、小さく受けたのに、「内定者の辞退を止めて」と慰留が流れてくるときです。「接点の設計まで。辞退の判断は本人、対応は会社」を書面に残します。
受ける前に確かめること
| 確かめること | なぜ |
|---|---|
| 「なぜ新卒で」「入社の一年後に何をしているか」を会社が言えるか。言えなければ決める工程を範囲に入れるか | 「若い人が欲しい」で設計を始めないため |
| 繁忙期(説明の場と選考の時期)に、平日の日中に週にどれだけ動けるか。月ごとの稼働の幅 | 本業に響かないため |
| 説明の場で語る社員、面接官、内定期間の接点に出る社員の時間を会社が確保するか | 自分が語る形にならないため |
| 採用活動の時期、内定の扱い、学校との関係の公的な指針と慣行は、会社が確認することに同意するか | 自分が時期を判断しないため。個別の判断は専門家にご確認ください |
| 学生への連絡は会社の名義か外部の担当として名乗る形か。文面の承認者 | 私的な連絡先を使わないため |
| 学生の情報(学校名、成績、家族、選考の記録)は会社の管理する場所で、学校と家族への連絡は会社が行うこと | 情報を手元に残さないため |
| 慰留と家族への働きかけと学校への連絡は範囲に含まないことに同意するか | 線を越えないため |
| 評価の基準(経路ごとの母集団、段階ごとの辞退、内定期間の辞退、入社の数。説明会の参加者の数ではない) | 集客で評価されないため |
確かめる順は副業で法令違反をしないためにに、個人情報の扱いは候補者の個人情報の扱いに、条件のすり合わせは条件のすり合わせに書いています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、受ける側の「最初の1件は、説明会を成功させれば実績になる」というものです。実際には、説明会の参加者が多くても、選考の途中で連絡が途切れ、内定のあとに放置されれば、入社の数は変わらず、「集まったが来なかった」で終わります。同じ1件目でも、「今年の内定者の繋ぎだけ」と受け、月に一度の接点と社員との接点と不安を聞く型を回し、入社の数を記録した人は、1件目の終わりに「接点の型」「辞退の記録」「入社の数」が残り、それが次の年の年間の設計と次の会社への提案の材料になります。エラベルで長く続いている担当者の1件目は、たいてい内定から入社までの繋ぎです。受ける側がその場で使える判断としては、1件目の提案の最初の行に「評価は、内定期間の辞退の減り方と入社の数でお願いします」と書くこと。集客で評価されない提案が、続く案件を呼びます。単価の考え方は単価の相場と考え方に書いています。
最初の1件の終わらせ方と2件目へのつなぎ方
1件目は、「計画の型と運用の型と記録が残り、学生の情報は残らない形」で終えます。渡すものは、年間の計画の型、説明の場の型、選考の運用の型と記録の表、内定期間の接点の型、振り返りの記録(経路と段階と時期ごと、個人が特定されない形)、次の年の計画の直し、です。学生の情報は会社の管理する場所に置き、自分の手元に一切残しません。会社の許可を得て、会社と学生が特定できない形にした「年間の計画の型」「接点の型」「記録の表」と「辞退の減り方と入社の数の方向」を、実績と見本にします。
2件目へのつなぎ方は二つです。同じ会社に、次の年の年間の設計、選考の運用への拡大、社内で回す型の引き継ぎを提案するか。中途の代行やオンボーディングの案件を持つ別の会社に、「新卒も」と話が出たとき、年間の計画の一枚から提案するか。どちらも、「内定期間に何を置いて、辞退がどう変わり、入社の数がどうなったか」が具体であるほど通ります。2件目の取り方は2件目の取り方に、実績の書き方は事例の書き方に書いています。
まとめ
- 見せるのは年間の計画・運用の型・繋ぎの三つ。「新卒採用の担当をしていました」「学生の気持ちが分かります」では選ばれない
- 見本は年間の計画の型(内定の月から入社の月までの行を先に埋める)・説明の場の型・記録の表・接点の型・役割の線を、会社と学生が特定できない形で作る。時期の数字は書かず「確認が要る点」の印で
- プロフィールに入社の日から逆算・社員の時間を先に押さえる・結果の連絡の期限・内定期間の接点・慰留しない・学業への配慮・公的な指針は会社が確認・合否と条件は会社を書く。「学生集客」「囲い込み」と書かない
- 入口は中途の代行やオンボーディングの案件の中で提案・紹介・プラットフォーム・担当者を選べる窓口の四つ。「今年の内定者の繋ぎだけ」の提案が最も通る
- 最初は年間の設計だけ・繋ぎだけ・説明の場の設計だけと小さく受け、「辞退の判断は本人、対応は会社」を書面に残す
- 受ける前に「なぜ新卒で」・繁忙期の稼働・社員の時間・公的な指針の確認は会社・連絡の名義・学生の情報の扱い・慰留と家族と学校は範囲外・評価の基準を確かめる
- 1件目は計画と型と記録が残り、学生の情報は残らない形で終え、次の年か別の会社につなぐ
よくある質問
社内で作った年間の計画や説明会の資料を、見本にそのまま使ってよいですか
会社の許可の範囲で、会社と学生が特定できない形にしてから、型だけを使います。年間の計画の型(入社の日から逆算した行の立て方)、説明の場の型、接点の型、記録の表の欄、という構造は自分の技能です。会社の固有の時期や経路の数字、学生の情報、社員の名前は使いません。時期の数字は、公的な指針や慣行が変わるので、見本には書かず「確認が要る点」の印にします。現在の勤務先の学生の情報や計画の持ち込みには触れないでください。
「説明会の運営スタッフ」の募集しか見つかりません
当日だけとして受けるなら、集客と選考の結果に責任を持たないことと、参加者ごとの記録(関心、質問、次の段階への意思)を残して会社に渡すことを書面に残して受けます。当日の記録を渡すと、「翌日の連絡もお願いできますか」「選考の運用も」と次の範囲につながることがあります。記録を残さない当日だけの仕事は、実績になりません。当日の運営の型は採用イベントの企画・運営の副業案件と共通です。
最初の1件の単価はどう決めればよいですか
「年間の設計(作る工程)」「説明の場と選考の運用(繁忙期。候補者の数に比例)」「内定から入社までの繋ぎ(月次。内定者の数に比例)」「振り返りと次の年の計画」を分けて見込み、月ごとの稼働の幅を契約前に示します。1件目は年間の設計か繋ぎから入り、2件目で運用や次の年に広げるときに見直す、という順が現実的です。相場は範囲と採用の人数と期間で幅が大きく、公開されている案件でも一律ではありません。考え方は単価の相場と考え方に書いています。