人事副業 / 両立・スキル
プロジェクトとして進める|人事の副業で「毎月同じことを回す」から一段上がるには、案件を「目的・期限・工程・役割・節目」を持つプロジェクトとして組み直す。依頼側の担当者が社内で説明できる形になり、範囲と成果の話が楽になる
毎週スカウトを送り、返信に対応し、日程を組み、月末に報告する。回ってはいるが、「何のために、いつまでに、どこまで」が無く、依頼側の担当者も「毎月お願いしていること」としか社内で説明できない。更新のたびに「続けますか」と聞かれる。結論を先に書くと、案件を「毎月同じことを回す」形から一段上げるには、「目的」「期限」「工程」「役割」「節目」の五つを持つプロジェクトとして組み直します。プロジェクトとして組むと、依頼側の担当者が社内で「〇月までに〇〇を整えるプロジェクト」と説明でき、範囲と成果の話が楽になり、更新は「続けるか」ではなく「次のプロジェクトは何か」になります。副業の枠でも、五つの要素は一枚で書け、大きな仕組みは要りません。成果の定義は成果をどう定義しておくかに、短期と中長期の配分は短期成果と中長期施策のバランスに、改善を回す形は改善を回すにまとめています。
プロジェクトとして組む利点
「毎月同じことを回す」形と、プロジェクトとして組む形で、依頼側と自分にとって何が変わるかを見ます。
| 項目 | 毎月同じことを回す | プロジェクトとして組む |
|---|---|---|
| 依頼側の担当者の社内での説明 | 「外部に毎月お願いしている」 | 「〇月までに〇〇を整えるプロジェクトを外部と進めている」 |
| 成果の見え方 | 稼働の量。「今月も送った」 | 目的に対する進み。「〇〇が整った、次は△△」 |
| 更新の判断 | 「続けるか、やめるか」 | 「このプロジェクトが終わったら、次は何をするか」 |
| 範囲の扱い | 曖昧になりやすい。「ついでに」が入る | 工程で決まっているので、工程外は「次のプロジェクトで」と言える |
| 自分の稼働の見通し | 毎月同じだが、いつまで続くか分からない | 期限と節目があり、山と谷が読める |
| 実績の残り方 | 「〇か月担当した」 | 「〇〇を〇か月で整えた」 |
| 終わり方 | なし崩し | 目的を達して終わる。次につながる |
利点の要点は、「依頼側の担当者が社内で説明できる」ことです。担当者は、外部に頼んでいることを上長に説明する立場にあり、「毎月お願いしている」では、上長に「何のために」と聞かれます。「〇月までに〇〇を整える」と言えれば、上長は目的と期限で判断でき、予算も続きます。担当者の社内での立場は外部の立場だからできることに書いています。
五つの要素の決め方
プロジェクトの五つの要素を、副業の案件に合わせて決めます。一枚に収まる大きさにします。
| 要素 | 内容 | 決め方の要点 |
|---|---|---|
| 一、目的 | このプロジェクトで、依頼側の採用の何を、どういう状態にするか | 「採用を良くする」ではなく「スカウトの返信から面接の設定までの流れを、型として回る状態にする」のように、状態で書く。自分の範囲の出口と一致させる |
| 二、期限 | いつまでに、その状態にするか | 契約の期間に合わせる。三か月の契約なら三か月。長い目的は、三か月ごとの段階に分ける |
| 三、工程 | 目的に至るまでの、順番のある作業のまとまり | 三つから五つ。「現状の把握→文面の型→相手の絞り方→返信の対応の型→面接の設定の流れ」のように |
| 四、役割 | 各工程で、自分がやること、依頼側がやること | 依頼側の役割(面接官の時間の確保、要件の決定、承認)を明示する。自分だけのプロジェクトにしない |
| 五、節目 | 途中で進みを確認する時点 | 月に一度の定例か、工程の終わりごと。節目で「進んでいるか、直すか」を依頼側と見る |
五つの要点は、「四」の役割に、依頼側の役割を明示することです。プロジェクトを自分だけのものにすると、依頼側の側で止まったときに、自分の遅れに見えます。「面接官の時間の確保は御社の役割」と最初に書いておけば、止まった場所が明確になり、責めずに事実として示せます。役割の分け方は権限がないと動けない場面に、依頼側の側で止まる場面の示し方は成果が見えないに整理しています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「副業の稼働では、プロジェクトのような大きな進め方はできない」というものです。実際には、プロジェクトとして組むのに要るのは、五つの要素を一枚に書くことだけで、稼働の量は関係ありません。週に数時間の案件でも、「三か月で、候補者への一次対応と日程調整の型を、依頼側の社内で回る状態にする」という目的と期限と工程があれば、それはプロジェクトです。逆に、稼働が多くても、目的と期限が無ければ、毎月の作業の繰り返しです。
見ていて差がつくのは、契約の最初に「この期間で何を整えるか」を依頼側と決めているかです。決めている人は、更新のときに「〇〇が整ったので、次は△△を整えるプロジェクトを」と提案でき、依頼側の担当者も社内で「次のプロジェクト」として説明できます。決めていない人は、更新のときに「続けますか」と聞かれ、稼働の質に関わらず、依頼側の予算の都合で終わることがあります。エラベルでは、依頼側と担当者の契約を、期間と目的を持つ形で整えることを勧めています。プロジェクトとして組むことは、担当者の稼働を「作業」から「成果に向かう工程」に変えます。
依頼側との合意の形
五つの要素は、自分の中で決めるだけでなく、依頼側と合意し、一枚にして共有します。
| 合意の項目 | 依頼側に伝える形 |
|---|---|
| 目的 | 「この三か月で、〇〇を△△の状態にすることを目的にしたいです。御社の採用で、まずここが整うと、次に進めます」 |
| 期限 | 「契約の期間に合わせて、〇月末を期限にします。途中の節目で進みを確認します」 |
| 工程 | 「工程はこの順番で進めます。最初の数週間は現状の把握と型づくりで、目に見える結果は〇週目から出る見込みです」 |
| 役割 | 「私の役割は〇〇で、御社には△△をお願いします。特に□□は、御社の判断が要る工程です」 |
| 節目 | 「月に一度の定例で、工程の進みと、直すべき点を確認したいです」 |
| 一枚 | 五つを一枚にまとめ、議事録に添えて共有する。依頼側の担当者が社内に回せる形 |
合意の要点は、「工程の中で、目に見える結果が出る時期を先に伝える」ことです。プロジェクトの最初の工程は、現状の把握や型づくりで、結果が見えません。それを伝えずに始めると、依頼側は「何も動いていない」と感じます。「〇週目から結果が出る見込み」と先に言えば、その前の期間が「準備」として理解されます。期待のすり合わせは期待値のすり合わせに、最初の数週間の進め方は早い段階で成果を出すに書いています。
工程と節目の置き方
工程は順番があり、節目で進みを見ます。副業の枠に合う置き方があります。
| 工程の例(スカウトの運用の型づくり) | 期間の目安 | 節目で見ること |
|---|---|---|
| 一、現状の把握 | 最初の数週間 | 依頼側の記録から、返信の割合、辞退の理由、日程の確定までの日数が分かったか。現状把握のしかた |
| 二、文面と相手の絞り方の型 | 次の数週間 | 型が文書になり、送り始めたか。返信の変化が出始めたか |
| 三、返信の対応と日程調整の型 | 次の数週間 | 候補者への対応の型が回り、日程の確定までの日数が縮んだか |
| 四、面接の設定の流れ | 次の数週間 | 面接官の枠が固定され、設定が増えたか |
| 五、型の文書化と引き継ぎ | 最後の数週間 | 型が依頼側の共有にあり、自分がいなくても回る状態か。いつ辞めても困らない状態を作る |
置き方の要点は、「五」の型の文書化と引き継ぎを、最後の工程として最初から入れておくことです。プロジェクトの目的は「型が回る状態にする」ことで、その状態には「自分がいなくても回る」が含まれます。最後の工程で型を依頼側に残せば、プロジェクトは終わり、次のプロジェクト(次の工程の型づくり)に移れます。型を残さないと、プロジェクトは終わらず、毎月の作業に戻ります。節目の定例の進め方は定例会の進め方に整理しています。
途中で崩れたときの立て直し
プロジェクトは、途中で崩れます。崩れ方に応じて、立て直します。
| 崩れ方 | 立て直し |
|---|---|
| 工程が遅れている | 節目で事実を伝え、期限を動かすか、工程を減らすか、依頼側と決める。黙って遅らせない。遅れそうなときの連絡 |
| 依頼側の役割の工程で止まっている | 「〇〇の工程は御社の役割で、ここで止まっています」と事実で示し、依頼側の判断を仰ぐ。責めない |
| 候補者の山が来て、工程が止まった | 山の対応を優先し、工程は山が過ぎてから。節目で「山の分、工程が〇週遅れる」と伝える |
| 目的がずれてきた | 依頼側の採用の方針が変わったなら、目的を見直す。節目で「目的をこう変えたい」と提案する |
| 本業の都合で稼働が落ちた | 工程を減らすか、期限を延ばす。「稼働が合わなくなったら」の四つで調整。稼働が合わなくなったら |
| 依頼側の担当者が替わった | 新任に一枚を見せ、目的と工程と役割を合意し直す。前任との合意は引き継がれていない |
立て直しの要点は、「節目で直す」ことです。節目が無いと、崩れに気づくのが遅れ、直す時期を失います。月に一度の節目で、工程の進みと崩れを見て、その場で直す。直せない崩れは、期限か工程か目的を変えることで、プロジェクトの形を保ちます。
プロジェクトの終わり方
プロジェクトは、目的を達したら終わります。終わり方が、次につながります。
| 終わり方 | 内容 |
|---|---|
| 目的を達して終わる | 「〇〇が△△の状態になった」を、記録の事実で示し、依頼側と確認する。一枚に「完了」を書く |
| 次のプロジェクトを提案する | 「〇〇が整ったので、次は△△を整えるプロジェクトを」と、更新の二か月前に提案する。更新時の条件見直し |
| 維持に移る | 型が回っているので、稼働を減らして維持する形に。範囲と稼働と単価を見直す |
| 依頼側の社内に渡して終わる | 型が依頼側の社内で回るなら、契約を終える。「自走する状態になった」は、依頼側にとって最も価値のある終わり方。次の紹介につながる |
| 目的を達せずに終わる | 期限が来て達していないなら、「どこまで進み、何が残ったか」を一枚にし、残りを次のプロジェクトにするか、終えるかを依頼側と決める |
終わり方の要点は、「達せずに終わるときも、一枚にする」ことです。達していないことを曖昧にして更新すると、次のプロジェクトも曖昧になります。「工程の三まで進み、四と五が残った。残った理由は〇〇」と事実で示し、残りをどうするかを依頼側と決めれば、次のプロジェクトは明確になります。終了時の整理は引き継ぎの進め方に、次の案件への広げ方は次の案件へ広げるに書いています。
副業の枠に収める工夫
プロジェクトとして組むことが、副業の枠を超える負担にならないための工夫です。
| 工夫 | 内容 |
|---|---|
| 一枚で済ませる | 五つの要素は、一枚の文書で足りる。管理のツールや詳細な計画は要らない |
| 工程は三つから五つ | 細かく分けない。副業の枠で、一つの工程に数週間 |
| 節目は既存の定例に乗せる | 節目のための会議を増やさない。月に一度の定例の中で、工程の進みを見る |
| 稼働報告と一体にする | 月次の稼働報告に、工程の進みを一行足す。別の報告を作らない。稼働報告のフォーマット |
| 期限は契約の期間に合わせる | 契約と別の期限を作らない。三か月の契約なら三か月のプロジェクト |
| 目的は自分の範囲の出口に一致させる | 範囲を超える目的にしない。目的が範囲を超えると、稼働も超える |
工夫の要点は、「既存のもの(契約の期間、定例、稼働報告)に乗せる」ことです。プロジェクトのために新しい仕組みを作ると、副業の枠を圧迫します。契約の期間を期限に、定例を節目に、稼働報告に工程の進みを一行足す。それだけで、案件はプロジェクトになります。
エラベルの見解
担当する側から見ると、更新が「次は何をするか」の形で続いている人は、案件をプロジェクトとして組んでいます。契約の最初に「この期間で何を整えるか」を依頼側と決め、工程と役割を一枚にし、節目で進みを見て、目的を達したら型を依頼側に残して次のプロジェクトを提案する。依頼側の担当者は、それを社内で「次のプロジェクト」として説明でき、予算が続いています。毎月同じことを回している人は、稼働の質が同じでも、「続けますか」と聞かれ、依頼側の都合で終わっています。
順番として、契約の最初に目的を自分の範囲の出口で決め、期限を契約の期間に合わせ、工程を三つから五つに分け、依頼側の役割を明示し、節目を定例に乗せ、一枚にして共有し、節目で直し、目的を達したら型を残して次を提案する。この順番で、副業の案件は作業の繰り返しではなく、成果に向かう工程になります。エラベルでは、依頼側と担当者の契約を、期間と目的を持つプロジェクトの形で整えることを勧めています。プロジェクトとして組むことは、担当者の稼働を、依頼側が社内で説明できる価値に変えます。
まとめ
- 「毎月同じことを回す」から一段上げるには目的・期限・工程・役割・節目の五つを持つプロジェクトとして組む
- 利点は依頼側の担当者が社内で説明でき、成果が目的に対する進みで見え、更新が「次は何か」になる
- 目的は自分の範囲の出口と一致する状態で書き、期限は契約の期間に、工程は三つから五つ、役割は依頼側の役割を明示、節目は定例に乗せる
- 合意では目に見える結果が出る時期を先に伝える
- 最後の工程に型の文書化と引き継ぎを入れる。型を残せばプロジェクトは終わり、次に移れる
- 崩れたら節目で直す。達せずに終わるときも一枚にして残りを決める
- 既存の契約・定例・稼働報告に乗せ、新しい仕組みを作らない
よくある質問
依頼側が「プロジェクト」という言葉を大げさに感じそうです
言葉は使わなくて構いません。「この三か月で〇〇を整える」と、目的と期限を伝えるだけで、中身はプロジェクトです。依頼側の担当者が社内で使いやすい言葉(「取り組み」「整備」など)に合わせます。大切なのは言葉ではなく、目的・期限・工程・役割・節目が一枚にあり、依頼側と合意されていることです。
型づくりのようなまとまった目的が無く、日々の対応だけの案件です
日々の対応だけの案件でも、「三か月で、候補者への対応の型を依頼側の社内で回る状態にする」という目的は置けます。対応そのものが目的ではなく、対応の型が残ることを目的にすれば、日々の作業がプロジェクトの工程になります。型が残れば、自分の稼働を減らして維持に移るか、次の工程(面接の設定の流れなど)に広げるかを、依頼側と決められます。数字に出ない業務の見せ方は成果が数字に出ない業務の見せ方に整理しています。
契約の途中からプロジェクトの形にできますか
できます。更新の節目が最も自然で、「次の期は、〇〇を整えることを目的に、この工程で進めたい」と提案します。節目まで遠いなら、定例で「残りの期間で、〇〇を整えることを目的にしたい」と切り出し、一枚にして共有します。途中からでも、目的と期限と工程が決まれば、その時点からプロジェクトになります。提案の出し方は提案を出すタイミングに書いています。