人事副業 / 離職防止の施策設計
離職防止の施策設計で副業を始めるには|最初の1件の取り方
社内で離職の対策に取り組んできた。離職の記録を分析し、退職の理由を集め、施策を打ち、定着を見てきた。この経験を副業で使えないか。そう思って募集を見ると、「離職防止」「リテンション」の案件はあるのに、自分の何を見せれば選ばれるのかが分からない。「定着率を改善した経験があります」では、何をした人か伝わらず、「辞めそうな人と話せます」では、関わってはいけない範囲の案件が来るからです。結論を先に書くと、最初の1件を取るには、「離職の記録を時期と理由で分け、入る前のずれと入った後の問題に見分けて、採用の側と受け入れと上司と役割のどこに手を打つかを一つに絞り、動く形で設計し、同じ時期と理由の離職を半年から一年で見た」と、分ける力と段階の見分けと記録で見る効果の三つで見せます。個々の退職の場面(慰留・面談・手続き)には関わらないことを、先に自分の言葉で書きます。見本は記録の分け方の型と段階の見分けの表と理由を聞く型と施策の選択肢の表と効果の記録の型で作り、入口は、採用の代行やオンボーディングやサーベイの案件の中で提案、紹介、副業のプラットフォーム、担当者を選べる窓口の四つで、最初は「記録の整理と段階の見分けだけ」「理由を聞く型と集計の仕組みだけ」「一つの施策の三か月だけ」と小さく受け、受ける前に個々の退職に関わらないことの同意と記録の提供の形と処遇の扱いと効果の期間を確かめ、最初の1件を「型と記録が残り、退職者の情報は残らない形」で終えて2件目につなげます。案件の型と受けられない範囲は離職防止の施策設計の副業案件に、1案件の流れは離職防止の施策設計の副業の実務に、副業全体の始め方は人事の副業の始め方に書いています。ここでは「最初の1件の取り方」に絞ります。
先に決める:個々の退職に関わらないことを自分の言葉で書く
離職防止の副業は、最初の1件を取る前に、「個々の退職の場面には関わらない」を自分の言葉で書くところから始まります。依頼側は「辞めそうな人を止めてほしい」と考えていることが多く、先に書いておかないと、最初の1件で関わってはいけない範囲に立ちます。
| 関わらないこと | 自分の言葉で書く例 |
|---|---|
| 辞めそうな人を止めること(慰留) | 「いま辞めそうな方への対応は、御社と専門家の役です。私は次の離職を減らす施策を設計します」 |
| 退職を申し出た人との面談 | 「退職の意思を伝えた方との面談には入りません。理由を聞く型は作り、聞くのは御社の人です」 |
| 退職の手続き、条件の話、解雇に関わる判断 | 「手続きと条件と解雇に関わる判断は、社会保険労務士や弁護士にご相談ください。私は関わりません」 |
| 退職者への連絡 | 「退職者に私が連絡することはしません」 |
| 個人の退職の理由を会社に伝えること | 「理由は個人が特定されない形で集計し、傾向としてお返しします」 |
この五つを、プロフィールと提案の最初に書きます。理由は退職や解雇の場面への関わり方に書いています。個別の判断は専門家にご確認ください。
経験を棚卸しする:分ける力・段階の見分け・記録で見る効果
依頼側が読むのは、「離職に詳しいか」ではなく、「辞める理由を減らす施策を、段階に当てて設計し、離職の記録で効果を見られるか」です。社内の経験を三つに分けて書き出します。
| 項目 | 書き出すこと | 依頼側が読むこと |
|---|---|---|
| 分ける力 | 離職の記録を、時期(一か月・三か月・半年・一年・それ以上)と理由(役割・仕事・人・条件・方向・本人の事情)でどう分け、何が見えたか | 離職率の一つの数字を、手を打てる形に分解できるか |
| 段階の見分け | 理由の言葉から、要件・募集・選考・内定後・受け入れ・上司・役割・処遇のどこの問題かをどう見分け、「入る前のずれ」をどう見つけたか | 入社後の施策だけでなく、採用の側に戻せるか |
| 記録で見る効果 | 施策の後、同じ時期と理由の離職をどう見て、何を直したか。何か月かけて見たか | 三か月で判断せず、記録で見られるか |
いちばん差がつくのは二つ目です。「離職防止の施策を打ちました」ではなく、「三か月以内の離職の理由に『聞いていた話と違う』が多かったので、求人票と面接で実態を伝える直しを採用の側に戻し、半年後の三か月以内の離職が減った」と、見分けたことと戻したことと変わったことの組で書きます。数字は会社の許可の範囲で。数字の見せ方は数字で語るに、実績の示し方は実績の示し方に書いています。
見本を作る:分け方の型・見分けの表・聞く型・選択肢の表・記録の型
離職の記録は、退職者の情報そのもので、見せられません。見本は、型だけを、架空の会社で作ります。
| 見本の要素 | 作り方 | 注意 |
|---|---|---|
| 記録の分け方の型 | 時期を列に、理由を行に、件数を入れる表の型。役割や層の区分。架空の数で埋めた例 | 実在の記録を使わない。架空と明記 |
| 段階の見分けの表 | 理由の言葉(「聞いていた話と違う」「誰に聞けばよいか分からなかった」「上司と合わない」「何を任されているか分からない」「条件」)を、段階(募集と選考・受け入れ・上司・役割・処遇)に当てた表。「入る前のずれ」の欄 | 全部を「入社後」にしない |
| 理由を聞く型 | 聞く人(上司でない会社の人)、時期(二回)、選択肢、「どの段階で分かっていれば」の問い、責めない・引き留めない・任意の注意書き、記録の欄(個人の事情は書かない) | 自分が聞く型にしない |
| 施策の選択肢の表 | 段階ごとに施策の例と、「誰が何をするか」「要る時間」「効果の見方(同じ時期と理由の離職)」の欄。処遇の行は「専門家との別の範囲」と固定 | 処遇の施策を自分の欄に入れない |
| 効果の記録の型 | 施策の実施率、この間の離職の時期と理由、絞った時期と理由の離職の推移(半年から一年)。個人の欄は無し | 離職率の一つの数字だけの型にしない |
| 役割の線の一枚 | 会社と専門家がやること(個々の退職の対応、施策の決定と実行、処遇)・自分がやること(記録の整理、段階の見分け、聞く型と集計、選択肢と設計、進行の支援、効果の記録)・しないこと(慰留、面談、退職者への連絡、個人の理由の伝達) | 自分の欄に「面談」を入れない |
見本が一組あれば、依頼側は「この人は辞めそうな人と話す人ではなく、辞める理由を減らす仕組みを作る人だ」と読みます。見本の作り方はポートフォリオの作り方に、段階の見分け方は早期離職が続くのは採用のどの段階の問題かに書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、離職防止の最初の1件は、「人の気持ちが分かる人」ではなく「段階の見分けの表を見せられる人」に来ます。依頼側の経営者の多くは、離職を「若手の根性」「上司の問題」のどちらかで見ていて、募集と選考で起きている「入る前のずれ」を見ていません。見本の表に「聞いていた話と違う」が募集と選考に当てられていれば、依頼側は「うちもそうかもしれない」と読み、施策が採用の側に戻ることを受け入れます。エラベルで担当者を選ぶ企業も、寄り添う力より、「段階を見分けて採用の側に戻せるか」を見ています。受ける側がその場で使える判断としては、見本の五つのうち、段階の見分けの表と役割の線の一枚を最初に置くこと。見分けの表が具体で、線が引かれていれば、最初の1件は来ます。
プロフィールに書くこと
| 書くこと | 書き方の形 | 書かないこと |
|---|---|---|
| できる範囲 | 「離職防止の施策設計の、離職の記録の時期と理由での整理・段階の見分け・理由を聞く型と集計の仕組み・施策の選択肢と動く形の設計・進行の支援・同じ時期と理由の離職での効果の記録。個々の退職の場面には関わりません」 | 「リテンション」「離職者の引き留め」「退職面談の実施」 |
| 分ける力 | 「離職率ではなく、時期と理由で分けてから施策を選ぶ」 | 「定着率〇%改善」 |
| 段階の見分け | 「理由の言葉から、募集と選考・受け入れ・上司・役割のどこの問題かを見分け、入る前のずれが多ければ採用の側に戻す」 | 「入社後フォローの強化」 |
| 記録で見る効果 | 「同じ時期と理由の離職を半年から一年で見て直す。三か月で判断しない」 | 「早期に効果」 |
| 結果 | 「〇〇と見分けて〇〇に戻し、〇〇の離職が変わった」を二〜三組 | 「〇人の離職を防止」だけ |
| 線 | 「慰留、退職を申し出た人との面談、手続き、条件、解雇に関わる判断、退職者への連絡は行わない。処遇に関わる施策は専門家と。退職者の情報は手元に残さない」 | 何でも対応します |
止まりやすいのは、「離職者の引き留め」「退職面談の実施」と書くときです。個々の退職に関わる案件が来て、断るか、線を越えるかになります。プロフィールの書き方はプロフィールの書き方に書いています。
最初の1件が見つかる四つの入口
| 入口 | 向く人 | 進め方 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 採用の代行やオンボーディングやサーベイの案件の中で提案 | すでに採用や定着に関わる案件を持っている | 入社後に辞める人が出たとき、「過去の離職を時期と理由で分けて、どの段階の問題かを見分けませんか」と提案。採用の代行なら「入る前のずれ」の直しにつながる | 個々の退職の場面には入らないと先に伝える |
| 元の勤務先や知人の紹介 | 前職や取引先に、採れるのに辞める会社を知っている | 「記録の整理と段階の見分けだけ、まず」と範囲を絞って提案 | 現在の勤務先の離職の記録を持ち込まない |
| 副業のプラットフォーム | まず件数を見て選びたい | 「離職防止」「定着率改善」の募集に、見本(見分けの表と役割の線)を付けて応募。募集文で「個々の退職への関与を求めていないか」「記録の提供の形」を見る | 「退職面談の実施」「引き留め」「離職者対応」の案件は避ける |
| 担当者を選べる窓口への登録 | 条件が合うときだけ受けたい | 登録して、見本と役割の線を出しておく | 窓口の仕組み(誰が何を決めるか)を確かめる |
最も通るのは、いちばん上の入口です。採用の代行で入った人が辞めたとき、依頼側は「採用のどこが悪かったか」を知りたがっていて、段階の見分けがそのまま次の仕事になります。案件の探し方は案件の探し方に、紹介の頼み方は紹介を頼むに書いています。
小さく受ける:記録の整理だけ・聞く型と仕組みだけ・一つの施策の三か月だけ
最初の1件は、施策の一式ではなく、個々の退職に触れない範囲で受けます。
| 小さく受ける型 | やること | 見せられる結果 | 次につなぐ提案 |
|---|---|---|---|
| 記録の整理と段階の見分けだけ | 過去の離職の記録(個人が特定されない形)を時期と理由で分け、段階に当て、一つに絞る。施策は決めない | 分けた表と、段階の見分けの根拠、絞った箇所 | 「絞った段階の施策の選択肢を出します」→選択肢へ |
| 理由を聞く型と集計の仕組みだけ | 理由の記録が無い会社で、会社の人が聞く型と、集計して段階に当てる仕組みを作る | 型と仕組み。四半期後の傾向 | 「溜まった記録で段階を見分けます」→整理へ |
| 一つの施策の三か月だけ | 会社が選んだ一つの施策を動く形に設計し、三か月の進行を支え、実施率を記録する | 実施率と、この間の離職の時期と理由 | 「半年から一年で効果を見ます」→効果の確認へ |
止まりやすいのは、小さく受けたのに、「今、辞めそうな人がいるので」と個々の場面が流れてくるときです。「個々の退職には関わらない」を書面に残し、返す文を決めておきます。
受ける前に確かめること
| 確かめること | なぜ |
|---|---|
| 個々の退職の場面(慰留、面談、手続き、条件、解雇)には関わらないことに、会社が書面で同意するか | 関わってはいけない範囲に立たないため。個別の判断は専門家にご確認ください |
| 離職の記録を、個人が特定されない形(番号や区分)で提供できるか | 退職者の情報を読まないため |
| 退職者に理由を聞くのは会社の人であること | 退職者と接触しないため |
| 処遇(条件)が理由の離職への施策は、専門家の関与を前提に別の範囲にすること | 人事制度の設計に踏み込まないため |
| 効果は同じ時期と理由の離職で、半年から一年で見ることに同意するか | 三か月で「効かなかった」で終わらないため |
| 施策の決定と実行は会社と管理職であること | 実行を持たされないため |
| 管理職の部署ごとの離職を、管理職の評価に使わないこと | 管理職を裁く役にならないため |
| 採用の側(求人票、面接)に施策が戻ることを会社が受け入れるか | 「入社後の施策だけ」に限定されないため |
確かめる順は副業で法令違反をしないためにに、個人情報の扱いは候補者の個人情報の扱いに、条件のすり合わせは条件のすり合わせに書いています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、受ける側の「最初の1件は、辞めそうな人を一人止められれば、会社に感謝されて実績になる」というものです。実際には、個々の退職の場面は法令の判断と当事者の生活に直結し、副業の人が関わる構造になっておらず、止められても止められなくても、責任の線が引けません。それは実績ではなく、話せない経験になります。同じ1件目でも、「記録を時期と理由で分け、入る前のずれを見つけ、求人票と面接の直しを採用の側に戻し、半年後に三か月以内の離職を見た」と受けた人は、1件目の終わりに「分けた表」「段階の見分け」「戻した施策」「離職の推移」が残り、それが次の会社への提案の材料になります。エラベルで長く続いている担当者は、例外なく、個々の退職の場面に入っていません。受ける側がその場で使える判断としては、1件目の提案の最初の行に「個々の退職の場面には関わりません。次の離職を減らす施策を設計します」と書くこと。関わらないと先に書いた提案が、続く案件を呼びます。単価の考え方は単価の相場と考え方に書いています。
最初の1件の終わらせ方と2件目へのつなぎ方
1件目は、「型と記録が残り、退職者の情報は残らない形」で終えます。渡すものは、記録の分け方の型と分けた表(個人が特定されない形)、段階の見分けの根拠、理由を聞く型と集計の仕組み、施策の選択肢の表と会社の選択の書面、動く形の設計と実施の記録、効果の記録(半年から一年)、です。離職の記録と退職者の情報は、自分の手元に一切残しません。会社の許可を得て、会社が特定できない形にした「分け方の型」「見分けの表」「聞く型」「選択肢の表」と「離職の推移の方向」を、実績と見本にします。
2件目へのつなぎ方は二つです。同じ会社に、効果の確認の継続、次の段階への展開、社内で回す型(聞く型と集計と見直し)の引き継ぎを提案するか。採用の代行やオンボーディングの案件を持つ別の会社に、入社後に辞める人が出たとき、「記録を分けて段階を見分けるところから」を提案するか。どちらも、「どう見分けて、どこに戻して、離職がどう変わったか」が具体であるほど通ります。2件目の取り方は2件目の取り方に、実績の書き方は事例の書き方に書いています。
まとめ
- 先に個々の退職に関わらないこと(慰留・面談・手続き・条件・解雇・退職者への連絡・個人の理由の伝達)を自分の言葉で書く。個別の判断は専門家にご確認ください
- 見せるのは分ける力・段階の見分け・記録で見る効果の三つ。「定着率を改善しました」「辞めそうな人と話せます」では選ばれないか、事故を起こす
- 見本は分け方の型・見分けの表(「入る前のずれ」の欄)・聞く型・選択肢の表(処遇は別の範囲と固定)・効果の記録の型・役割の線を、架空の会社で作る。見分けの表と役割の線を最初に置く
- プロフィールに時期と理由で分ける・段階を見分けて採用の側に戻す・半年から一年で見る・個々の退職に関わらない・処遇は専門家と・退職者の情報を残さないを書く。「引き留め」「退職面談」と書かない
- 入口は採用の代行やオンボーディングやサーベイの案件の中で提案・紹介・プラットフォーム・担当者を選べる窓口の四つ。採用の代行で入った人が辞めたときの提案が最も通る
- 最初は記録の整理だけ・聞く型と仕組みだけ・一つの施策の三か月だけと小さく受け、「個々の退職には関わらない」を書面に残す
- 受ける前に関わらないことへの書面の同意・記録の提供の形・聞くのは会社の人・処遇は別の範囲・効果の期間・決定と実行は会社・管理職の評価に使わない・採用の側に戻ることの受け入れを確かめる
- 1件目は型と記録が残り、退職者の情報は残らない形で終え、次の段階か別の会社につなぐ
よくある質問
社内で行った離職の分析を、実績として見せてよいですか
離職の記録は退職者の情報で、会社の許可があっても、個人や部署が特定される形では見せません。見せるのは、会社が特定できない形にした「分け方の型」「段階の見分けの表」「聞く型」「選択肢の表」と、「どの段階に戻して、離職の推移がどの方向に動いたか」の構造だけです。件数や率の実数は、許可の範囲でも、部署や層が特定されるなら出しません。現在の勤務先の離職の記録の持ち込みには触れないでください。
「退職面談を代わりにやってほしい」という募集しか見つかりません
受けません。退職を申し出た人との面談は、個々の退職への関与で、範囲外です。「退職面談の型(上司でない人が、選択肢で、二回、責めず)を作り、集計して段階に当てる仕組みを作ります。面談そのものは御社の人事の方が行ってください」と、型と仕組みの形に直して提案します。それでも「代わりにやってほしい」という会社では、受けません。個別の判断は専門家にご確認ください。
最初の1件の単価はどう決めればよいですか
「記録の整理と段階の見分け(分析)」「理由を聞く型と集計の仕組み」「施策の選択肢と設計」「三か月の進行の支援」「半年から一年の効果の確認(四半期ごと)」を分けて見込みます。実行は会社が行うので自分の稼働には乗りません。効果の確認の期間が長いので、進行の支援と効果の確認を分けて契約すると、稼働が読めます。1件目は記録の整理か聞く型から入り、2件目で施策の設計や効果の確認に広げるときに見直す、という順が現実的です。相場は範囲と会社の人数と離職の件数で幅が大きく、公開されている案件でも一律ではありません。考え方は単価の相場と考え方に書いています。