採用代行 / シリーズB以降のスタートアップ
シリーズB以降のスタートアップの採用代行|最初に外注すべき業務はどれか
ここでいうシリーズB以降のスタートアップは、資金調達を経て事業を広げる段階に入り、採用を数十名から百名を超える規模へ一気に増やし、創業者が全員に会う形が限界になり、初めて採用チームを作り、職種がエンジニアとセールスとカスタマーサクセスとコーポレートに分かれ、投資家に出した採用の計画がある会社です。この会社が採用代行を使うとき、何から出せばよいか。この記事は、その順番を決めるためのものです。結論を先に書くと、最初に出すべきは「創業者の頭の中を言葉にする同席と、採用責任者を型作りに戻すための運用」で、具体的には創業者から要件とカルチャーの元を聞き出して紙にすることと、候補者への連絡、面接の日程調整、面接の記録です。次が「集める工程」で、スカウトの送信と追客、転職サイトの運用、社員の紹介の仕組みを、採用責任者が持つ基準の中で回します。最後が「事業側の一次を立ち上げる型」で、一次の手引き、最初の数回の同席、条件の書面の準備、入社までの一覧と受け入れです。順番の理由は、創業者の頭の中が言葉になっていないと代行は集める基準を持てず、採用責任者が運用に埋まると型を作れず半年後に代行なしで動けなくなり、事業側の一次は要件と言葉が揃ってからでないと立ち上がらないからです。社内に残す役割はシリーズB以降のスタートアップの採用体制の作り方に、失敗の形はシリーズB以降のスタートアップが採用代行で失敗するパターンに、急成長一般の順番は急成長フェーズの会社の採用代行にまとめています。
この段階で、採用のどこが詰まるか
順番を決めるには、この段階で採用のどこが詰まっているかを先に見ます。創業者が全員に会う形が限界で、採用チームが立ち上がる途中の会社では、次のように詰まります。
| 工程 | この段階の現実 | 詰まったときの損失 |
|---|---|---|
| 要件とカルチャーの言葉 | 創業者の頭の中にあり、言葉になっていない | 代行も面接官も基準を持てず、見送りの理由が戻らない |
| 連絡、日程、記録 | 初めての採用責任者が一人で持ち、創業者との調整と事業側の要件の話も乗る | 採用責任者が型を作る時間を失い、半年後に代行に依存する |
| 創業者の面接 | 全員に会おうとして枠が取れない | 候補者が待たされて他社に決まる |
| スカウト、媒体、紹介 | 創業者の名前で送っていたスカウトが止まり、リファラルは知人の範囲を使い切った | 母集団が細り、計画の人数に届かない |
| 事業側の一次 | 初めて部下を採る責任者が要件を言葉にできず、面接も慣れていない | 一次を持てず、創業者の枠に全部が回る |
| 条件 | 等級も給与の幅もなく、候補者ごとに創業者が決める | 条件がばらつき、入社後に不公平が露見する |
この表で、損失が最も大きいのに見えにくいのは「創業者の頭の中が言葉になっておらず、採用責任者が運用に埋まって言葉にする時間がない」ことです。言葉がないと、集める工程も事業側の一次も基準を持てません。最初に出すのは、言葉にする同席と、採用責任者を型作りに戻すための運用です。
出す前に:創業者が半日で三つを決める
運用を代行に出すには、創業者が半日を取って、次を決めます。
- 頭の中を話す。「これまで採ってうまくいった人と合わなかった人はどこが違ったか」「見送った人の何が引っかかったか」を、採用責任者と代行に話す。代行が聞き出して紙にし、採用責任者が仕上げる
- 採用責任者の最初の半年の仕事。「要件を事業側と作ること」「カルチャーの見送りの言葉を作ること」「型を代行から引き取ること」の三つに絞り、運用は代行に出し、代行の管理は週に一度の定例だけにする。創業者がこれを言葉で伝える
- 自分が会う候補者と枠。最終だけ、絞られた候補者だけ、特定の職種だけ、のどれかに絞り、週に固定する
- 職種ごとの現金の給与の幅と考え方。株式報酬は書面と専門家の確認を経た内容だけを伝える
- 計画の人数を要件に変える。「職種ごとに半年後にやってほしいこと三つ」が書けない枠は募集しない
創業者の頭の中を言葉にする考え方は評価基準が言語化できていないに、専任人事を守る考え方は従業員百名規模の会社の採用体制の作り方に書いています。
最初に出す工程:言葉にする同席と、採用責任者を型作りに戻すための運用(連絡・日程・記録)
なぜ最初か。要件とカルチャーの言葉がないと、代行は集める基準を持てず、事業側の一次も立ち上がりません。言葉を作るのは採用責任者の仕事ですが、運用に埋まると時間がありません。運用を出して採用責任者を言葉と型に向かわせることが、この段階で代行を入れる最初の目的です。運用は判断を含まず、出した翌週から採用責任者の時間が空きます。
代行に頼む内容。創業者の半日への同席と紙への整理、事業側の責任者と要件を作る場への同席(問いを出して整える)、候補者への連絡、面接の日程調整(創業者の枠は週に固定、事業側の責任者の枠に直接入れる)、面接の記録の型と記入、採用責任者への確認を週に一度にまとめる、要件の紙と見送りの言葉と記録を採用チームの場所に置いて更新する。
社内に残す判断。要件とカルチャーの言葉の元は創業者、仕上げは採用責任者が持ちます。「進めるか止めるか」は採用責任者か事業側の責任者が決めます。採るかどうかと条件は創業者です。
費用の見方。候補者の件数と面接の回数で稼働が決まります。「採用責任者が要件と言葉と型に使えた時間」が増えたか、「見送りの理由が要件の言葉で戻るようになったか」「候補者が返事を待った日数」が減ったかで、最初の月の効果を見ます。日程調整は面接の日程調整は代行に出せるかに、要件の作り方は採用要件の定義は代行に出せるかに、面接官のばらつきは面接官によって評価がばらつくに整理しています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「計画の人数が決まっているのだから、代行に出すのは集める工程(スカウトと媒体)だ」というものです。実際には、創業者の頭の中が言葉になっていない状態で集める工程から出すと、代行は枠だけを頼りに集め、面接で「なんとなく合わない」と見送られ、理由が戻らないので同じ層を集め続け、集まった候補者への連絡で採用責任者がさらに埋まります。人数を急ぐ気持ちは正しいのですが、順番が逆です。先に言葉を作り、採用責任者を型作りに戻してから集めると、同じ送信数で面接に進む比率が変わり、見送りの理由が基準に反映されて集め方が良くなっていきます。
この順番で代行を選ぶと、見るべき点が決まります。契約の前の面談で「創業者の方がこれまで何を見て決めてきたか、聞かせてください。それを面接官に渡せる言葉にします」と言う担当者は、この段階で何が要るかを知っています。「計画の人数に合わせてスカウトを打ちます」から入る担当者は、言葉のないまま集めて、採用責任者を埋めます。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、創業者の頭の中を言葉にし、採用チームの立ち上げに並走してきた担当者に、最初から頼めます。
次に出す工程:集める工程(スカウト・媒体・社員の紹介)を採用責任者の基準の中で
なぜ次か。要件と見送りの言葉ができ、採用責任者が「誰に送るか」の基準と文面の例を渡せる状態になってから出すと、代行のスカウトが基準の中で動き、見送りの理由が集め方に反映されます。創業者の名前で送っていたスカウトを代行に移すときは、創業者の言葉を型として残し、抽出と送信と追客を代行が持つ形にします。
代行に頼む内容。「誰に送るか」の基準(採用責任者が渡す)の中での候補者の抽出、文面の例(創業者の言葉を型にしたもの)での送信と追客、返信の傾向の記録、転職サイトの運用(一つか二つに絞る)、社員の紹介の仕組み(頼み方と戻し方を型にし、紹介があったときの連絡と日程)、職種ごとの応募と紹介の数の一枚、見送りの理由を基準に反映する。
社内に残す判断。基準と文面の例は採用責任者が持ち、初回の文面と型から外れる文面は採用責任者が確認します。エンジニアの技術の言葉は社内のエンジニアが渡します。媒体の契約は社内の名義です。リファラルの誰に頼むかは創業者と事業側の責任者が決めます。
費用の見方。媒体の費用と代行の稼働に分かれます。「要件に合う候補者への送信」「返信のうち一次に進んだ比率」「社員の紹介からの応募の数」で効果を見ます。送信数と返信率だけを代行に渡すと、数字を動かす最短の行動で採用ブランドが削れます。スカウトはスカウトの送信は代行に出せるかに、文面はスカウト文面の作成は代行に出せるかに、リファラルの広げ方はリファラル採用が広がらないに、社員の紹介の設計はリファラル採用の設計は代行に出せるかに書いています。
最後に出す工程:事業側の一次を立ち上げる型(手引き・同席・条件の書面・受け入れ)
なぜ最後か。初めて部下を採る事業側の責任者が一次を持つには、要件と見送りの言葉が揃い、候補者が実際に一次まで進むようになってからでないと、手引きも同席も使われないからです。一次が事業側に立つと、創業者は最終だけに会えるようになり、創業者の枠の問題が解けます。条件の書面と受け入れも、決まる人が出てから要る工程です。
代行に頼む内容。一次の手引き(見る点は要件の三つと見送りの言葉)、最初の数回の同席と記録の型の定着、事業側の責任者の「止める」と創業者の「会いたい」のずれを並べて見せる資料、条件の書面の準備(幅と考え方は創業者。株式報酬は書面と専門家の確認を経た内容だけ)、内定の後の連絡と入社までの一覧、受け入れの一か月の一枚(誰が教えるかは事業側の責任者)、計画と要件の一枚を月に一度。
社内に残す判断。一次の「進めるか止めるか」は事業側の責任者、採るかどうかと条件は創業者、受け入れの中身は事業側の責任者が持ちます。代行は型と同席と書面と一覧を持ちます。
費用の見方。面接の回数と内定の数で稼働が決まり、型の作成は最初だけです。「創業者が面接に出た回数」が減ったか、「事業側の責任者が一次で止めた候補者を創業者が会いたいと言った回数」が減ったか、「入った後の一か月での退職」で効果を見ます。面接官の育て方は面接官トレーニングは代行に出せるかに、条件の伝え方は条件提示・オファー面談は代行に出せるかに、受け入れは入社後のオンボーディングは代行に出せるかに、面接官の増やし方は面接官が足りないに整理しています。
エラベルの見解
外に出してよいのは、頭の中を言葉にするときの問いと整理・連絡・日程・記録・基準の中でのスカウトの抽出と送信と追客・媒体と社員の紹介の運用・一次の手引きと同席・条件の書面の準備・入社までの一覧と受け入れの型・計画と要件の一枚までで、「要件とカルチャーの言葉の元と仕上げ」「採るかどうかと条件の幅」「誰に送るかの基準と文面の例」「事業側の一次の判断」「計画の人数を要件に変える判断」「半年後の判断」は社内に残します。この段階は採用チームがまだ無いので、基準も言葉も代行に書いてほしくなりますが、代行が書いた言葉は創業者と面接官の言葉にならず、半年後に採用チームが引き取れません。代行は、聞き出して整え、型として採用チームの場所に書き残すところまでにします。
担当する側から見ると、この段階で三つの工程を「一度に全部」で受けると、言葉のないまま集めて見送られ、採用責任者は運用と代行の管理で埋まって型を作れず、事業側の一次は立たずに創業者の枠で止まり、半年後に「代行を止められない」と言われます。言葉を作って採用責任者を型作りに戻し、基準の中で集め、一次を事業側に立てる、と一つずつ進める形だと、半年後に採用責任者が「型が揃った。ここは戻せる」と判断でき、創業者は最終だけに会う形が残ります。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、契約の前の面談で「まず創業者の方の頭の中を言葉にさせてください。集めるのはその後です」と順番を提案してくる担当者を選べば、この形になります。
まとめ
- シリーズB以降が代行に出す順番は、一に創業者の頭の中を言葉にする同席と採用責任者を型作りに戻すための運用(連絡・日程・記録)、二に集める工程(スカウト・媒体・社員の紹介)を採用責任者の基準の中で、三に事業側の一次を立ち上げる型(手引き・同席・条件の書面・受け入れ)
- 順番の理由は、言葉がないと集める基準を持てず、採用責任者が運用に埋まると型を作れず、事業側の一次は要件と言葉が揃ってからでないと立たないから
- 運用を出す前に、創業者が半日で頭の中を話し、採用責任者の最初の半年の仕事を三つに絞って伝え、自分が会う候補者と枠を絞り、条件の幅を決め、計画の人数を要件に変える
- スカウトは創業者の言葉を型として残し、基準の中で代行が送る。数字は送信数と返信率でなく、要件に合う送信と一次に進んだ比率で見る
- 事業側の一次が立つと、創業者は最終だけに会える。手引きと同席と記録の型は代行が作り、判断は事業側の責任者
- 型は最初から採用チームの場所に置いて代行が更新し、半年後に採用責任者が引き取る。費用は「候補者の件数と面接の回数、媒体の費用と送信の質、面接の回数と内定の数」で見る
よくある質問
採用責任者がまだいません。創業者が代行の相手をするしかないですか
採用責任者が入るまでは、創業者か経営陣の一人が「代行の相手」と「要件の仕上げ」を持ち、代行は運用を回しながら型を採用チームの場所に書き残します。創業者の時間を守るために、確認は週に一度にまとめ、創業者の枠を固定します。採用責任者が入ったら、型と代行の相手をその人に移し、そこから半年を数えます。入る前に型が揃っていれば、採用責任者は型を読むところから始められ、「代行の管理」から始まる形を避けられます。採用責任者そのものの採用は人事担当そのものが採用できないに、専任の人事がいない間の順番は専任の人事がいない会社の採用代行に整理しています。
創業者の名前で送っていたスカウトの返信率が、代行に移すと落ちませんか
創業者の名前と言葉をそのまま代行の文面に移すと、落ちることがあります。落とさない形は、創業者の言葉を「型」として残し(なぜこの事業をやっているか、どんな人と働きたいか、を創業者の言葉で書いたもの)、抽出と送信と追客を代行が持ち、初回の文面は採用責任者が確認する、というものです。送り手の名前は、会社と職種によって創業者のままにするか採用チームにするかを決め、創業者の名前で送るなら、返信への最初の返事だけ創業者が短く返す形もあります。返信率より、返信のうち一次に進んだ比率で見ます。スカウトの文面はスカウト文面の作成は代行に出せるかに、失敗の形はシリーズB以降のスタートアップが採用代行で失敗するパターンに書いています。
半年後に型を引き取ったら、代行は終わりですか
終わりにするか続けるかは、採用責任者が型を見て判断します。連絡と日程と記録を社内に戻し、スカウトと媒体の運用を代行に残す形が多く、採用チームの人数が揃うまで代行を続ける形もあります。次の段階(人数がさらに増え、事業部が分かれ、内製の型が強くなる)では、代行の使い方が「橋」から「波に合わせて伸縮する部分」に変わります。どの形でも、型が採用チームの場所にあれば、代行を替えても止めても採用は続きます。次の段階の順番は急成長フェーズの会社の採用代行に、その先の順番はメガベンチャーの採用代行に、体制の作り方はシリーズB以降のスタートアップの採用体制の作り方に整理しています。