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課題を構造化する|人事の副業で依頼側の「採用がうまくいかない」を、「工程で分け・止まっている場所を記録で特定し・原因を依頼側の範囲と自分の範囲に分け・一つに絞る」の四段で構造にする。構造にすれば、依頼側の担当者が社内で説明でき、自分の範囲で動ける

公開 2026-09-20

依頼側の担当者から「採用がうまくいっていない」「応募は来るが決まらない」と聞いた。困っていることは分かるが、何が原因で、どこから手を付ければよいかが、その言葉からは見えない。自分の範囲で何をすれば効くのかも分からない。結論を先に書くと、依頼側の漠然とした課題は、「採用を工程で分ける」「止まっている場所を記録で特定する」「原因を依頼側の範囲と自分の範囲に分ける」「取り組む課題を一つに絞る」の四段で構造にします。構造にすれば、依頼側の担当者は社内で「ここで止まっている」と説明でき、自分は自分の範囲で動けます。「採用がうまくいかない」のまま動くと、思いついた施策を順に試すことになり、効かず、稼働だけが使われます。課題の言語化は課題の言語化に、現状の把握は現状把握のしかたに、ヒアリングの項目はヒアリングで押さえる項目にまとめています。

構造化が要る理由

依頼側の課題は、依頼側の担当者の中でも、構造になっていないことが多いです。構造にしないまま動くと、何が起きるかを見ます。

構造にしないまま動くと何が起きるか
「うまくいかない」に対して、思いついた施策を試す媒体を増やす、文面を変える、要件を緩める、と順に試し、どれも効かず、稼働と依頼側の予算が消える
原因を一つに決めつける「文面が悪い」と決めて文面を直すが、実際は面接の日程で止まっていた
依頼側の範囲の問題を、自分の範囲で解こうとする面接官の判断で止まっているのに、スカウトの送信を増やす
依頼側の担当者が社内で説明できない「外部に頼んだが、うまくいっていない」としか言えず、上長は外部の価値を疑う
成果の定義ができない何が課題かが決まっていないので、何が成果かも決まらない
課題が全部に見え、手が出ない「全部悪い」と感じ、どこから手を付ければよいか分からず、動けない

理由の要点は、「構造が無いと、原因ではなく思いつきで動く」ことです。思いつきで動いた施策は、効いても偶然で、効かなくても理由が分かりません。構造にして、止まっている場所と原因を特定してから動けば、施策は「その場所に効くもの」になり、効かなかったときも「原因の見立てが違った」と分かります。思いつきの提案が通らない理由は提案が通らなかったときにも書いています。

四段の手順

課題を構造にする四段です。順番を守ると、依頼側の課題は動ける形になります。

内容出てくるもの
一、工程で分ける採用を、母集団→反応→書類→日程→面接→内定→承諾の工程に分ける。依頼側の実際の流れに合わせる工程の一覧
二、止まっている場所を記録で特定する各工程の出口の数字を、依頼側の記録から見て、どの工程で数字が落ちているかを見つける止まっている工程(一つか二つ)
三、原因を範囲で分ける止まっている工程の原因の候補を挙げ、それぞれが依頼側の範囲か自分の範囲かを分ける原因の候補と、誰の範囲か
四、一つに絞る自分の範囲で動かせて、記録で結果が見え、数週間で試せる原因を一つ選ぶ取り組む課題(一つ)

四段の要点は、「二」で記録を使うことです。依頼側の担当者の「応募は来るが決まらない」は感覚で、記録を見ると、応募から書類の通過で落ちているのか、書類の通過から面接の日程で落ちているのか、面接から内定で落ちているのかが、数字で分かります。感覚で止まっている場所を決めると、外れます。記録から工程ごとの出口を取る方法はKPIを設計するに、数字の語り方は数字で語るに整理しています。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「課題を構造化するには、分析の専門的な手法が要る」というものです。実際には、副業の担当者に要る構造化は、採用の工程を分けて、記録で数字が落ちている工程を見つけ、原因を範囲で分けて、一つに絞る、という四段で、専門的な手法は要りません。要るのは、依頼側の記録を工程ごとに見る習慣と、原因を「誰の範囲か」で分ける癖です。

見ていて差がつくのは、「三」の原因を範囲で分けているかです。止まっている工程が面接から内定で、原因が面接官の判断や条件なら、それは依頼側の範囲で、自分がスカウトを増やしても効きません。原因を範囲で分けずに動く人は、依頼側の範囲の問題を自分の範囲の施策で解こうとして、稼働を使い、成果が出ず、「成果が見えない」と言われています。分けている人は、「ここは御社の範囲で、ここは私の範囲。私の範囲ではこれをやります」と言え、依頼側の担当者も社内で説明できています。エラベルでは、担当者が依頼側の課題を扱うとき、工程と範囲で構造にする形をお願いしています。構造化は、分析の技術ではなく、動ける形にする整理です。

工程で分ける型

「一」の工程の分け方の型です。依頼側の実際の流れに合わせて、足したり減らしたりします。

工程入口出口よく止まる原因の候補
母集団の形成募集の開始応募、スカウトの送信媒体の選定、求人票の内容、送る相手の絞り方
反応送信返信文面、送る相手、送信の時間帯、求人の魅力
書類の選考応募・返信通過要件の設定、選考の基準、選考の速さ
日程の調整通過面接の確定面接官の予定、候補者への提示の速さ、候補日の数
面接面接の実施通過面接官の評価の基準、面接の内容、候補者の印象
内定面接の通過内定の提示社内の承認の速さ、条件の決定
承諾内定の提示承諾条件、他社との比較、内定後の連絡

型の要点は、「各工程の出口を、次の工程の入口として並べる」ことです。並べると、どの出口で数字が落ちているかが、一目で分かります。出口の数字が落ちている工程が、止まっている場所です。工程の分け方は、依頼側に無い工程(二次面接が無いなど)は置かず、依頼側にある工程(適性検査など)は足します。依頼側の流れの聞き方はヒアリングで押さえる項目に書いています。

記録で止まっている場所を特定する

「二」の、記録から止まっている場所を見つける方法です。感覚ではなく、数字で見ます。

手順内容
一、各工程の出口の数を、記録から取る依頼側のATSと媒体の管理画面から、直近数か月の、工程ごとの出口の数を取る
二、工程の間の落ち幅を見る「送信〇通→返信〇件」「通過〇件→面接の確定〇件」のように、前の工程の出口から次の工程の出口への落ち幅を見る
三、落ち幅が最も大きい工程を見つける落ち幅が大きい工程が、止まっている場所の候補。一つか二つに絞る
四、その工程の中身を見る落ちている理由を、記録の中身(辞退の理由、選考の結果の理由)から見る
五、依頼側の担当者の感覚と比べる担当者の「ここで困っている」と、記録の落ち幅が合っているか。合っていなければ、記録を担当者に見せる

特定の要点は、「五」で担当者の感覚と記録を比べることです。担当者は「応募が少ない」と感じていても、記録では応募は足りていて、書類の通過から面接の日程で落ちている、ということがあります。記録を見せれば、担当者は「そこだったのか」と気づき、課題の認識が揃います。記録が無い工程は、記録を始めることが最初の課題になります。記録の整え方は議事録の残し方稼働ログの付け方に整理しています。

原因を範囲で分ける

「三」の、原因を依頼側の範囲と自分の範囲に分ける考え方です。分けないと、動けない原因に稼働を使います。

止まっている工程原因の候補誰の範囲か自分の範囲でできること
反応(返信が少ない)文面、送る相手の絞り方自分(スカウトを担当していれば)文面の構造を変える、相手の条件を変える
反応(返信が少ない)求人の条件が市場と合わない依頼側事実として示す。条件の判断は依頼側
日程の調整(確定が遅い)候補者への提示の速さ、候補日の数自分(日程調整を担当していれば)複数の候補日を最初から提示する
日程の調整(確定が遅い)面接官の予定が取れない依頼側枠の固定を提案する。確保は依頼側
面接(通過が少ない)面接官の評価の基準が曖昧、面接の内容依頼側準備の資料を整える。評価は依頼側
面接(通過が少ない)送っている候補者が要件と合っていない自分送る相手の絞り方を要件に寄せる
承諾(辞退が多い)条件、他社との比較依頼側事実として示す。条件は依頼側
承諾(辞退が多い)内定後の連絡が無い自分(内定者の連絡を担当していれば)連絡の型を作る

分ける要点は、「同じ工程でも、原因によって範囲が違う」ことです。返信が少ない原因が文面なら自分の範囲で、求人の条件なら依頼側の範囲です。自分の範囲の原因は自分で動き、依頼側の範囲の原因は事実として示して判断を依頼側に返す。この分け方で、動ける原因と動けない原因が分かれ、稼働を動ける原因に集中できます。範囲の線は権限がないと動けない場面に、依頼側の範囲の示し方は成果が見えないに書いています。

一つに絞る基準

「四」の、取り組む課題を一つに絞る基準です。複数に取り組むと、どれも薄くなります。

基準内容なぜ
自分の範囲で動かせる依頼側の判断を待たずに、自分の稼働で試せる依頼側の範囲は、自分では動かせない
記録で結果が見える変えた後、依頼側の記録の数字で結果が分かる見えない結果は、効いたかどうか分からない
数週間で試せる一か月から二か月で、変えた結果が出る長すぎると、依頼側の期待が持たない。短期成果と中長期施策のバランス
落ち幅が大きい工程に関わる最も落ちている工程の原因小さい落ち幅を直しても、全体は変わらない
失敗しても損が小さい効かなかったときに、依頼側の採用が悪化しない文面や相手の絞り方は戻せる。要件の変更は戻しにくい
依頼側の担当者が納得している記録を見せて、担当者が「そこだ」と思っている納得していない課題に取り組んでも、依頼側は協力しない

絞る要点は、「自分の範囲で動かせて、記録で見えて、数週間で試せる」の三つが揃う課題を選ぶことです。三つが揃わない課題(依頼側の範囲、結果が見えない、時間がかかる)は、一つ目の課題で結果を出した後に、提案として出します。課題を一つに絞る考え方は課題の言語化に、最初の数週間で出す成果は早い段階で成果を出すに整理しています。

構造を依頼側と共有する一枚

構造にした課題は、一枚にして依頼側と共有します。担当者が社内で使える形にします。

項目内容
工程の一覧と出口の数字直近数か月の、工程ごとの出口の数。記録の出どころを添える
止まっている工程落ち幅が大きい工程を、一つか二つ
原因の候補と範囲その工程の原因の候補と、それぞれが依頼側の範囲か自分の範囲か
取り組む課題(一つ)自分の範囲で、最初に取り組む原因と、その理由
依頼側に判断してほしいこと依頼側の範囲の原因について、依頼側に決めてほしいこと
結果を見る数字と時期何の数字を、いつ見るか

一枚の要点は、「依頼側に判断してほしいこと」を分けて書くことです。依頼側の範囲の原因は、自分の課題ではなく、依頼側の判断の対象です。「面接官の枠の固定は御社でご判断ください。私は候補日の提示の速さを直します」と、分けて書けば、担当者は社内に「外部はここをやり、社内はここを決める」と伝えられます。一枚の作り方は提案のまとめ方に、伝え方は改善提案の伝え方に書いています。

構造化でやりがちな失敗

構造化の途中で、やりがちな失敗があります。

失敗何が起きるか防ぎ方
記録を見ずに、担当者の感覚で止まっている場所を決める実際の落ち幅と違う場所に取り組み、効かない記録を先に見る。感覚は記録と比べる
原因を一つに決めつける「文面が悪い」と決めて、他の候補を見ない原因の候補を複数挙げてから、範囲と基準で絞る
依頼側の範囲の原因に、自分の範囲で取り組む稼働を使って効かない範囲で分け、依頼側の範囲は判断を返す
全部の課題に一度に取り組むどれも薄くなり、結果が見えない一つに絞る。二つ目は一つ目の結果の後
構造を自分の中だけに持つ依頼側の担当者と認識が揃わず、協力が得られない一枚にして共有し、担当者に「そこだ」と言ってもらう
構造化に時間をかけすぎる分析が長引き、動き出すのが遅れる最初の数週間で四段を済ませ、動きながら直す
依頼側の担当者を責める形になる「御社の面接官が遅い」と言い、担当者の立場を悪くする人ではなく工程で書く。「面接の評価の段階で止まっている」

失敗の要点は、「構造化に時間をかけすぎる」ことです。構造は、動くための整理で、完璧な分析ではありません。最初の数週間で四段を済ませ、一つに絞って動き、結果を見て構造を直す。動きながら構造を精度よくしていくほうが、最初に完璧な構造を作ろうとするより、依頼側の期待に合います。

エラベルの見解

担当する側から見ると、依頼側の課題に対して効く施策を出せている人は、施策の引き出しが多い人ではなく、課題を構造にしてから施策を選んでいる人です。工程で分け、記録で止まっている場所を見つけ、原因を範囲で分け、一つに絞る。この四段を踏んでから施策を選ぶので、施策は止まっている場所に効き、効かなかったときも原因の見立てを直せます。思いつきで施策を出す人は、引き出しが多くても、効く施策に当たるまで稼働を使い、依頼側の予算を消しています。

順番として、案件の最初の数週間で、依頼側の流れを工程に分け、記録から工程ごとの出口を取り、落ち幅が大きい工程を見つけ、原因の候補を範囲で分け、自分の範囲で動かせる一つに絞り、一枚にして担当者と認識を揃え、動き、結果を見て構造を直す。この順番で、「採用がうまくいかない」は、動ける課題になります。エラベルでは、担当者が依頼側の課題を扱うとき、工程と記録と範囲で構造にする形をお願いしています。構造化は、依頼側の担当者が社内で説明できる形を作ることであり、自分が自分の範囲で動ける形を作ることです。

まとめ

よくある質問

依頼側の担当者が「全部が課題だ」と言い、一つに絞ることを嫌がります

記録の工程ごとの出口を一枚にして見せ、「全部の工程で落ちているように見えますが、落ち幅が最も大きいのはここです。ここを直すと、全体の数字が最も動きます」と、記録で示します。「全部」は感覚で、記録を見れば、落ち幅には差があります。担当者が記録で「そこだ」と納得すれば、一つに絞れます。それでも「全部」と言うなら、「まず一つを数週間で試し、結果を見て次に進む」と、順番の形で提案します。提案の形は改善提案の伝え方に整理しています。

止まっている場所が、全部依頼側の範囲でした

自分の範囲で動かせる原因が無い場合、自分の範囲の工程は動いていて、その先で止まっていることになります。それは、自分の範囲の成果としては良い状態で、止まっている場所を事実として依頼側に示し、判断を返します。「私の範囲の工程は動いています。止まっているのは〇〇の工程で、原因は△△と見ています。ここは御社のご判断で、私の範囲でできることは□□です」の形です。依頼側が動かなければ、その案件では成果が出ない構造で、更新の節目で範囲か案件を見直します。依頼側の範囲で止まる場面は成果が見えないに書いています。

構造化した結果、自分の範囲の外に課題があり、範囲を広げるべきか迷います

範囲を広げるなら、更新の節目で、稼働と条件と一緒に広げます。構造化の結果は、範囲を広げる根拠になります。「止まっている工程は〇〇で、私の今の範囲の外です。次の期に、この工程を範囲に入れる形をご相談したいです」と、構造の一枚を根拠に提案します。なし崩しに範囲の外に取り組むと、範囲の膨張になります。広げ方は範囲の膨張次の案件へ広げるに整理しています。